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世界IP戦争の行方はどうなるのか-進撃のDisney+-

 Disney+の快進撃が止まらない。

https://www.disney.co.jp/corporate/news/2021/20210310.html

 Disney+(ディズニープラス)とはアメリカ、ウォルト・ディズニーが2019年11月より開始している動画配信サービスとなります。

 サービス開始からたったの16カ月で、ネットフリックスの約半数となる1億人もの会員数を獲得したという報道だ。もちろん、新型コロナによる巣ごもり消費の一つであることには間違いないが、ヒットするべくヒットしたサービスであると言える。

Disney+とは

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 既に会員となっている読者も多いかもしれませんが、Disney+という動画配信サービスを簡単にレビュー。

Disney+(ディズニープラス)
 ウォルト・ディズニー・カンパニーの公式動画配信サービス
月額費用
 月額770円(税込み)
対応デバイス
 ダウンロード可能で、TV、スマホ、タブレット、PCなど、マルチデバイス対応
コンテンツ
 ディズニーやPIXAR、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナルジオグラフィックをはじめとする映画、アニメ、ドラマなど約6000作品を配信
事業地域
 25か国

 前述した通り、サービス開始からたったの16カ月で、契約会員数が1億人を突破した。これは驚異的なスピードである。世界最大の動画配信サービスであるネットフリックスは、サービス開始後約20年経過しており、契約会員数は2億人超となる。


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※出所:日本経済新聞 2021年3月10日付記事よりhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09DTR0Z00C21A3000000/

ヒットの理由

 他の動画配信サービスと比較すると、後発でもあるし配信コンテンツ数も少ないにもかかわらず、この驚異的な躍進の要因はどこにあるのだろうか。

 数では劣るものの、それをも凌駕するコンテンツの厚みがDisney+の最大の強みである。

 ディズニーはこの数年、IP企業への跳躍速度を速め、矢継ぎ早にコンテンツの買収を続けてきていた。

 PIXAR・・・2006年
 マーベル・・・2009年
 ルーカスフィルム・・・2012年
 (スターウォーズ)
 21世紀FOX・・・2019年

 上記以外にも、アメリカ3大民間放送のABCや、スポーツ専門放送局であるESPN、動画配信サービスのHuluなどを参加に持っている、世界最大のIP企業であると言える。

日本のIP企業の雄と言えば

 圧倒的なコンテンツボリュームと厚みを持つディズニーだが、一転日本においてIP企業の雄はどこだろうか。

 アニメ繋がりで言うとスタジオジブリが真っ先に思いつく。しかしジブリは動画配信全てのサービスどこにおいても、提供を行ってはいない。DVDを購入するか、レンタル屋で借りる以外今のところ見る手立ては無い。

 日本、アメリカ、カナダ以外ではネットフリックスで配信されているらしいのだが、自前で世界に向けて配信する気もなさそうですし、そのような体力も恐らく無いでしょう。 

 以下の方のnoteに、そのあたりのざっくりした理由が書かれているので、参照ください。

 次にSONYだろうか。鬼滅の刃無限列車がメガヒットを生み出しているが、鬼滅の刃(アニメ・映画)制作会社はSONYが親会社として傘下に収めている。

 以前のnoteでも書きましたが、SONYも日本だけにはとどまらずアニメという日本を代表するコンテンツ産業で、世界戦へ売って出ている。

 クランチロールというアメリカのアニメ配信企業をAT&Tから昨年末に買収をしている。

 クランチロールは世界で約9000万人もの会員基盤を持っており、世界のアニメファンに向けてダイレクトに自社コンテンツの提供を強化しようとしている。(有料会員は約300万人)

世界のIP産業

 日米以外の国に目を向けた際に、避けては通れないのが中国だろう。それはコンテンツの輸出先としても、新しいコンテンツの生産地という意味でもだ。

 中国はアメリカを抜いて、今や世界最大の映画市場となっている。

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出所:日経ビジネスhttps://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00207/111300001/

 中国の映画市場はこの9年間で6.4倍にまで膨れ上がっており、2020年はコロナ禍からいち早く脱却を果たした中国は、間違いなくアメリカを抜いて世界一の映画大国になると言われている。

 これはあくまで正規の映画産業規模であり、グレーあるいはブラックな領域まで含めると、その規模ははかり知れない。上記のグラフは中国全体において氷山の一角に過ぎないのかもしれない。今後、グレーブラックな領域がホワイトになれば更なる市場規模になるのではないか。

 一方で生産地としての中国はどうだろうか。不法なコンテンツの取り締まりを強化(IP保護)すると対外にはアピールだけは欠かさないが、その間に自国コンテンツの育成を急いでいることが伺える。

 近年は中国のアニメ制作の勢いがすごい。(らしい)私は鬼滅の刃ぐらいしか観ていないのでわかりませんが、本場日本のアニメファンからも高く評価されている。

 中には日本の映画館での上映も果たしている作品もあるようだ。アニメの世界も中国資本に食われてしまう日も来るのかもしれない。

 「詩季織々」という作品を発見しました。新海誠監督にインスパイアを受けた監督の作品のようですが、思い切り描画が酷似しています。「君の名は」はじめとする日本アニメは、日本の情景や暮らしが外国人にウケている理由の一つと聞きますが、「詩季織々」を通して中国の日常がドラマチックに切り取られている感じがしており、少し見たくなりました。(2018年公開)

最後に

 普段アニメを全く観ないのですが、コレは見ておけ!というアニメや映画があればぜひ教えてください。(特に海外モノ)

 

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