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究極の疑問、「人を殺してはいけない理由」。

 こんにちは〜!コウガイビルと申す者です〜!
今回は、皆さん一度は考えたことがあるのでは
ないでしょうか、
「なぜ人を殺してはいけないのか」という疑問について、様々な哲学者の考えを用いて考察してみたいと思います!

思春期の子供達が自分自身に酔いしれて発言する為か、ろくな解を与えられず、「厨二病」と一蹴されることの多いように思えます。
しかし、突き詰めて考えていくとなかなか面白い疑問だったので今回記事にしてみました。
是非最後までお付き合いください!

それでは早速、本題に入りましょう!


はじめに

まず最初に、この疑問に対する私の個人的な
考えを簡潔に表明します。以下の通り。

「あなたに人を殺す権利は無い。
仮に殺してしまったなら、社会から排除される」

1.カミュ『異邦人』

最初に紹介したいのが、フランスの作家・思想家
アルベール・カミュによる小説『異邦人』です。
この本はの主人公ムルソーは、母親の死や恋人との関係、など様々な事態に直面しても終始無関心な態度を貫きます。果てには、殺人を犯し、裁判で死刑を求められますが、それでもなお彼は反省の色を示しません。理由を聞かれた際には、有名なセリフ、「太陽のせい」と回答。当然裁判官は彼の態度を非難し、とうとう死刑になりますが、
その直前も自らの幸福を信じて疑わないのです。

勘違いされることも多いですが、
この作品において、ムルソーは一般社会とは違う常識や価値観を持った人物として描かれていす。その意味において、彼は異邦人なのです。

2.ミル『自由論』 愚行権と自由

なぜ私がこの例を挙げたかと言えば、この小説が「人間における自由」を主題に取り扱っている
からに他なりません。
人間はどこまでの行動をとって良いか、という
テーマは、古来から多く議論されてきました。
その中で一つ私が取り上げたいのは、
イギリスの哲学者、ミルの著作『自由論』です。
この本の中では、「愚行権」という概念が提唱
されています。これは、側からどんなに愚かで、間違ったように見えることでも、妨げられることは正当ではない、と言った考えです。

3.他者危害排除の原則ーなぜ人に危害を加えてはいけないのか

その基本としてミルが挙げたのが「他者危害排除の原則」と呼ばれるものです。
これは、「自由は基本的に認められるべきであるが『他人に危害を加えない限り 』という範疇の中でのみ適用される」と言った考え方です。

上記で示したミルの『自由論』を以前軽く
見渡した時、一つ目につく点がありました。
それは、「危害」という言葉の定義が曖昧だったことです。
そもそも「危害」なんて言葉は受け取り手の解釈次第でどうとでも言えるもの。
ここでは話を明確にするために「危害を加える」
ことを「権利を侵害すること」と解釈します。

人間における権利…それらは法律で保証されている
などという以前に、我々が共通で持っているものであると考えられます。
誰が保証した訳でもないのに、何故そのように
言い切れるのでしょうか?
個人的には、そのカギは『社会契約説』にあるの
ではないかと思っています。

4.ルソー『社会契約論』から見る人間社会

『社会契約論』という著作があります。これは、
フランスの思想家・哲学者であるルソーによって
書かれたものです。

この本の概要を説明すると、「人間は本来、自由意志を持つ者として生まれる。その自然状態(社会が存在する以前の人間の姿)では、各個人は各々が利己的に、自らの欲求を満たすために行動する。
しかし、生存の障害が発生すればその解決のために各個人同士で協力関係を求め始める。このことを『社会契約』と呼ぶ」といった内容。(この思想は難解なので、ここではその一部のみを紹介した)

この思想を元に社会の成り立ち方を考えると、
「人が相互に利益を得るために、合意によって
社会は形作られてきた」
といった感じでしょうか。

また、人の権利を侵害する行為は、社会における約束事(契約)を破ったとして、社会から排除される可能性を含む、と言うことができるでしょう。

5.結論+まとめ

これまでの考えを纏めて、一つにすると、
以下のようになりました。
「あなたに人を殺す権利は存在しない。
なぜなら、他者の権利を侵さないことは、社会の
一員として過ごしていく以上必要だからである。
もしもあなたが人を殺した場合、あなたは社会
から排除される。」

と言った感じでしょうか。
他者に危害を加えない限りであれば、どんなことでも本人の自由であり、自己責任、という考え方は非常に功利主義的で、一見冷たい考えにも見えますね。しかし、自由には本質的に責任が付き纏うことを考えると、自己責任論は自由主義の特徴
の一つ
と言えるのではないでしょうか。

以上で、今回の記事は終わりです。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
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それでは次回の記事でお会いしましょう。


水彩画 フレディー・マーキュリー。

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