はじめて愛されて、パニック障害になりました。⑤

私の人生最後の日。と決めたその日。

とびっきりのデートをしていたはずのその日。


彼が笑ってくれることは一度もありませんでした。


『すぐまた死のうと思ってるんでしょう?』

精一杯の笑顔の私を前にして、今にも泣きそうな顔で彼は言いました。

大丈夫だよ。そんなことないよ。

そう繰り返す私の前で、ピクリとも笑ってくれませんでした。


その時はじめて

『じゃあどうしたらいいの???』

そう思ったのです。


ずっと消えたいと思っていた。

明日が来なければいいと思っていた。

もう二度と目覚めなければどれだけ幸せかと思っていた。


もうなんの悔いもないと思っていたのに。


それまで笑顔で一日を過ごしていた私は

大型ショッピングセンターのど真ん中で、彼にすがって泣いたのでした。


思えば、はじめて彼にすべてを打ち明けたかもしれません。


すべてを聞いた彼は

『家から出なくていい。ベッドから起き上がらなくてもいい。ただ自分の生活の中にいてほしい。生きたいと思わなくていいから、だったら俺のためだけに生きてくれ。』

『全部俺のせいにしていいから。』

それを聞いて、はじめて死ぬ以外の選択肢が生まれたのでした。


泣いて泣いて泣いた後、大学の先生に電話をし休学する手続きを進めてもらいました。


それから慌ただしく手続きを進め、大学3年生の後期を『休学』しました。



シンデレラストーリーでも、精神疾患の指南書でもない完全ノンフィクションの私の軌跡です。誰のためでもなく、私が忘れないために。それでもその過程で誰かをほんの少しでも勇気づけられたらなと思います。







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