第43打～sideM
《43/108：色界集締癡（しきかいじったいち）＝愚かな行い》

正しくても間違っていても嫉妬される？それじゃどうしようもないから気にしない…って言いたいところだけど、どうしても気になっちゃう。
だってわざわざわたしの耳に入れに来る人がいるんだもの。知らなきゃ気にしないでいられるのに！もう！ミスターHあなたは強いのね、それになんだかちょっと嬉しそう。実は嫉妬されるの喜んでたりして〜。どう、図星？

第44打～sideH
《44/108：色界集締慢（しきかいじったいまん ）＝他者に誇りたがる気持ち》
そうだね、マダムM。言われてみれば僕は嫉妬が怖くないと言うより…嬉しい！才能に嫉妬されると、仕事の鮮やかさを妬まれると僕の自尊心は満たされるんだ！
ああ、僕は僕で良かった！僕じゃない人間として生きるなんて、死んだほうがマシだ。マダムM、あなたは皆に好かれたいと思うから嫉妬が気になるんじゃないか？嫌われてもいいじゃないか、嫉妬したければすればいい。嫉妬する人間はけして嫉妬され得ない、そう思わないか？

第45打～sideM
《45/108：色界集締疑（しきかいじったいぎ）＝正しいことを信じられない》

みんなに好かれたい？うん、確かにそう思っちゃってるかも！えっ、ていうか好かれるべきじゃない？こんな可愛いわたしを好きじゃない人たちこそおかしくない？
だからこそ、嫌われてもいいなんてあり得なーい、わたしが嫌うんならアリよりのアリだけど！でもわかった、ミスターH、あなたは嫌われても全然平気だから強いのね！わたし、人から羨まれるのはいいけど嫉妬されるのはやっぱりイヤかも。

第46打～sideH
《46/108：色界集締邪見（しきかいじったいじゃけん）＝善悪の果報があることを認めない》

マダムM、君はキリスト教徒のようだから言うんだけど、僕は旧約聖書のノアって、本当に酷いやつだなって思うんだ。だって洪水が来るってわかってて…
船を作れと誰にも教えず家族と動物だけ助けるって、どんだけ自分本位⁈俺は善人だから俺の子孫ダケ生き残ればいい…って彼は思ってたよ。彼を見てわかるだろ、自分本位はむしろ得する。あなたも自分最高なんだろう？だったら嫉妬なんて！

第47打～sideM
《47/108：色界集締見取見（しきかいじったいけんしゅけん）＝自分が正しく他が間違っている》

確かにそう考えるとノアって善人どころかすごいエゴイストね。でも神に選ばれて生き残った…神様って自己中な人間が好きなのかしら？だとしたら超悪趣味〜！
毎日のお祈りする気もなくなっちゃう。ママも神父さまもお祈りだけはしなさいってうるさいけど、もうやーめたっと。だってわたしみたいな本当の善人はきっと神のお気に召さないもの。ううん、逆に善人ほど酷い運命にされちゃうかも！

第48打～sideH
《48/108：色界滅締貪（しきかいめったいとん）＝湧いてくる欲》

僕は思うんだが…何の事件も起きない、悪いことが起きない人生なんて面白いのかな？たとえ酷い事が起きても、何もないよりはマシなんじゃないか？死ぬ時に、「あぁ神よ…
何も起きない平穏な人生だった！神よ、痛くも痒くもない人生をありがとう」と言いたいか？僕はごめんだ。たとえ滝から突き落とされて死ぬことになったっていい。僕が欲しいのは事件だ！波乱と謎解きが延々と続いて欲しい。平穏が続いたら僕は、確実に死んでしまうね。

第49打～sideM
《49/108：色界滅締癡（しきかいめったいち）＝愚行》

ミスターH、あなたの退屈嫌いも相当ね。でも今のわたしは平穏な普通の人生の方が羨ましいかも。セレブな生活はもう飽き飽き。パーティーもドレスも望めば好きなだけ手に入るけど、なんだか最近虚しくって。ああ〜もう逃げたい、ここではないどこかへ行きたい！というわけで、夫に頼んでお庭に可愛いお家を建ててもらっちゃった。そこで好きな人たちと普通っぽいホームパーティーするのがマイブームなの。これくらいの現実逃避はいいわよね？