見出し画像

人生を豊かにする中国古典の名言44

【今日の名言】

千歳を観んと欲すれば、則ち今日を審かにせよ。
(読み:センザイをミんとホッすれば、スナワちコンニチをツマビラかにせよ)

『荀子』非相篇

遠い将来のことを知りたいなら、まずは今日のことを明確にしなさい、という意味。

「千歳」は具体的な1000年を表しているのではなく、もっと漠然とした遠い将来を表しています。

つまり、今日を積み重ねたその先に将来があるのだ、ということですね。


ここ半年くらいで「タイパ」という言葉を目にすることが多くなりました。

「タイパ」とは「コスパ」の時間バージョンのことで、かけた時間に対する成果の効率を重視する考え方です。

特に動画や学習コンテンツに対して使われることが多いように思います。

SNSでショート動画が流行っているのもその一環ですね。

単純に、長い時間をかけて何かに集中することができなくなってきたというよりも、自身の時間に対する価値観が厳しくなってきた、といったほうが良いと思います。

時間を資産の一つと考え、そのコンテンツが自身の時間を投資するに値するかどうかを注意深く見極めるようになってきたのでしょう。

限られた人生の時間をどのように活用するか、という話は、最近のビジネス書でもメインで取り上げられるようになりましたね。

Time is money とも言いますし、時間に対する節約思考の現れとも言えるかもしれません。

かくいう私も、動画を見たりビジネス書を読んだりする際、「微妙なものに当たって時間を無駄にしたら嫌だな」と考えることが増えました。

昔はもっと気軽に動画を見たり本を読んだりしていたと思うのですが、最近は「時間的な損」をすることが怖くて、若干躊躇してしまいます。

その影響もあってか、最近はどうも成果を急ぎすぎているような気がするのです。

何かを始めても、基礎を学んで応用できるほどに習熟するには時間がかかります。

それは分かっているのに、1~2週間程度続けただけで、「思ってたよりうまくいかないな・・・。自分には合っていないのかもしれない・・・」と不安になってしまうことがあるのです。

「もしも何も成果が出なかったとしたら、自分が取り組んできた時間は無駄になってしまうのではないか?」

そう感じて焦っているのだと思います。

ですが、急いては事を仕損じる、です。

新しいことを身につけるというのは、一朝一夕ではうまくいかないもの。

植物の種を蒔いても、すぐには芽が出ないのと同じです。

毎日水をやり、地道にお手入れをしてあげることで、ようやく綺麗な花を咲かせるのです。

仮に何も成果が出ていないように思えたとしても、今日ここまで頑張ってきたことの蓄積は確実に自身を成長させています。

今日の積み重ねが、将来の自分を作るのです。

ある日突然大きな成果として現れるかもしれませんし、全く別の分野で思わぬ形で役に立つかもしれません。

人生で経験することに無駄なことはないのです。

まずは一日一日を大事に、小さな努力を積み重ねていきましょう。

今日の頑張りが、将来の自分に繋がっていきます。

千里の道も一歩からです。


今回の名言は以下の記事でも取り上げています。

また、『老子』の言葉も参考になるかもしれません。

皆さんの気づきや学びになれれば幸いです🍀

スキやフォローもいただけますととても励みになります!

この記事が参加している募集

古典がすき

サポートをいただけますと励みになります!いただいたサポートは資料の購入や執筆環境の整備などに使わせていただきます!より良い記事をお届けできるように頑張ります!