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【主催者はなぜコンテストに?】開催の意図を考えてマーク公募に挑戦しよう(2012年5月号掲載)


「なぜ、公募を開催するか?」その意味を考えて応募しよう

 シンボルマーク公募が最も盛んに行われたのは、2000年代中期。当時は、市町村の合併が各地で行なわれ、それに伴う新しい市章、町章の一般公募が盛んに行われた。2010年を過ぎると、市町村の合併、整備は一段落したものの、地方自治体の開催によるシンボルマーク&ロゴマークの公募は、安定した数をキープしながら全国で行われている。変わってきたのはその内容だ。

 市章や町章といった、「それ以降、長年使われていくもの」の公募開催数は現在、やや落ち着きを見せている。代わりに、自治体やその周辺団体が社会的な運動を推進するにあたり、シンボルとなるマークやロゴを一般公募するケースが増えている。これらは、その計画が長くても数年だったり、同時期にさまざまな運動が平行して進んでいたりするので、これからもある程度の数は期待できるだろう。

 シンボルマーク&ロゴマークの公募がなぜ、地方自治体のみならず、一般の団体や企業、教育機関などからも開催を好まれるのか。それは、2000年代中盤の新しい市町村の市章、町章公募において、応募のリアクションの良さに端を発しているのかもしれない。応募作品の数が、予想より多かったのはもちろんだが、応募作品のさまざまなイメージを見て、「われわれの団体や活動は、こんなイメージで捉えられているのか」と開催者側が認識できる、ある意味マーケティング的なスタンスも開催理由に含まれているからかもしれない。実際、主催者を取材すると、そうした「意義」を大切にしているという声は少なくない。

大切なのは視点と主張 プロ相手でもあきらめないこと

 シンボルマーク&ロゴマーク公募の現状に話を移そう。前述したように現在、開催数は年による上下はそれほどなく、常にある程度の数がキープされている。賞金レベルは、最も盛んだった頃に比べるとやや下降気味。3万〜10万円が最も多いゾーン。最も高いレベルで30万円といったところだろう。

 ただし、チャンスは最盛期よりも確実に増えている。そう言いきれるのは、近年はこのジャンルの個々の公募の応募数が絶対的に減少しているから。最盛期には、人気の公募なら2000超は当たり前、5000を超えるものも少なくなかったが、現在は、応募数が1000を超えるものは数える程度。賞金のレベルにもよるが、400〜700の間が最も多い。

 ライバルは多くない。そして作品を、より「見てもらえる」ことは間違いない。だからこそ、主催者が求めている「開催の意味」をしっかりと理解することが大切なカギと言える。主催者はどんな団体なのか? その活動でどんなことを訴えたいのか? まずはそれを知ることから始めたい。その上で、「あなた方の活動を、私はこんなイメージで捉えています」という主張。それをわかりやすく伝えられ、それが主催者の求めるものと合致すれば、入賞の確率は飛躍的に高くなるに違いない。

 「シンボルマーク」と「ロゴマーク」の違いは、「ロゴマーク」には必ず文字が入っている、という程度。どちらにしても本音を言えば、多少値は張っても、著名なデザイナーやイラストレーターに発注した方が主催者はラクだ。それでも公募を開催するのは、一般からのさまざまな「視点」と「主張」が見たいから。

 もちろん、応募者にはプロのデザイナーやイラストレーターも多いジャンルだが、「どうせプロには勝てない」とあきらめてしまうのは絶対に早計だ。

北海道ガーデンショーロゴマーク:グローバルな感覚とイベントの目的への理解度

 「北海道ガーデンショー」は、北海道内各地で豊かな「北海道の庭園文化」が育まれていくことを目指して、6月2日から清水町「十勝千年の森」で開催される。そのロゴマーク募集は昨年夏行われた。主催の北海道ガーデンショー実行委員会に聞いた。
「当初は、地元のデザイナーにロゴ制作の依頼をしたんです……

主催者のコメントからマーク作成のコツを紐解く
「シンボルマーク&ロゴマーク入賞の秘訣」
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※本記事は「公募ガイド2012年5月号」の記事を再掲載したものです。