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【読書】モモ

こんにちはkotaaaaaaaaです。
今回紹介する本は、モモという本です。
この本は、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品です。

これを読めば、モモの全ての内容が分かります。是非隙間時間に読んでみてください。

かつて栄華を誇っていたが、今では廃墟と化してしまった円形劇場。

そこに誰かが住み着いたという噂が流れ住人たちが確認しに行くと、そこには奇妙な恰好をした少女がいました。

少女は『モモ』と名乗り、見た目はせいぜい小学生で、生まれて一度もくしを通したことがないような真っ黒な巻き毛で、裸足で歩いているせいで足は真っ黒で、服もサイズが合わなかったりつぎはぎだらけなものばかり。

モモは名前を自分でつけたといい、その他のことは分からず、ただここに住みたいのだと言います。

住民たちは相談し、みんなでモモの面倒を見ることにしました。

すると、モモがとても役に立つ子だということにみんな気が付きます。

モモは人の話を聞く才能に長け、どんな人でもモモに相談するとたちどころにアイディアが浮かんでくるのです。

こうして誰にとってもモモはなくてはならない存在になり、困っている人を見かけたら「モモのところに行ってごらん!」と誰もが口を揃えて言うほどです。

モモは誰とでも分け隔てなく仲良くしますが、その中でも親友と呼べる人が二人いて、それが道路掃除夫のペッポと観光ガイドのジジです。

思慮深いベッポとホラ吹きのジジはまるで正反対でしたが、不思議と三人は仲良しでした。

しかし、三人の友情に暗い影を落とすことがこれから起きます。

誰よりも時間の大切さを知っているものがいます。

それが、灰色の男たちです。

鉛のような灰色の書類かばんを持ち、固くて丸いぼうしをかぶり、小さな灰色の葉巻をくゆらせる紳士のような出で立ちの人ではない何か。

彼らは人間たちから時間を奪うための大きな計画を企てていて、かつ誰にも気が付かれないように慎重に行動しています。

一人、また一人。

灰色の男たちは人生に不満を抱える人間と会い、いかに時間を無駄にしているのかを秒単位で説明します。

そして、節約した時間を彼らが運営する『時間貯蓄銀行』に預ければ、利子を乗せて支払うというのです。

実際にはそんなうまい話はないのですが、淀みない説明に誰もがその気になり、灰色の男たちに時間を預けます。

すると、どうでしょう。

一秒たりとも無駄にできないとイライラしながら働くようになり、それでも時間はあっという間に過ぎ去ってしまってもっと倹約しなければとますます怒りっぽくなっていきます。

しかし、彼らの頭の中からは灰色の男たちと会ったことは忘れ去られているのです。

こうして灰色の男たちは着実に人間の世界を侵食し、時間を奪っていったのです。

やがてモモは自分の元に友達が来なくなったことに気が付きます。

時間を奪われた親たちが、ここの住人はぐうたらで怠け者で、時間を盗んでいるからだと子供たちに言い聞かせているからです。

何かが起こっていると感じたモモは、自分の足で古い友人たちを訪ねていきます。

しかし、友人はみな時間に追われ、モモと話したいけれど時間がないと本当に悲しそうな顔をしていました。

モモは会いに来てと彼らを励ましますが、それが灰色の男たちの計画を邪魔することになり、彼らはモモを次のターゲットにします。

灰色の男の一人が円形劇場を訪れ、モモにいかに成功することが大事であり、友情など何の役にも立たないことを説いていきます。

しかし、モモはなかなか屈しません。

すると、頭のおかしくなった灰色の男は人間から時間をむしり取っていること、人間に自分たちの正体を知られてはいけないことなど、洗いざらい喋ってしまいます。

男はそこで己のしでかしたことに気が付き、逃げ出しますが、モモの記憶には灰色の男との会話がはっきりと残されています。

モモは他の子供たちを集め、灰色の男たちに時間を奪われていることを説明し、大人たちに警告しようとプラカードにそのことを書いて町中を練り歩きます。

しかし、呼びかけに応じる大人はおらず、ついにはベッポとジジまで仕事で忙しいとモモと会ってくれる時間が減ってしまいます。

一方、秘密を話してしまった男は罰として葉巻を取り上げられ、みるみる透明になって消えてしまうのでした。

こうしてモモへの認識は改められ、灰色の男たちは全力で彼女を捕まえようと躍起になります。

その頃、モモの元に甲羅に文字が浮かび上がる不思議なカメが現れ、彼女をとある場所へと案内するのでした。

カメのおかげで灰色の男たちに見つからずに済んだモモは、やがて『どこにもない家』に辿り着きます。

そこには幾千種類もの時計が時間を刻む不思議な場所。

モモを出迎えてくれたのは、マイスター・ホラという銀髪のほっそりとした老人でした。

カメは名前をカシオペイアといい、灰色の男たちからモモを守るためにマイスター・ホラが遣わせたのです。

カシオペイアは三十分先の未来を見通す力を持っていて、そのために灰色の男たちに見つからずに済んだのです。

マイスター・ホラはこれまでの出来事を知っていて、灰色の男たちについて説明してくれます。

彼らは人間が生み出した人ではないもので、人間を支配するためにすでに多くの人間の手下を作ったのだといいます。

さらに時間とは何かについて、謎解きを通してモモに教えます。

モモは非常に敏感に時間というものを捉えていて、だからこそマイスター・ホラは彼女をここに連れてきたのだといいます。

さらにここは全ての時間の源で、マイスター・ホラはそれを人間たちに配っているのだといいます。

そして、マイスター・ホラは見せたいものがあるといって、モモを時間の源に連れていきます。

そこは時間が美しい花として絶えず咲いては散ってゆき、数え切れない音がハーモニーを作り出しています。

あとからそこは、モモの心の中であることを教えられ、モモは時間とは何かについて悟ります。

モモはここを他の友達に見せていいかと聞きますが、ダメだと言われ、しかし帰りたくなるまでいていいと言われます。

モモは頷き、眠りに落ちるのでした。

友達は誰もいなくなった
目が覚めると、そこはいつもの円形劇場でした。

しかし、どこにもない家で見たことは全て本当のことで、モモはあの時に聞いた歌を自分で歌うこともできます。

辺りを見渡すと、カシオペイアも一緒でした。

彼は、モモが望んだからついてきたのだといいます。

モモは見てきたことを友達に早く話したいと待ち望んでいましたが、誰も円形劇場を訪れません。

これには理由があり、モモは一日しか経っていないと思っていますが、こちらの世界では一年が経過していて、その間に灰色の男たちがベッポ、ジジに取り入ってここに来られないようにしていたのです。

また他の子供たちに関しても、各地区ごとに『子どもの家』と呼ばれるものを作り、面倒を見てくれる人がいない子供はみなここに収容されてないといけないようになったのです。

モモはこの事実をカシオペイアから聞かされますが、信じられない気持ちで一杯でした。

すると、モモが寝泊まりしていた部屋にジジからの手紙が置かれていて、そこにはジジは引っ越したがモモのことを心配していて、ニノの所に行けば事情を話してくれることが書かれていました。

モモは翌日、食事もかねてレストランを経営するニノの所を訪れます。

しかし、仕事に追われるニノとはほとんど話ができず、それでも何とかジジの居場所を教えてもらい、後日ジジをたずねます。

久しぶりに会ったジジはモモを歓迎してくれますが、仕事が忙しいせいで自分が話したいことを一方的に話すと、すぐにいなくなってしまいました。

モモはジジが変わってしまったことを知って悲しくなり、さらにカシオペイアもいなくなってしまったことに気が付きます。

モモは悲しみに暮れ、円形劇場に戻ると今度はベッポを探し始めます。

しかし数か月経ってもベッポは見つけられず、代わりに昔の友達と出会います。

彼らは何か追われるように神経質になっていて、昔のようにはもう遊べないのだといいます。

なら彼らがお世話になっている子どもの家に連れていってほしいとモモがお願いしますが、その時、彼らは磁力にひかれるように子どもの家に吸い込まれてしまったのです。

そこに灰色の男が現れ、子供たちを返してほしければ今夜会って話そうと持ち掛けられるのでした。

モモは友達を取り戻したと思う一方で、灰色の男たちと会うのが怖くてたまりませんでした。

何かないかと町中と歩き、疲れたところで止まっているトラックの荷台で束の間の睡眠をとります。

すると、起きた時にはトラックは動き出していて、モモは慌ててトラックを降ります。

ここでようやく恐怖に打ち勝ち、円形劇場に戻って灰色の男たちと会うことを決心します。

しかし、このままでは時間までに円形劇場に戻るのは無理だと思って「あたしはここよ!」と叫びます。

すると、目の前に灰色の男たちが現れ、友達と切り離されてしまったのは彼らの仕業だと判明します。

孤独に耐えられなくなったモモが助けを求めてきたら、マイスター・ホラに会わせるよう交渉するつもりだったのです。

これに対してモモは、もし案内するつもりだとしてもカシオペイアがいないと辿り着けないことを話します。

すると、灰色の男たちは一斉にカシオペイアを探し始めるのでした。

これからどうしようと考えるモモ。

すると、カシオペイアが帰ってきたのです。

彼は未来を見通して灰色の男たちに見つからないタイミングでモモのところに戻ってきたのです。

そしてマイスター・ホラのところに戻るために、二人はまた歩き始めます。

しかし、灰色の男たちもモモたちの動きに気が付き、後をつけます。

カシオペイアは未来を見通すことはできますが、自分の背後までは見えていなかったのです。

どこにもない家に着くと、眠ってしまうモモ。

起きると、どうやら後をつけてきた灰色の男たちによって家が包囲されていることを知ります。

彼らは家には近づけませんが、手がないわけではありません。

彼らの持つ葉巻、あれは奪った時間の花から花びらをむしりとり、灰色にかたくなるまで乾燥させることで作られています。

灰色の男たちはそれを吸うことで生き永らえていますが、その煙は死んだ時間であり、生きている時間に混ざって人間がこれを吸うと、やがて灰色の男そっくりになってしまうといい、この病気の名前を致死的退屈症といいます。

彼らは時間の源に葉巻の煙を混ぜると脅しているのです。

このピンチに、マイスター・ホラはある作戦を考えていました。

マイスター・ホラが眠ると、時間がとまってしまい、灰色の男たちは時間を盗めずやがて消滅してしまいます。

もちろん蓄えがあるので今すぐではありませんが、時間の問題です。

しかし、時間が止まるとマイスター・ホラは目覚めることができなくなるため、誰かが再び時間を動かす必要があります。

そこでモモの出番です。

マイスター・ホラは一時間分の時間の花をモモに渡します。

時間が止まっても時間の花があれば一時間だけ動くことができます。

その間にモモがすることはたくさんあります。

灰色の男たちは時間が止まったことに気が付くと、葉巻の補給が止まってしまうと慌てて時間貯蔵庫に向かうはずです。

モモは後をつけて場所を特定したら、彼らが補給する邪魔をして一人残らず消滅させなければなりません。

さらに奪われた時間を開放して、初めて作戦は完了となります。

モモはなかなか決心がつきませんでしたが、カシオペイアも助けてくれるということで了承し、マイスター・ホラが眠ると同時に作戦が始まるのでした。

さかさま小路の時間の逆流が止まったことでどこにもない家に侵入した灰色の男たちですが、すぐに時間が止まっていることに気が付き、慌てて貯蔵庫に向かい、モモも後を追いかけます。

道中、ようやくモモはベッポを見つけますが、時間が止まっているせいで鉄のように固くなり、会話どころではありません。

モモはベッポを置いて先を急ぎます。

そして、工事現場に入口があり、そこには時間を貯蔵する大きな金庫がありました。

そこで灰色の男たちは少しでも生き延びようと人数を減らすことを決め、コイントスの判定によってその人数を六人にまで減らします。

金庫の扉は開いていて、そこから冷気が逃げているせいで時間の花は溶け始めています。

人数が減ったせいで時間の花を凍らせておくには冷気が足りませんが、しかし、とても一時間では溶けません。

そこでモモは見つからないように時間の花で金庫の扉に触れて動かせるようにすると、金庫の扉を閉めることにしました。

これでもう時間を補給することはできません。

気が付いて灰色の男たちは、モモの持つ時間の花を奪おうと彼女を追いかけますが、奪う前に全員消えてしまうのでした。

安心したのも束の間、モモはさらに時間を開放しないといけません。

金庫の扉を開けると、まるで温室のように温かくなり、嵐が起こって時間の花はそれぞれ持ち主の元に帰っていくのです。

そして、カシオペイアに別れを告げられると同時に、モモもこの嵐によって飛ばされ、時間が再び動き始めます。

モモが意識を取り戻すと、そこにはベッポがいて、二人は再会を喜ぶのでした。

そして、円形劇場に戻ります。

話したいことは二人とも山ほどあったからです。

人々は元の暮らしを取り戻しますが、それは誰のおかげなのか知る由もありませんでした。

円形劇場に戻るとモモに話を聞いてほしい友達がみんな集まっていて、再会を喜ぶのでした。

わかりやすい動画を見つけたのでリンクを貼っておきます。


所感

僕は、この本を読んで感じたことは、生産性のないことでも、価値があることなら、それは無駄ではないということだ。例えば、ブォルトが100m走を走っているが、それは誰の役にも立たない。しかし、そこには感動すること、無我夢中になれるなどの価値がある。そういう物事にこそ本当の価値があるということだ。

本書は通信販売で購入できますので、ご興味のある方はこちらの記事下部にあるリンクからどうぞ。

是非読んでみてください。

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