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初めてのスポーツ通訳(当日編)

前回は初めてのスポーツ記者会見通訳について、前日までの準備について書きました。この記事では当日、本番が始まるまで私がどのようなことを考えて行動したのかについて書きます。

現地までの移動

6月15日。この日もいつも通り、子どもの送迎をしてから現場に向かいます。現場の最寄駅はJR名鉄線の刈谷駅です。私は神戸市在住なので、以下のルートで現地に向かいました。

最寄駅→新神戸(神戸市営地下鉄)
新神戸→名古屋(新幹線)
名古屋→刈谷(JR名鉄線)
刈谷→現場(タクシー)

バスケ用語の調べ物で時間をとり過ぎると見過ごしてしまいそうですが、当日現場までの交通情報を一回はチェックしておくのは大事なことだと思います。特に電車間の乗り継ぎ時間や、駅からタクシーを拾えるロータリーがあるか、所要時間はどれくらいかを見越して、家を出る時間を考えます。電車などが遅れることを想定して、早めに家を出るのが安全です。

まずは、名古屋に到着。

新幹線で新神戸から名古屋駅へ。

名古屋からはJR名鉄線に乗り換えて、20分ほどで現場最寄駅の刈谷駅に到着します。

シーホース三河のホームタウン刈谷

刈谷駅の改札を出たところ。

改札を出ると、早速ありました。刈谷はシーホース三河のホームタウンのようです。青のバナーが南出口から北出口までズラッと掲げられています。地元では言わずと知れたバスケチームだと分かります。

他にもホームタウンパートナーがずらり。

愛知県ということもあり、トヨタが支援するスポーツチームが刈谷には沢山あるようです。神戸市は神戸マラソンをシスメックスが協賛しているというのは知っていましたが。

早く着くのは大事とは言え、早く着きすぎましたので(笑)、どこかカフェで座って通訳準備ができるところを探しました。するとKari CoCoという地域交流施設がありました。

キレイなレイアウトでした(Kari CoCoホームページより)。

記者会見まで3時間もあったので、準備で出来るだけ情報を頭に入れようとしましたが、どこまで行っても「あ、あれも調べておきたい」となって検索し続けました。すると昼時になり、ランチを食べに一度外に出ます。仕事前にあんまりガツガツしたものは食べたくなかったのですが、どこを見ても焼き肉とか辛い料理とかばかりでした・・・。結局このお店でそばを食べることに。

これでもコッテリ感たっぷり・・・。

やはり緊張していたのか、お腹の調子が良くありませんでした。トイレもよく行ったし、早くこのプレッシャーから解放されたい!と思いながら食べました。仕事が終わったらガッツリ食べてやる!と誓ってお店を出ました。

お店を出てもなお時間があったので、もう一度Kari CoCoに戻ることに。眠くなってきたところにコーヒーを注入。本番でベストな状態にしておく為にも、早めに睡魔に打ち勝っておかなければいけません

駅から現地までは、エージェントがタクシーを予約してくださっていたので、有り難く乗せていただくことに。料金は立て替えで、後日精算なのでレシートを必ず受け取るようにします。

現場到着

現場はAisin 伝承館というところでした。

受付で通訳で伺った旨をお伝えすると、待機室に通していただきました。しばらくして、ライアン氏がいらっしゃいました。少し雑談し、どのようなことを話すかを軽くブリーフィングいただきました。

通訳者にとって、この数分はとても貴重な時間です。時間がない時はせめて「何が一番伝えたいことですか?」と一言聞くだけでも、通訳に役立つ情報は得られますし、知らない言葉があれば会見開始までに調べ物ができます

後ほど記者会見の会場を覗かせていただきました。

記者会見会場の様子(シーホース三河ホームページより抜粋)

これより人数が多い通訳会場は今までもありましたが、テレビカメラがここまでずらりと並ぶのは初めてだったかもしれません。一番左端でノートを取っているのが私です。外国人の隣に座って、日→英は同時通訳(ウィスパー通訳)、英→日は逐次通訳で対応しました。

このように一つの会議でも通訳形態(逐次か同時か)が分かれることもあります。日英、英日のどちらが逐次でどちらが同時かを事前に把握しておくのも大切です。

また会場を見ておくのも、通訳の仕事をする上で大事だと思っています。まず自分のメンタル面で、「会場は広いし人も多いけど、大丈夫、なんとかなる!」という覚悟を持つことができるからです。会場の空気に飲み込まれてしまうと実力を十分に発揮できなくなる時もあるので、会場の下見は大事です。

今回は手持ちマイクで逐次通訳だったのですが、通訳ブースに入って仕事をする場合は、通訳ブースの機器の説明を受け、操作方法を理解し、音声テストを行い、本番に備えます。通訳ブースを使う場合は、この一連の作業が非常に通訳らしいと言えると思います。

以上、当日の移動から通訳開始までを書いてきました。最後の記事では実際の通訳について、そして総括を書いていきたいと思います。
(前回と今回の記事のサムネ画像は、以下のYouTube動画から抜粋しています。
https://www.youtube.com/watch?v=e4mOG3nF0HU&t=1s


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