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子育て中のお父さんお母さんへ

毎日の子育て
本当に
お疲れさまです。


私の子育ての話を
少しだけ、聞いてくれますか。

今から20年以上前
私は小さい頃からの夢だった
幼稚園の先生になりました。

その後、主人と出会い、
8年間幼稚園で働いた後、
結婚し、家庭に入りました。

実はその時の私には、
もう1つの夢があって…。
それは、お母さんになること。
正確に言えば
専業主婦になることでした。

友達のお母さんに
素敵なお母さんがいて
いつも穏やかで優しくて
時々犬の散歩をしていて
何だかいいなと
ずっと憧れていたのです。

2つ目の夢を叶えるべく
私はお母さんになる日を
心待ちにしていました。

その後
色々な、
本当に色々なことがあって…
ようやく息子を授かった時は、
喜びでいっぱいでした。

夢が叶って
私は幸せでいっぱい…
のはずでした。

ところが、
いざ、子育てが始まると
喜んでばかりも
いられなくなりました。
家のことをしながら
四六時中子どもと過ごすのは
それはもう
本当に大変なことでした。

授乳期は、
いつも睡眠不足でした。
一度でいいから
朝までぐっすり寝てみたいと
何度も思いました。

息子の昼寝の時間が
唯一の休息時間でしたが、
その時間さえ
成長と共にどんどん
短くなっていきました。

そんなこんなで、
息子が幼稚園に入園するまでは
家事に子育て、
それに加え愛犬のお世話にと
悪戦苦闘の毎日を過ごしていました。

この頃の私が一番欲しかったもの。
それは『自分の時間』でした。

読書がしたくてたまらなくて、
休みの日に、
主人に息子を見てもらい、
図書館に行って
大量の本を借りて来ては、
すき間時間に読書を試みました。
けれど、
たまに出来る細切れの時間では
読書を満喫することが
出来ませんでした。

今思えば、
家事にしても子育てにしても
あれもこれもと
少し欲張り過ぎていたのかも
しれません。

もう少し手抜きをすれば
何とか読書の時間ぐらいは
確保出来たのかもしれませんが、
あの頃の私には
それがとてもとても難しいことに
思えていました。

それでも、どうしても
読書を諦め切れなかった私は
色々考えた末に
朝、早起きをして
自分の時間を作ることにしました。

確か最初は、
4時頃から始めたような気がします。

今日からというその日は、
起きた瞬間から
ワクワクしました。

息子が眠っていることを確認し、
静かに1階へ降りました。

お湯を沸かし
ハーブティーを入れました。
それは忘れもしない、
ラベンダーティー。

部屋中に
ラベンダーの香りが広がり、
あ~これから私だけの時間が始まる…
そう思ったら
もう嬉しくてたまりませんでした。

本を開き、読み始めるや否や
2階から物音が…
ん?
そして、間もなく
階段を降りる足音が…
はっとして、階段まで行くと

目をこすりながら 
半分寝ぼけた息子が

「お母しゃん、どうしたの?」

なんと、
気付かれてしまったのです。
仕方なく、その日は諦めて
息子と一緒に寝ました。

翌日、
今日こそは!
と固く決心して
昨日よりも慎重に下へ降り
静かにお茶の準備をしました。

ところが、
この日も、息子は起きて来たのです。

どうして
分かっちゃうんだろう…。

もう少し
時間を早めれば良いのかな…。

そこで、翌日は30分時間を早め
3時半に起きることにしました。

今度こそ大丈夫。

私は安心して本を開きました。
ところが、間もなく、
階段を降りる足音が…

ま、まさか…

はい、そのまさかでした。
 
「お母しゃん、どうしたの?」

その日も計画は
断念せざるを得ませんでした。

翌日はさらに時間を早め
3時に起きました。
それでもだめで、
ついに、
翌々日、
2時半に起きることにしました。

ここまで来れば
さすがに…

しかし、
息子は起きてきたのです。

私はここで諦めました。

これ以上早く起きたら
私の体が持ちません。

それにしても、
あんなにぐっすり寝ているのに
どうして…。

いつも母の気配を感じながら寝ている
ということなのでしょうか。

息子の不思議な力?に驚くとともに、
夢の『自分の時間』は
しばらくお預けとなりました。

今では、
息子も大きくなり、
それぞれがしたいことを
自由に楽しむことが
出来るようになりました。

今、こうして
自由に過ごせることは
それはそれで幸せですが、
毎日、朝から晩まで
泥んこ遊びに水遊び
ドングリ拾いにソリ滑り
おままごとに製作と
自分の時間をもなく
息子中心に毎日が回っていた
あの頃も、
それはそれで幸せだったなと
思います。

過ぎてしまえば、
本当に
あっという間でした。

今、小さなお子さんを
前に悪戦苦闘している
子育て真っ最中の
お父さんお母さんに
子育ての少し先を行く私から
伝えたいことがあるとすれば
小さなお子さんと過ごす
かけがえのない今を、
どうか大切にしてください
ということです。

そうは言っても
子育ての真っ只中、
そんな風に思うことは
なかなか難しいかもしれませんね。

でも、これだけは言えます。
小さい頃に手をかけた分
子育ては、どんどん楽に
なっていきます。

いつもお父さんやお母さんが
見ていてくれる
何かあったら助けてくれる
そういういう安心感の中で、
子どもがしたいことを
したいだけ出来るということは
子どもにとって
実は親にとっても
幸せなことなのだと
思います。

充分に満たされていれば、
子どもは
大人が困るようなことは
しないものです。
もし、困らせるようなことばかり
するのであれば、
それは子どもからの
見て!分かって!
というサインだと思います。
それこそ、
大事に受けとめて欲しいと
思います。

そういう意味では
子どものサインは分かりやすい
と私は思います。

それから
子どもは何でも
自分でやりたがりますよね。

身支度や片付けなど
身の回りのことはもちろん
包丁、カッターなどの
道具の使い方も、
丁寧に教えてあげれば
小さな子どもでも
一人で出来るようになります。

出来るようになることは
子どもの自信にもなりますし
世界を広げていくことにも
つながっていきます。

出来るようになるまで
見守る、待つということは、
時には気の遠くなるような
作業でもあります。
ええ…本当に…。

でも、
その時期に、
時間をかけることで
その後はどんどん
楽になっていく一方です。

その時間が面倒で、
さっとやり過ごせば
その時は楽ですが
必ずどこかのタイミングで
時間をかける必要が
出て来てしまいます。
大きくなればなるほど
やり直すのは大変で
どんどん問題は
厄介になっていきます。

なので、
私としては
その時その時に
子どもとしっかり向き合うことを
おすすめします。
くれぐれも、後回しにせずに。

今を、大切に生きる。
それは、大人にとっても
子どもにとっても
大切なことだと思います。

子どもが今を生きるには
どうしても大人の力が必要です。

ですから
お父さんお母さんには
今、目の前にいるその子が
心から望んでいることを
どうか大切にしてあげてほしい
そんな風に思います。

たとえそれが
親の願いと、
全く違うことだったとしても。
親の願いは少し脇に置いて、
まずは子どもの望みを
聞いてあげることから
はじめてほしいと思います。

お父さんお母さんが、
受け止めてくれた…
信頼してくれた…
という喜びは、
きっと、
その子の今、そして未来の幸せに
つながっていくと思います。

そして、
巡り巡って、
親自身の幸せにもつながっていく
そう思います。

そう言う私も、
まだ、子育ての真っ最中ですが…。

みなさん、
これからも、
限りある子育ての時間を
一緒に楽しんでいきましょう。



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