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和歌・切ない夜の恋涙

「夢路にも露やおくらむ
 夜もすがら通へる袖のひちて乾かぬ」
 古今和歌集・紀貫之
(夢の通路にも露が置かれているのだろうか。夜どおし通うわたしの袖口は濡れて乾かない)

あなたを想って眠りにつく。

夢の通い路をとおって、
あなたのもとへ逢いにゆく。

あなたの夢に私が現れたはずだよ。

でも不思議なことに
目を覚ますと涙でこの袖が濡れていた。
あなた恋しさに
いつの間にか泣いてしまったみたいだ。

それとも
あなたに逢いにゆく夢の通路に
露が置かれていたのだろうか。

我ながら切ない恋をしてしまったものだ。

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