レッスンが終わって部屋から一歩出たら
元に戻りますよ、と言ったりします。

レッスンをしっかり受けていないとか、
言われたことを覚えていないとか、
そういったことではないんです。

自分の中の「正しい」を
無意識にやってしまうからなんです。

実はやめたいと思っているものこそ
良いと思っていることだったりするんです。

だからやめたくてもやめられない。
ほんとうは良いと思っているから。

何かを習いに行っているのにもかかわらず、
自分の中の「正しい」や、
経験したことのあるものの中から
判断しているのかもしれません。

わたしは師匠のレッスンを受けながら
自分の中の「正しい」を
ずっとし続けていました。

言われたことを、自分なりに解釈して
「こうですよね？」とし続けていました。

ちっとも師匠の言っていることなんて
聞いていなかったということです。
レッスンを受けているにも関わらず
自分勝手にやっていたということでした。

言われたことを、その時の
自分の経験からしか見ることができていなかった。

師匠が一流のバイオリン奏者の方に
レッスンした時の話を聞かせてくれたんです。
そのバイオリン奏者の方は
言われたことを、とりあえずやってみるんだそうです。
ただ単純に、やってみる。

このことの凄さは聞いた当時
わかったつもりでしたが、
全然わかってなかったですね。

ただ単純に、やってみる。
これってほんとうにわたしには難しくて。

なにせ頭でっかち星人ですからね。

で、部屋から出たら元に戻る、なんですが、
元に戻っているということに気づければ、
それで良いとわたしは思っています。

いろいろ考え始めることになりますからね。

「正しい」ってほんとにやっかい。