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和歌・守るべきものがある男は強い

「家にして恋ひつつあらずは汝が佩(は)ける大刀になりても斎(いは)ひてしかも」
万葉集・日下部三中父

息子を防人に送り出す父親の歌。

(家にいて思い続けているのであればいっそのこと、お前が身に着ける太刀になって、お前を守ってやりたい)

いとしい息子の身を案ずる父親は、
自らが武器となり立ち向かってでも
命懸けで息子を守ってやりたいと
言葉に力を込めた。

父親の魂が
息子に近づくすべての魔を振り払う
強力な太刀となる。

男には、大切な人を守る強さがある。
守るべきものがある男は、愛も情けも深い。
父親の愛には、覚悟がある。

そんなことを感じた歌です。

6月19日は父の日ですね。
みなさんはいかがされますか?

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