こんぶのほんぶ

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兵庫県立芦屋国際中等教育学校の情報文学部(略してJBC)公式アカウントです。部員の小説やイラスト、お知らせなどを掲載しています。

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ご挨拶

皆さん、こんにちは。兵庫県立芦屋国際中等教育学校情報文学部です。 今年度は『情報文学部を改革するぞ!』という目標のもと、 今までになかった活動に挑戦したり、今までの活動をより楽しくやっていけたらと思います。サイトまで新しくなったJBCをよろしくお願いします!  Hello everyone. We are the Ashiya International Secondary School Information Literature Club. This year, our

    • 梅雨の一句 作:紺青

      梅雨入りの光輝く夏の汗 乾梅雨道路が崩れて道腐る

      • 青い夏と海 作:紫月

         ――どうしてここへ来てしまったのだろうか。  ザァザァと、壮大な音がする。私は何か悩み事があるといつもこの海を見に来てしまう。  今日は散々な一日だった。朝寝坊したせいで髪の毛がボサボサのまま学校へ行って、所謂カースト上位の子たちにクスクスと笑われた。後ろにパスしないといけないプリントをばらまいてしまって、拾うときに紙で手を切ってしまった。お弁当にお箸を入れ忘れてしまった挙句、せっかく母が作ってくれた出汁巻き卵を床に落としてしまった。体育では転んで膝を擦りむいたし、外で運

        • ぺんだんと 番外編2 作:Erin

          《藤原くん》 ※第6章の間に起こった話です。 裏庭の大きな木の下で、望月君と話している時にいつも邪魔する奴。 望月君の友達なのだろうけど、その中のある人が少し怖い。 そいつの名前は『藤原颯馬(ふじはらそうま)』 彼が望月君を呼ぶたび、私は物陰に隠れているが、そのたび目が合っている気がする。 そんなある日・・・・・・ いつもの時間に裏庭に行き、お弁当を開く。その数分後に望月君の足音が聞こえた。 いつものように顔を上げて「やっほー」と挨拶した。けど、 「藤原君…

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          ぺんだんと 第八章 作:Erin

          「や、やめて!」 璃子がペンダントを放り投げようとした。 そのとき、窓から璃子の腕をつかむ手がシュンっとでてくる。 「きゃああ! だ、だれ!?」 「お前こそ誰」 窓から手を出すなんて一人だけ。瞬だ。 「瞬、だめ!!」 瞬が璃子を殴る構えをしている。だけど、私の声は届かず、璃子を殴ってしまった。 「きゃああああ!!!」 殴られた璃子は右手を床につき、殴られた頬を左手で押さえている。 その光景を見て申し訳なさもあったが、今までされた事と比べると、お互い様かも

          ぺんだんと 第八章 作:Erin

          ぺんだんと 第七章 作:Erin

          どうやら由梨と望月君はよくメールしあっているらしく、よく私の話を聞かれたそうだ。 「あたし彼氏いるし、従兄弟だから絶対ないよ」 授業を初めてさぼり、由梨と屋上で話した。 この時、べつに呆れたり腹を立たなかったりはしなかった。 只々、普通の二人に戻った気がして嬉しい思いでいっぱいだった。 「でも従弟同士結婚できるじゃん」 「遠い親戚ならね。瞬のお母さんとあたしのお母さん双子でね。あと何回も言ってるでしょ! あ・た・し・に・は・か・れ・し・が・い・る・の!」 由梨が丁寧

          ぺんだんと 第七章 作:Erin

          ぺんだんと 第六章 作:Erin

          望月君の家庭教師になって2か月、中間はあまり上がらなかったことで落ち込みながらも必死に勉強する望月君。「期末は絶対あげるぞー!!」と言いつつ学校はさぼっている。 「期末一週間前になったら学校は絶対さぼらないこと! 家帰ったらすぐ勉強するから」 「めんどい——」 「家庭教師になってくれって言ったの誰だっけ」 望月君を上から見上げてドヤ顔する。望月君は一瞬戸惑ったけどまた机に向かった。 そんなこんなで期末テスト返し…… 私の点数は下がっていない。逆に上がっている。人に

          ぺんだんと 第六章 作:Erin

          ぺんだんと 第五章 作:Erin

           長い夏休みも終わり、2学期が始まった。 初めての課題テストも90点代。同じ学年の人たちだけじゃなく、先輩たちにも噂は広まり、私を気に入る先輩もいれば気に入らない先輩も出てきた。 おまけにクラスの奴らが「ここわからない。教えて——」ではなく、「ここわからない。やって——」と、私に宿題を押し付けてくる。イラつくけどやれば成績上がるかもと思ってついついやってしまうけど。 結局困るのはあっちだし……。 昼休み、あの大きな木で音楽を聴きながらお弁当を食べた。 「あ、不良発見

          ぺんだんと 第五章 作:Erin

          ぺんだんと 第四章 作:Erin

          「ねーねー、1組の日高夏美って知ってる?  あの子期末90点以上とって委員長になったからって優等生子ぶってんだって。うざくない?」  トイレに入れば私の悪口が聞こえる。しかも7組の女子達。 いや〜ほんっと女って恐い。このセリフ何回言ってるんだろう。 私はこの頃いろんな噂をされる。優等生子ぶってるとか、男たらしだとか……。 羨ましがってるだけかい可哀想な奴らだわ。  でもそんなことは今日で終わり。明日から夏休み!  なんだか今まで縛られてきたから解放された気分。う

          ぺんだんと 第四章 作:Erin

          ぺんだんと 第三章 作:Erin

          「~♪」  鼻歌を歌いながら学校に向かう。 色々とスッキリしたせいで、逆にテンションが高くなってしまった。 ドサ! 「いったー」 案の定、門から少し離れたところで誰かとぶつかって転んでしまった。 「あっ、わりぃ。大丈夫か?」 ぶつかった相手は今学校で噂の不良、望月(もちづき)瞬(しゅん)だった。 私とはクラスが離れていて、よく知らないけど、問題をよく起こすという噂は聞いた。 おまけにモテる。不良なのになんでモテるんだろう? 前からずっと疑問に思っていた。

          ぺんだんと 第三章 作:Erin

          ぺんだんと 番外編 作:Erin

          由梨と拓斗 〈拓斗side〉 偶然塾で隣になった、秋月由梨さん。 中学生になり、母親に勧められて入った塾だけど、正直剣道に力を入れたくてあまり乗り気ではなかった。 「あ……」 消しゴムを取ろうと手を伸ばしたがその拍子に秋月さんと手がぶつかる。 「すみません、自分の消しゴムだと思っちゃって」 秋月さんはケヘヘと笑い、手を引っ込める。 その仕草がなんだか可愛くて、俺は少し頬を赤らめた。 「藤原君だっけ。どこ中?」 ちょうど先生がお手洗いに教室を出ると、秋月さん

          ぺんだんと 番外編 作:Erin

          ぺんだんと 第二章 作:Erin

          「ちゃんと成績上げなさいよ!」 「はいはい、わかってるって。行ってきまーす!」  今日から三日間、中学校初めての期末テストが始まる。このテストが終われば、短縮授業。 早めに帰れるし、夏休みが近づいてくる。やっといじめから解放されると思うと、うれしくなってきた。 「はじめてください」 珍しく、今日は誰も私に手を出してない。テストだからそういうことしている場合じゃないしね。 (余裕余裕~) すらすらと問題が解けた。このとき、ちゃんと勉強していてよかったって思う。

          ぺんだんと 第二章 作:Erin

          ぺんだんと 第一章 作:Erin

          「ヤバいちこくする!!」  私、日高夏美。 月見ヶ丘(つきみがおか)中学の1年生。入学したばかりで、まだ分からないことが多い。 そして遅刻したことはないが、いつもギリギリの時間帯で学校に着く。 小学校の頃は、結構成功していた。例えば剣道1級合格、マラソン大会優勝、テストは毎回90点以上などなどもっとたくさんある。 そして成功で一番の自慢は、彼氏ができたこと。剣道の道場で出会った、同級生の藤原拓斗(たくと)。 拓斗とは学校が違ったけど、家が近くで親同士も仲がいい。

          ぺんだんと 第一章 作:Erin

          世界が青に染まる日

           昨日、4月2日は世界自閉症啓発デーでした。全世界の人々に自閉症を正しく理解してもらおうと、国連が制定したそうです。2010年に行われた『ライト・イット・アップ・ブルー』というイベントをきっかけに、毎年世界各国のランドマークが青色にライトアップされているようで、昨日SNSには姫路城や東京タワー等が青く光っている写真が沢山載せられていました。私は青色が好きなので、画像に見惚れていたのですが、SNSを見ると、やはり自閉症や発達障害に対する理解はまだまだ甘いと感じました。  そも

          世界が青に染まる日

          彼女からのお知らせ 作:Erin

          今日は彼女とお家デート。 俺の彼女、マリアのキッチンは日本に売ってないであろうシリアルやカラフルなお菓子が並べられていた。おそらく実家からのものだろう。 いつもはその溜まりに溜まった甘いお菓子たちを俺に押し付けているのに、今日はいつもよりお菓子が倍あるのに、全然押し付けてこない。 むしろあの明るいマリアが大人しいなんて。 おかしい。おかしすぎる。 そう思ってマリアをじーっと見つめると、その視線に気づいたのか、気まづそうに俺を見る。 「マリア、大丈夫か? 具合でも悪いのか?」

          彼女からのお知らせ 作:Erin

          四月莫迦の話 作:☆

           あたしは一つ、嘘をつきました。……ってまあ、宣言したところで「何が?」って話なんだけど、できればそこは突っ込まずに聞いてほしい。 「ケーキ食べる?」  兄にそう問うと、彼は眼鏡を拭きながら、顔をほころばせてうなずきました。兄は甘いものに目がなくて、小さいころからおやつが出てくると、あたしの分まで食べちゃうような人でした。  兄はとても喜んでいました。あたしも甘いものが好きなのですが、兄に一度も、甘いものがあるとき、声をかけたことがなかったのです。  あたしは兄の目の

          四月莫迦の話 作:☆