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男子校の面白さと男女別学の意味

※これは、私の住んでいる地域の学校のことで、息子から聞いた話と私の経験等から基づく個人的な感想です。
また、親の立場で思ったことで、息子から男子校の魅力は聞いていません(もう少し時間が経ったら聞いてみたい)。

息子が入学した高校は、とりあえず”進学校”と言われているらしい公立の男子校でした。
なぜ、その高校を志望したのか。

中学3年の偏差値が平均で71だった息子が一番入りたかった高校は、理数科のある共学校でした。
しかし、内申(資格・部活の成績・生徒会や学級委員長などの実績・通知表の成績)が低いという理由から断念したのでした。
(当日のテストの成績と内申を点数化したものを合算し、合否が決まる。)

内申の点数化は、高校ごとに異なります。
その当時、理数科は偏差値68、息子が入学した男子校は偏差値72。
本来なら、男子校の方が入るのは難しいはずですが、テストの成績を重視していたため、内申点を合算しても影響が少ないということで、その男子校を選んだのです。

通いやすさと授業の雰囲気が良かったのも決め手となりました。

説明会や見学会などに参加し、男子校の雰囲気はなんとなく分かっていましたが、入ってみて分かることもたくさんありました。

生徒会

頭の良い子や品行方正な子がなるわけではなく、とにかく目立ちたい子がなる。
新入生歓迎会は、パンツ一丁で踊って1分以内に終了。
バレンタインデーは、女装して校門に立ち、登校してくる生徒にチョコを渡す(か投げつける)。
文化祭は、奇抜な髪型で参加する(翌日には丸坊主前提)。
生徒会室にゲーム機を持ち込み、ゲーム三昧。

生徒会に入ったら、浪人確定という噂があった。

応援団

学校行事には、応援団の存在が欠かせない。
全校生徒が応援歌(数曲ある)を必ず覚えなければならなくて、行事の度に肩を組み歌う。
演舞・掛け声・太鼓など、練習が過酷だと言われている。

応援団に入ったら、浪人確定という噂があった。

文化祭

目的は、女子との出会い。
女子に慣れていないため、見るだけで挙動不審になる子もいる。
女子に慣れている子がいたとしても、変にテンションが高くてひく。
クラスTシャツの背中の文字は、女子に向けた臭いセリフが多い。
女装するイベントがある。

実行委員になったら、浪人確定という噂があった。

体育祭

男子の身体の硬さを見せつけられる(準備運動の前屈など)。
徒競走やリレーに迫力があり、保護者の盛り上がりがすごい。
若い女の先生がリレーに参加したときの生徒たちの応援がすごい。
すぐに上半身裸になる。

教師

生徒が間違った回答をしたときのディスる言葉選びが秀逸。
男子しかいないので、下ネタを普通に話す。
生徒会のおかしさ・生徒のおかしさを大目に見てくれる。

クラス

取り合えず、前後左右の子と仲良くなればいい。
夏には、パンツ一丁で涼む子がいる。
換気をしないと汗臭い。
打ち上げは、焼き肉。

保護者

OBの父親もいて、保護者会への父親の参加率が高い。
母親の息子愛を全面に出しても恥ずかしくない。
というか、息子愛が溢れ出ている。
(共学だと、しょうもないことばかりする息子への愛を出してしまうと、女の子のママには甘やかしているとか親バカと思われそうで出せない。男の子のママには共感してもらえるという安心感がある。)

その他

保護者に対しての子どもを表す言葉

保護者会や学校からの手紙では「ご子息」を使う。
(親が医師や弁護士という子もいたけれど、うちは普通のサラリーマンだから馴染めなかった。)

置き傘

100%無くなる(3回ほど買ったが、全て盗まれた)。
そこに傘があればそれを使うが基本。
誰のか分からない傘で帰ってきて、翌日に戻しても許される。
(男子はしょうがないよねと思う保護者が多いのか問題にならない。よって、折り畳み傘をリュックに入れておくのが基本。)

男女別学に対する疑問

元々、男子校に入れたかったわけでもなかったからこそ、後から疑問に思ったことがありました。

多様性が大事とされる時代になってきているのに、性別で分けた教育にどんな意味があるのだろうと。

私の個人的な考えですが、男子は序列みたいなものを作りがちなので、学校でも、成績(学力やスポーツの結果)からくる序列みたいなものが、なんとなく存在していたのではないのかなと思うのです。
それで競争を生み出し、お互いを高めあうことになるのはいいことかもしれませんが、どんなに頑張っても上に行けない子にとっては、辛い環境かもしれません。

また、異性がいない環境で過ごすことに、どんな意味があるのだろうとも思いました。
私にとっては、息子が、眉毛がつながったままでも平気なこと、洋服は季節毎に上下2枚あればいいと思っていること、異性へのコミュニケーション能力が低下してしまったことが残念でなりません(^^ゞ。

男子校だからこそ、異性のこと、将来のパートナーのこと、家庭を持つということなどを考えさせたり、学ぶ機会があっても良かったのではないかなと感じました。

今後、男子校はどのように変わっていくのか気になります。
難関大学の合格者が多い高校には男子校の名前もあるので、そういった男子校なら、なくなることは当分なさそうですね。


ここで取り上げなかった大学進学については、男子校だからなのか、進学校だからなのか、分からない部分でもあるので、また別の記事にしようかなと思っています。


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息子と男子校
合っていたかと言えば、合っていなかったのではないかなという気がしています。
それは、息子の様子が成長とともに変わっていったからです。

明るくて、ふざけたことが大好きで、友達もたくさんいましたが、中学を卒業するくらいから、学校での口数が少なくなり、高校入学後は、部活や勉強を頑張ろうという気力もどんどん無くなっていきました。

ふざけたことをして楽しむ方だったのに、そういうことをしている子たちを遠くから傍観するようになりました。

友達を無理して作ろうと思わないと言って、クールに振舞うようになっていきました。

家では全く変わらない息子でしたが、外での息子は別人になりました。
それが思春期の心の成長だったのか、男子校という社会では、そういう自分でなければやっていけなかったのかは分かりません。

私と一緒にいるときの息子を外でも出せていたら、もっと男子校という特殊な環境を楽しめたのではないかなと思います。

だからと言って、生徒会に入り、女装して校門でチョコを配る息子だったら良かったのかというと、そういうわけでもないですけれど。
でも、もしそうなっていたら、娘の制服を着せてメイクまでしてあげたかったという思いは、少しありますね( ´艸`)






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