見出し画像

自給自足を試みる 1年目のはじまり

いきさつ

まあまあ都会⇄けっこうな田舎 の2拠点生活をしばらく続けてきたのだが、ついに来月、田舎の方へ引越しとなる。
母も私も仕事を辞めて行くのだから一大決心といえるが、私はオフィスでの仕事にもはや辟易しているため、辞めてしまうのが健康にもよい。

私は人間のつくった社会のシステムに長らく翻弄され、葛藤してきた。
このたび、そのシステムの外側の世界を知るため、とりあえず〈稼ぐ→消費する〉というお金の循環からちょっとだけ抜け出し、衣食住から自分でやってみようと試みることにした。なんだか楽しそうでもある。

そういうわけで、自給自足を目指して細々と作物を育て始める。
農、栽培というのはやり方が千差万別で、最終的には自分の土地にあった方法を自分で導き出すしかない。また選択肢となる方法は、農の捉え方や思想にもだいぶん拠ってくる。
ともかく長期にわたる研究が必要なため、記録用にブログを書くことにした。

開墾する

私たちが農を営むのは本州のやや寒冷地である。
土地の広さは十分にあるため、田畑を借りるわけではなく、開墾から自分で行う。
自然林が皆伐されてしまった悲しい土地であるが、そのおかげで土は黒くやわらかく、悪くない質に見える。
ただ、元からススキが生えていたし、皆伐後に生えてきたのは笹とアメリカヤマゴボウばかり(染料としては使えるが)で、健康な土地であったとも言えないのだろう。

皆伐後の土地。奥はカラマツ林(2022年11月)


ほんの少し離れた場所には澄んだ小川が流れる、なんともいいところである。常に耳から1/fゆらぎを摂取できる癒し空間が広がる。
ここから水を引いて水田をつくりたいところだが、水利権の問題から、そう簡単には取水できないようだ。現代は複雑である。

夏の小川(2022年7月)

2023年3月4日、皆伐地の一角に、クワやスコップを使って土を掘り起こし、畝をつくった。
最初の耕起からはしばらく寝かせたほうがよさそうなので取りかかるのが遅すぎるが、寒冷地につき種蒔きも遅めなのでまあよしとする。
以前、Halu農法という自然農法を習ったことがあり、そこでは幅120cm、高さ40cmの畝にしていた。そのくらいの感じでつくったが、適当にやったのでだいぶずれているはずだ。

施す

次に、肥料は入れないで済めば一番よいのだが、畑としては最初期の段階であるし、農業の場合は失敗すると次のチャンスが半年や1年後になるため、なんらかの策は施すことにした。
今回の畝では、「菌ちゃん先生」の方法にしたがって、窒素固定菌を土中に培養する仕組みを施した(うまくできたかはわからない)。

内容としては、土の上に菌糸の張った木や竹をのせ、その上から菌糸の食べ物となる草などを置いて適切な湿度を保つことで、糸状菌を増やす。糸状菌は、空中の窒素を土へ取り込む菌と共生するようで、それにより植物がよく育つらしい。

私たちは身の回りにあったものを使って施したため、動画の内容とは異なる。
以下のように施した。

①家に少しだけあった竹炭を土に混ぜ込んだ。
②腐りかけのウッドデッキ材に、白い菌が気持ち悪いほど生えていたので、ナタで細かく割いて土にのせた。(これはよいかどうかわからない)
③落ち葉をのせた。
④腐葉土になりかけていそうな古い松葉などを表土からかき集めてのせた。
 ③④は逆でもよかったかもしれない。
⑤厚すぎない程度に全体に土をのせ、水が流れ落ちるようかまぼこ型に成形した。

下の写真は土をかける前。

④時点での写真。もっと層が厚くていい気がするが、これでも
頑張った。

この後、ひと雨あてて湿った状態で黒マルチをするのだが、降りそうにないので、土が乾かないように稲藁でカバーし、黒マルチは次回にまわすことにした。

このまま雨が降るまで放置

今回はこの状態のまま、田舎の拠点を後にした。
次回は黒マルチをして、それから1か月ほど置いたら一度土の状態を確かめる。
植え付けはそのさらに1か月後である。
果たしてこれがうまくいくのか・・・。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?