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運は正面から来ない

 新聞にしろ雑誌にしろ本にしろ、書いてあることの全てが役立つなんてことはないわけで。百読んで十も素敵な言葉に巡り合えれば御の字なんです。しかもそれは、そういう言葉を探すつもりでは見つからない。とにかく読むんです。
 ラジオの仕事をしていると、制作スタッフなんてみんないろんな仕事を抱えてますから、どうしても無駄を省いて効率よくネタを探そうと躍起になるから、担当曜日の朝刊だけちゃちゃっとチェックすることでお茶を濁しがちになるんですが、そうすると、「ネタを探す眼」になってしまうがゆえ、他に意識が向かなくなる。ネタは探すんではなく、気がつけばそこにあるのが理想的。それを具現化するにはとにかく読み漁るしかないんです。
 時間の制約もあるし、すべてそうするのは無理ですが、「ネタを探す眼」にはならぬよう心がけていると、思いもよらない面白い言葉に出合えたりするもので、それが番組のネタにはならなさそうだとしても、そういう時、ああ、ちゃんと読んでおいてよかったな、って思うんです。

 今日の毎日新聞に萩本欽一さんと池上彰さんの対談が掲載されていました。
 池上さんが、コント55号から離れた後は司会業で活躍されましたよね、と欽ちゃんに振ると、実は欽ちゃん、当時は「司会の仕事はできない」と言っていたんですが、それでも来る仕事は司会ばかり。そこで欽ちゃんは「嫌だ」とは断らず、「ほとんどできないと思うよ」と相手に伝えたんですが、結局それでも司会をするようになり、そのことによって、たくさんのことを知ることができたんだそうです。
 そんな経験から欽ちゃんは「運は正面から来ない。真後ろから来る。嫌だと断る言葉には運がないけど、"嫌だけどやってみる?"というところに運がありそうだ」と思うようになったそうなんですが、この言葉、すごく素敵やないですか。今日はこれを見つけたときに、「読む」っていいな、と思いました。

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