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読書感想文「パークライフ」

☆☆☆★★

2部構成

「パークライフ」は、電車の中で出会った女性と日比谷公園での日常を描いた話

「flowers」は、僕を取り巻く飲料水の配達会社の同僚の話


なんとも掴みどころがない話だった。

「パークライフ」では、日比谷公園という主な舞台が、俯瞰して見ると人間の体の構造のような配置で池や木が植えられている。そして、話の中には雑貨屋の人体模型や宇田川夫婦宅の人体解剖図と体の構造にまつわるものが出てくる。それがどうかかっているか思考力の弱い僕にはあまりわからなかったが。

また、「なにも見ていないとき、あるいはすべてが視界に入っているとき、実際には何がみえているのか」という文字が印象に残った。

自分が何かを見て、過去のある情景やある経験を頭の中で考えているときに、自分を見ている人はそれを知らないだろうが、自分はそれを見透かされているのではないかという恥ずかしさを感じることはあるような気がした。


「flowers」では、同僚が同僚の奥さんと関係を持っていたり、また他の同僚が同じ奥さんと関係を持っていたりとドロドロしていたり、いつも同僚が理不尽に怒鳴られていたりと、この世界には居たくないとだけは感じた。


日常を描いた本で、どんでん返しがあるでも完結しているわけでもないのでしっくりこない印象はあった。

繰り返し読むと、細かな情景やストーリーの緻密さが感じられるのかもしれない。

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