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地方で出版社をつくる【番外編】山のなかに読書室をつくる

昨年7月に「山の読書室/虹ブックス」という私設図書室+コワーキングスペースを夫婦で始めた。冬に入り、朝霧高原はあまりにも寒いので(だから夏は最高)、予約営業(事前に連絡くれたら開ける=暖房代の節約)にしていたところ、最近になってようやく暖かくなってきたので、この4月から通常営業を再開した。

そもそもこの場所は、いま流行り?の「本をコミニュケーションツールにした交流の場づくり」とかを全くメインにしてはいなくて(それはあくまで結果だというのがここ数年に地方暮らしをしてきた自分なりの結論)、公立図書館でもなく、近所の書店でもAmazonでもない、本と出会える場所でありたい、というのがコンセプト。富士宮にはチェーンの書店が数店、古書店はブックオフのみ(私調べ)という状況。なので、なかなかそういう書店や公立図書館には置いてないような本に出会う機会が少ない。ガロ系の漫画なんてこの街ではなかなか買わねば読めない。そういうこともあって、連れ合いとは「ここって営利活動じゃなくて文化運動だよね」とよく言っている。

そんなことを考えながら始めたものの、やはり山のなかにわざわざ本を読みに来る人なんかいるの?とは正直思っていた。ところが蓋を開けてみれば、意外にもそれなりに人がきてくれた。近いところよりもむしろちょっと遠方から。しかもうれしいことに、「なんか本がある面白いとこができたって聞いて」という本好きが本好きを紹介するという口コミなのだった。昨年開催した一箱古本市もそれなりの参加者とお客さんが来て、予想以上に賑わったのだった。

その一箱古本市も、ある本好きの常連さんから「参加したいけど、売る本がない」という一言から「なら売らなくてもいいことにしようか」と、「売る本だけではなく、売れないけども紹介したい本でもOK」という、はじめから「一箱古本市」になり切れてないイベントになってしまった。ところが、「そんなの聞いたことがない!」とか逆に面白がられて。この常連さん以外も「紹介本メイン」の参加者がいたので、これって〝あり〟なんだなと。でも、これはやってみて初めてわかったことだから、とりあえずやってみることの大事さを実感した。人ってやらない理由はいくらでも思いつくから。

最初の一回はみなさん好奇心で来てくれる。2回、3回とまた来てもらえるようにするにはどうしたら良いか。そろそろ次の工夫をしたいと考えている。と書きながらも、「営利活動」ではないのをいいことに、ずいぶんとのんびりしてしまっている(あ、いちおう本業は忙しいんです)。

ちなみに下記は、最初に来てくれた人たちが必ず「これを見ました」と言っていた本当にありがたい記事です。


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<山の読書室/虹ブックス>
●読書室(暮らし・オルタナティブ・アート・文学・思想・アナーキー・サブカル・漫画) *閲覧のみ/電源/Wi-Fi/オーガニックコーヒー(販売)
●入室料は500円(当初の無料から変更)・ワンドリンク付・中高生は無料(コワーキング利用=電源・Wi-Fi利用の場合は2時間500円/ドリンク別)
●毎週:木・金・土(10:00-16:30)営業




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