2023年に良かった映画10選 〜アート、戦争、人間関係…
今日は2024/1/19。
「いつまで2023振り返ってるんだよ」て話ですが、私は2023/12/31の23:59:59の終わるギリギリまで2023年を生きたかった。
振り返りは新年明けてからするタイプなのです。
とか、めんどくさい話は置いといて。
2023年に見た映画は、たった15本。
だらだらとどうでも良いテレビやYouTubeを見る時間を減らし、映画をもっと見たいものだ。
っていう私も、ダラダラ見てもらうYouTubeをしているのだけど。
私の2023年の映画傾向
私は傾向として、以下が好きだ。余韻が残るから。
考えさせられる映画
アートな映画
答えのない(見せない)映画
ハッピーエンドではない映画
そして2023年は結果的に、こんな1年だった。
さて2023年に良かった映画10選は以下、順不同。
同じの見たよ、こんな視点で見たよ、これ見たくなりました、などのコメントをもらえたら嬉しい。
『イニシェリン島の精霊』
友達と縁を切った経験はあるだろうか。
あるいは切られた経験は?
ある日とつぜん親友から「2度と話しかけるな」と言われる男。「話しかけてきたら、俺は自分の指を切り落とす」とヴァイオリニストの男が言う。
何でそこまで?さすがにそんなことしないよねと思ったら…!
すぐ思うのは、舞台となっているアイルランドの戦争のメタファーかな?ということ。でも実は友人関係によくあることの誇張表現にも思えるし、男女の仲、あるいはストーカーを表してるのかも?とか…。
人と人とは、「分かり合えない」こともあるのだ。
結論のない、鑑賞者が自由に考える余地のある、こういう映画が好きだ。
『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』
目が見えないのに美術館へ行く意味あるの?
…あるんです。
盲目の白鳥さんは、一緒に行くお友達に作品の説明を聞いて「鑑賞」する。
お友達は白鳥さんに説明するために、1人でいるよりじっくりと、深く鑑賞し、白鳥さんとの対話によってユニークな鑑賞ができているようだ。
この映画を観て以来、アート鑑賞のときに白鳥さんに説明するイメージで鑑賞している。
『窓ぎわのトットちゃん』
年末に見たにも関わらず、一気に2023年のベスト10入り。素晴らしかった。
皆と同じにできないトットちゃんは、他の学校では「困った子」扱い。
でもトモエ学園の校長は命令や管理はせず、自分の頭で考えさせ、自由にさせる様子が本当に素敵だ。
校長先生が「何でも話してごらん」と4時間もトットちゃんの話を聞き、「もうないのかい?」と言ったところでやっと、トットちゃんの奥にある声が出てきた。
我々は普段、本当に人の話を聞けているだろうか?
監督の表現も面白く、「窓ぎわ」がとても効果的に使われていた。
こんな記事も書きました。
カレーなるトットちゃんと徹子さん
https://note.com/kosstyle/n/n2bb29f47cfb5
『首』
映画が始まって数分後に、女性2人が出ていった。わかるよ。私も目を背けてしまうくらい、残酷なシーンが満載だ。
でもそれも含めて、他と違うユニークな映画だ。
こんな記事も書いた。
映画「キングダム」と「首」の違い、そしてアート「HAPPY XMAS (War Is Not Over)」展
https://note.com/kosstyle/n/na5de3e5eb02c
『君たちはどう生きるか』
アニメは滅多に見ないし、ジブリもほぼ見たことがない。
けどこの映画は、プロモーションなしで突然公開したことや、見た人が賛否両論と聞き、「きっと私が好きな感じだ」と思った。
結果、面白かった。
鏡のような映画、アート作品だと感じる。
つまり人によって見方・感じ方が違っていいし、鑑賞者のこの作品に対する反応がそのまま、その人の「君たちはどう生きるか」の答えなのだ。
たとえばこの映画を見て「わからん」と言う人は、人生においても自分の理解できないものを「わからん」と避けるか、逆に他人の決めた正解がほしい人。
自分なりの正解を作らない人なのでは?ということ。
あくまで私の勝手な見方ですが。
『こどもかいぎ』
子供たちに対話させる保育園のドキュメンタリー。
例えばあなたは、子供が喧嘩していたらどうする?
叱る?原因を聞き、悪いほうに注意する?
この保育園では、対話のテーブルへ連れていき、そこで話し合いをさせる。先生はどこかへ行ってしまう。
子供は自分なりに考え、自分なりにどうにかしようとする。その様子がとても素敵だ。
人生だって、自分で考えて、自分なりの答えを出さなきゃいけないのに、「考えない」大人のいかに多いことか。
他にも「こどもかいぎ」の時間には、子供たちが自由に話し合う。
どうして雨って降るのかな?
どうして生まれてきたの?
どうしてケンカするの?
大人が正解を与えるのではなく、子供たちが自分で考えることが大切なのだ。
『ぼくたちの哲学教室』
先の『こどもかいぎ』と似て、子どもたちに対話をさせる小学校の話。
ただ『こどもかいぎ』が平和な日本の保育園であるのに対し、『ぼくたちの哲学教室』の背景にはアイルランドの内戦があり、対話の大切さの重みが違って見える。
「やられたら、やり返していいのか?」
子供にそう聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか?
その答えに、自国の歴史や親の言動が関わってくるのは、見ていて胸が苦しくなった。
『Winny』
映画館へ観に行ったら、マクドナルドのセットを持ち込んで音を立てて食べるおじさんを始め、男性がかなり多めだった。
まぁ、私もWinny世代の男性だ。
あの頃を懐かしく思う一方、出る杭は打たれるこの日本を憂う気持ちに。
ホリエモンのライブドア事件の時もそうだったな。
そういうことが重なって、日本は落ちてしまった。
『RRR』
ミュージカルのように、急に踊り出してハッピーな感じを想像していたが全く違い、胸糞悪かった。つまり、私好み。
拷問的なシーンなどもある、イギリス軍vsインド人の戦争?映画だ。ダンスバトルすげーとか、映像のクオリティが高いとかよりも、ものすごく考えさせられる。
インド人が見ればハッピーエンド?でも、その他の人はそれで済ますのだろうか。
やられたらやり返す?
命令なら何でもやる?
平和には武力が必要?
ハンナ・アーレントを思い出した。
ナチスドイツのアイヒマンは極悪人だからユダヤ人を虐殺したのではなく、上司や組織の命令に従うばかりで思考停止していたからそれをしたのだ。
…とこう書きながら、もう一度見たくなっている。
しかしあの長さに家で耐えられるだろうか?
『ウェルカム トゥ ダリ』
ダリのカリスマ性や作品などをカッコよく描くのではなく、弱い部分などを描いていて面白い。
男って…。
いやしかし、私という人間も、母をはじめ周りにいた女性たちによって作られている気もする。
ダリほど個性的な人でも、商売として作品を量産しなきゃ行けなかったり、騙されてたりするのも、彼の人間らしさ?を見た気がして良かった。
その他
他にも以下を見た。
『アートなんかいらない!』
まさかの2部制、ウトウトしかけたが、アートとは?と考えるキッカケに。『バンクシー 抗うものたちのアート革命』
バンクシーだけじゃなかった。ストリートカルチャー、グラフィティ入門、的な。『ヒッチコックの映画術』
ヒッチコック映画を見たことがないのに興味が湧いた。『KINGDOM 運命の炎』
ドラマのように、次に続く前提なのすごい。続きが気になってモヤモヤしたが、その気持ちももう今は忘れている。『BLUE GIANT』
漫画の映画化のせいかストーリー展開にやや深みが足りず、「ここで泣いてね」的な表現にも少し萎えたが、多くの人は感動した様子。私は映画館で見たおかげで上原ひろみらのライブを聴いてる気分が味わえて良かった。
2024年も新作を月1本は見たい。何でも良いわけじゃないから気になるものがあれば、だ。
もちろん旧作も見たいので、上を読んで私好みであろうオススメ映画があればぜひ教えてほしい。
ちなみに今気になっているのは以下だ。
…今年も、映画で驚きたい。
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