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「一万円選書」当選物語:#7『トリツカレ男』

私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。

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7冊目は、いしいしんじ著。『トリツカレ男』。

「何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり」な主人公、「トリツカレ男」のジュゼッペ。この物語はこんな風に始まる。

 ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。一度なにかにとりつかれちゃうと、もう、ほかのことにはいっさい気がむかなくって、またそのとりつかれかたが、そう、ちょっと普通じゃないんだな。たとえばおととし、………

ジュゼッペが夢中になるのは、オペラだったり、サングラス集めだったり、刺繍だったり…。まあ、とにかく一貫性はない。前日まで別のものに夢中だったかと思えば、次の日は別のものに心を奪われていたりする。

そんなジュゼッペの住む街に寒い国からやってきた風船売りの少女、ペチカに恋をする。悲しみで凍りついたペチカの心をあたためることに「トリツカレ」るジュゼッペ。果たしてその「トリツカレ」の行方は…。

何かについ夢中になってしまうこと。誰もが多少はそんな経験があるのではないかと思います。私は特にあります。とにかく熱しやすく冷めやすい。笑

だからこそこの本には出だしから引き込まれ、一気に読み終わりました。分量自体160ページとさらりと読めるような一冊。けれど、何度も読みたくなるようなそんな本でした。


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ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。