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【架空職業】不眠羊の羊飼い

羊が1匹、羊が2匹…。

眠れない夜、
羊を数えたことのある人は年齢や性別関係なく、実に99%と言われている。

しかしこの羊がどこから来ているか、
考えたことはあるだろうか?


私は今回、
その羊がどのように飼育されているか学ぶ為、
長野県にまで車を走らせ調査へ行ってきた。


現代、睡眠のお供も随分発達してきている。
例えば睡眠を助長する音楽を聴くアプリ。
例えば目元を温める使い捨てアイマスク。

その為に、不眠羊の羊飼いは、
日本では既に廃れつつある職業になっている。

今回インタビューに応じてくれた
『スヤスヤ牧場』の牧場主、夢村さん。
(顔出しNGとのことで、
名前だけの紹介となります)


現在跡取りがいないとのことで、
このままだと日本から不眠羊がいなくなることを
危惧し、頭を悩ませていた。

夢村さんは現在63歳。
奥様と共に牧場を経営しているが、
子どもは既に東京で働いており、
跡取りになる気は無いという。

不眠羊は普通の育て方では
いけないから、
羊飼いを連れてくれば良いという訳でも
無いようだ。

ニュージーランドから輸入する方法が
主流となりつつある今、
日本の不眠羊は絶滅危惧種となっている。


(以下、インタビュー内容)

木ノ実=私、夢村さん=夢 と記載。


私「今回は皆様の睡眠を手助けする
  不眠羊について学びにきた訳ですが、
  普通の羊とは見た目からして違いますね。
  少し小柄でモフモフとした印象です」

夢「小柄なのは不眠羊の特徴の1つとなります。
  ウールとして売らないから、
        牧場で見る羊よりも毛量が多い。
  ただ毛量が多すぎると
       羊の体調に影響してくるので、
  その裁量を見ながら毛刈りを行います」

私「見た目からして艶もありますし、
  ウールを販売するのも手なのでは?」

夢「基本的に、
       毛刈りをする時にはケンプと呼ばれる
  傷んだ毛を中心に刈っていくんです。
  だから商品としては成り立たない。
  真っ白で艶のある毛を残すからこそ、
  不眠羊としての価値が出て来るんです」

私「確かに、薄汚れた羊が出てきたら
  心無しか質の悪い夢を見そうです。
  不眠羊を育てるにあたって
  普段から気を付けている
       ことはありますか?」

夢「1番はやっぱり食べ物ですかね。
  食べる物によって、
       羊のサイズや体格は大きく
  変わって来るんです。
  例えばフルーツなんかを沢山食べると
  大きく育ってしまうから、
  僕たちはなるべく
       草だけで羊たちを育てます」

私「なるほど。
  見た限り草は沢山生えているので、
  羊が困ることは無さそうでですね」

夢「いやいや、やっぱり冬になると草の質も
  落ちるから、
       そればかりだと毛の質も落ちて来る。
  寒くなる頃にはニュージーランドから
  草を輸入して、年中良い草が食べられるよう
  心がけています」

私「ぶっちゃけ、それだけ飼育に拘っていれば
  支出も激しいかと思うんですが、
  実際収入はどれくらいなんでしょうか?」

夢「ご存知だとは思いますけど、
  消費者は不眠羊を買わないんですよ。
  実はこれ、
       『日本不眠羊協会』という団体を介して
  皆様に届けている訳なんです。
  だから特に決まった値段もなくて、
  その年と需要によって
       変わってくるというイメージです」

私「聞けば聞くほど不思議な職業ですね…
       ではもう1つ気になることがあるのですが、
  不眠羊はみんな柵を飛び越えられるよう
  訓練されてるのでしょうか?」

夢「んー…ちょっと、難しい質問ですね。
  結論からすると、訓練はします。
  ただやっぱりどうしても 
       その日のコンディションによっては
  跳べない日もありますね。
  だからこそ消費者から
       直接買わない経路を取って
  やりくりはしていますが、
  育て主としても多めに
       見てあげて欲しいです。
  相手は動物ですから。

  架空と言えども。」

私「ありがとうございました。
  白くてモフモフした不眠羊。
  感謝の気持ちを込めて数えたいと思います」

夢「寝る時は何も考えない方が
       早く寝れますからね。
  それが私からしても、1番本望です」



夢村さんの飼う羊は現在300匹程度。

数える量が多い消費者に対しては
同じ羊が何周もすることが多いらしいが、
やはり輸入が主流になってくることは否めない。

スヤスヤ牧場の生計のためにも
たまにはa波を聞くのを辞めて
静かに羊を数えてみても
良いのでは無いだろうか。



※上記内容は全てフィクションである。
それっぽい単語とか付け焼き刃で
調べて使ってみたが、
使い方が合っているかも正直分からない。



でも許して欲しい。

これは夢物語だから。



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