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名作文学の映画版を紹介する



1.『ジェーン・エア』

イギリス文学の有名人でブロンテ三姉妹の一人、シャーロット・ブロンテより『ジェーン・エア』映画版。何度か映画化、ドラマ化されている。
『市民ケーン』で有名なオーソン・ウェルズ、『レベッカ』に出演したジョーン・フォンティンが主演。若かりし頃のエリザベス・テイラーも出演している。
元々ゴシックホラー的要素がある作品のため、白黒映画である本作とは相性が良いです(不気味さが増すため)。
先述した通り、映画もドラマもいくつかあるので、見比べてみるのもありですね。
どれも魅力がありますが、筆者は映像美という観点から白黒の本作が好きですね。


2.『老人と海』

アメリカ文学者アーネスト・ヘミングウェイの代表作『老人と海』の映画版。
老漁師とカジキとの闘いを描いた作品で、自然(海)とそこにいる生き物の力強さを感じます。少年と老人のやり取りも老幼の対比がなされていて上手い。


3.『ドリアン・グレイ 美しき肖像』

戯曲『サロメ』で有名なオスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』の映画版。
美青年「ドリアン・グレイ」が肖像画を描いてもらい、「自分ではなくこの絵が代わりに老いてくれればいいのに」と言ったことをきっかけに、本当にそうなってドリアンが逆に恐怖するというお話。
まあこう書くとB級スリラー映画みたいな印象ですが、イギリス文学の中では比較的読みやすく、映画も充分おもしろいです。肖像画の変化する様子、特にラストシーンは必見。


4.『嵐が丘』

ブロンテ三姉妹の一人、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を映画化したもの。他にもローレンス・オリヴィエ主演の映画もあります。こうした古い作品は白黒の方が味があるかもしれません。


5.『秘密の花園』

フランシス・バーネットの小説『秘密の花園』を原作とした同名の映画。
ある日、心を閉ざした少年少女が「秘密の花園」への鍵を見つけたことで自然や植物に触れ、生きる気力を取り戻す物語。
後味が非常に良い作品でもあり、気分が晴れない時に観ると幸せな気分になれるかもしれません。最近世知辛いニュース多いですし。


6.『戦争と平和』

ロシア文学の傑作、レフ・トルストイの『戦争と平和』の映画版。キャストにはヘンリー・フォンダ、オードリー・ヘプバーンがいる。
19世紀帝政ロシア時代、ナポレオンとの戦争を描いた一大叙事詩で、主にアンドレイ、ピエール、ナターシャの3人の生き様が描かれます。原作は重厚長大で登場人物500人超えとなかなかハードルが高いので、この映画を観て予習するのもありです。ラストシーンはなかなか感動的です。戦争が終わらない今こそ観たい名作。


7.『存在の耐えられない軽さ』

チェコの作家ミラン・クンデラの同名小説を映画化したもの。原作は書き手が難解な哲学理論を展開し、やや取っつきにくいので挫折した人は映画から観てみましょう。
1960年代、民主化の波が押し寄せたチェコスロバキアにおける若者の恋愛模様を描きます。
原作が思想・哲学小説のようなもので、映画だけでは不十分ですが、とりあえず観て気になった方は原作も読んでみましょう。


8.『おとうと』

幸田文『おとうと』の映画版。
家庭を顧みない作家の父親と、その後妻である継母に充分な愛情を注がれず不良化する弟と、その弟に悩まされながらも必死で家庭を支える姉「げん」の健気な姿を描いた名作。子どもが欲しい、と平気で口にする父親に見て欲しい作品。きちんと家庭を顧みないとこうなりますよ?という警告にもなるでしょう。
どこにでも起こりうる家庭の悲劇を淡々と描いています。


9.『細雪』

耽美主義で知られる谷崎潤一郎の代表作『細雪』の映画版で、大阪のとある4姉妹を描いた作品。
三女の見合い結婚が主なテーマで、現代で言う婚活物語。今でもテレビドラマでやってそうなありきたりな内容ですが、雅で美しい画面構成がされています。こういう映画はカラーの方が良いかもしれません。


10.『破戒』

『夜明け前』で有名な島崎藤村の小説『破戒』の映画版(1962)です。被差別部落の問題を扱ったセンセーショナルな作品。
部落出身の主人公は父親に、「出自を明かすな」と何度も言われますが、次第に自分の噂が広まり、遂にその戒めを破ってしまいます。
人間のエゴや残酷さを生々しく描いた作品で、なかなか視聴するのが辛いですね。最後の主人公と子どもたちとの交流は涙なしには見られません。


11.おわりに

というわけで、名作文学の映画版を紹介しました。ほとんど有料ですが、Youtubeで広告なしで観れますので、気になった作品は要チェックです。あるいはブックオフ等で本を探すついでにDVDも探すと良いでしょう。
もちろん、文学と映画ではメディアが違うので、原作の思想やテーマが尺の都合でカット・改変されることも起こります。なので、原作もセットで読んだほうが良いのは間違いないです。が、とりあえずの入門としては選択肢に入るでしょう。特に海外の作品は情景描写の補完としても役立ちます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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