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”使い道”に焦点を当てた「お金の教育」で身に付いた力

前回の記事で書きましたが、私の子育てでは、お小遣い制を導入しませんでした。
私自身がお小遣い制で「お金の大切さ」を実感できなかったからです。
(多分、親のやり方がよくなかったのだと思います。)

また、お手伝いの報酬については抵抗がありました。
「家族は家事などを分担して協力しながら暮らす」ということを教えるため、報酬はあげずに、子どもたちがやれることから少しずつお願いしていきたいと思っていたからです。

子どもたちに「お金の教育」をしたいとは思っていましたが、何をどうしたらいいかとじっくり考えることもないままに、とりあえず、お金を使うときのルールを決めました。

<我が家のお金の使い方ルール>
①祖父母や親戚からお金をもらったら、必要な分だけを残して、あとは貯金をする(足りなくならないように自分で考えて残す)。

②自分のお金を使うときは、私の許可が必要。

③学校で必要なもの、勉強で必要なもの、習い事で必要なもの、本は、いつでも買ってあげる。自分のお金で買うのもOK。

④ゲームソフトやおもちゃ、高価なものは、基本、誕生日以外には買ってあげない(クリスマスプレゼントとして、サンタクロースにお願いするのはOK)。自分のお金で買うのもNG。

⑤お菓子やジュースは、買い物に付き合ってくれたら買ってあげる。自分のお金で買うのもOK。

⑥どうしても買いたいものがあるとき、お金が必要なときは、私と交渉。
(私がお金を出すのか、自分のお金を使うのかも話し合う。)

※高校生からは、自分のお金を使うときに私の許可はいらないことにしました。

お小遣いを渡さず、ちょっと厳しめなルールかなと思っていたのですが、思いがけず、ある力が子どもたちに身に付いた気がします。

それは
プレゼンテーション力

きっと、ルール②と⑥がきっかけだと思います。
私の許可を取る・私と交渉する = 私を納得させるか、私を説得しなければいけません。
子どもたちは、私に話す前に考えます。

(多分ダメっていうだろうなぁ。)
そう思ったら、話す前に諦めます。

(どうしても欲しい!)
そう思ったら、なぜ欲しいかを詳しく私に話します。

そこで、子どもたちの話を聞いて、”面白そう!” ”興味が出た!” ”私も欲しい!” ’確かに買うべきだ!”と私が思ったら、どんなものでも買います!というルールを⑥に付け足しました。

時には、ジャパネットたかた並みのテンションで説明してくるので、その時間がとても楽しかったです。

子どもたちの話を聞いて、私も質問をしたり、代替案やマイナス面などを伝えます。

それを繰り返しているうちに、子どもたちが学校での出来事や自分の考えを話す時、前より分かりやすかったり、言葉選びがうまいなと思うようになりました。

それで「プレゼン力が付いたのかも」と感じたのです。

ルール④の縛りがあるので、そんなに髙いものを買いたいと言いませんでした。
ルール⑤なら、自分のお金を節約したければ、買い物に付き合うしかありません。

友達と遊びに行くときでも、映画代・ポップコーンやドリンク代などで、どれくらいお金が必要かを前もって調べたり、遊びでどれくらいまで使うかを決めるようになったので、計画性がついたと思います。

いつしか、使った金額をメモして壁に貼るようになり、今月は使い過ぎたとか、今月は私からお金をもらい過ぎたとか、自分なりに考えるようになりました。

何かを買うときに、本当に必要なものなのかをよく考えるようにもなりました。

大学生からはバイトをはじめ、口座の残高の最低限度額を自分で設定し、それ以下に減らさないように決めていたようです。

どんな効果があるのかなんて深く考えないで、お金の使い方ルールを決めましたが、それが「お金の教育」としては、お金の”大切さ”よりも、お金の”使い道”に焦点を当てたようで、「プレゼン力」という、思いがけない力も身に付いたみたいです。

お金を通して子どもたちに身に付く力って、もしかしたら、他にもたくさんあるのかもしれませんね。


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私は中学生の時から毎月決められた金額のお小遣いをもらっていましたが、親は使い道などを確認しませんでした。
それはそれで自由で良かったなと思います。

高校生の時は毎月5000円。そしてバイトは禁止。
田舎だったので、開けた地域に行く交通費がかかりましたし、いつも足りないな~と感じていました。

高校卒業後に上京し、その時に自分の銀行口座を作り、数か月分の生活費と新生活準備のため、30万円を入れてもらいました。

出たくて出たくてしょうがなかった実家を離れ、憧れの都会に行った私は、10万円を持って渋谷や原宿に何度も遊びに行きました。

すると、1週間も経っていないのに、お財布には1万円も残っていませんでした。
その時、お金って、こんなにすぐに無くなってしまうのかと初めて実感したのでした。

子どもたちにも、高校卒業後、新しい銀行口座を作りに行きました。
初めてATMでお金を引き出した息子からは、「お金って、こんなに簡単に手に入れられるのか。なんか怖いな。」とLINEが来ました。
ビビりなので、試しに1000円を引き出しただけなのに。

そう感じた息子の気持ちが懐かしくて、その気持ち、忘れないでいて欲しいなと思いました。


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