くき

森の暮らし。 X→ @mystriven9

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最近の記事

お米(陸稲)をつくる #2

▼前回 経過 稲はぐんぐん育つ。 8月には青い稲穂をつけた。 9月、稲穂が頭を垂れた。 ふつう9月下旬には稲刈りをすると思うのだが、植えた土地は思ったよりも陽当たりが悪く、なかなか稲穂が色づかなかった。 稲穂が黄金色になるまで待つ。 10月にはだんだん色づいてきた。 そして10/26、ついに稲刈りをしようと思って畑に行ったら、すべての稲穂が何者かによって食べられていたのである。 美味しそうに色づいた瞬間に全部食べるんだね。 まだ青い頃にも少しかじられていたので、

    • お米(陸稲)をつくる #1

      自給といえばやはり欲しいのは米、 しかし水田を造成するのは難しいうえ水利などの問題もあるため、畑でもできる陸稲の栽培をやってみた。 栽培地は小川のすぐそば、水気が多少ありそうな場所を選んだ。 開墾 遠い昔の2023年3月中旬、この土地の開墾をおこなった。 クワで深さ30cmほど土を起こしながら、土中の木の根や笹の根を剪定バサミで切りつつ取り除いていく。 3x5mほどの広くもない面積を整えるのに、4日にわたり計10時間以上かかった気がする。手に豆はできるし腰にくるしで地獄だ

      • 触れることの大切さ

        最近気づいた。 触れることは大切。 私は虫が苦手だ。 足とか節とかが多くて気持ち悪い気がするし、いきなり飛んでくるし、ちょっと怖い。 都会の潔癖な環境に育ったことも大きい。 (虫好きの方へ:もし自身の苦手な生き物がいれば置き換えてください) でも田舎に住んで、かなり克服してきた。 単に虫がたくさんいるから慣れたというのもあるのだが、それだけではない。 徐々にではなく劇的に克服したきっかけが、虫に触れること。 虫が嫌いなので自分から触れることは決してできないのだが、 森で

        • ライ麦を炊いて食べる

          ライ麦が土壌改良にいいというので、去年、適当に庭に種を撒いておいた。 7月中旬、実を成らせ頭を垂れていたので収穫。でも獲れたのはほんの少しだけ。 少量なので、手作業で脱穀した。穂を指でつまんで玄米のような粒を押し出す。つるっと出てくる。 全部の種を集めたら鍋で炊けそうな量になった。 ライ麦100%で食べる機会もあまりないので、米のように炊いて食べてみる。 発芽させると栄養価がUPするそうなので一日浸水。 土鍋で玄米と同じように炊く。 沸騰させてから弱火40分、火を止め

        お米(陸稲)をつくる #2

          天然ハーブミックス虫除けをつくろう

          家にめちゃくちゃ虫が出る。特にいやなのが、カマドウマというデカくて黒いバッタみたいなやつ。 発生源がだいたいわかったので、これを忌避するため、うちにあるハーブなどを使って天然虫除けをつくることにした。 いわゆるポプリみたいなやつ。効果があるかは謎。 材料は、うちにあった香りの強い植物。 杉の木片(ヒノキかも)、ドクダミ、レモングラス、ホワイトセージ、クローブ、スペアミント、ペパーミント、レモンバーム、ローズマリー を使用した。 この前、近所の植物園のハーブ講座でたくさんも

          天然ハーブミックス虫除けをつくろう

          薪棚をつくろう

          今夏、祭りの運営をやっていたらめちゃくちゃ忙しくて、しばらく家も離れていた。 その間、作物のほうは夏野菜がちょっと採れたらしい。 帰ってきてから、建築のほうに気が向いたので、ずっと課題だった薪棚を冬に向けてつくることにした。 私が住んでいる家は暖房を薪ストーブにしたので、薪がないと凍り死んでしまう。 薪はものすごくたくさん使うため溜めこんであるが、これがめちゃくちゃ邪魔。濡れてはならないので、軒下、床下、道具置き場が薪でいっぱいなのである。 いずれは小屋をつくりたいのだ

          薪棚をつくろう

          カボチャを育てよう 種まき〜植えつけ

          5月6日に立夏を迎えて時はすでに夏、 比較的寒冷なわが地では、作物のまきどき、植えどきが押し寄せている。 春ごろに焦って図書館へ行き、見つけた下の本を参考にして農業をやってみることにした。 この本にある作物では、いちばん早く植えるのは、カボチャ、キュウリ、スイカなどのつる性植物だった。 うちに余っていた種(母の)をひっくり返して確認したところ、カボチャとスイカが家にあったので、それをまくことにした。 カボチャは、黒皮栗とラグビーカボチャの2種。 ラグビーカボチャは、一

          カボチャを育てよう 種まき〜植えつけ

          大地の再生 #6総括

          矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。 今回は矢野さんの話や私が考えたことを中心に書いていく。 ▼前回の記事 前回までに紹介した作業をすべて終えると、「杜の学校」にて感想や質問を共有する時間となった。 矢野さんからいろいろな話が聞けたので、その一部を紹介したい。 空気と水は連動している 矢野さんの話のひとつに、空気が動かないと水は動かない、という重要な話があった。 大地の再生では、地面に穴や溝を掘ることが基本的な施工のひとつだ。 なぜ穴や溝を掘るのかといえば、空気や

          大地の再生 #6総括

          大地の再生 #5タカキビの種まき

          矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。 今回は2日目の自然農の作業。 ▼前回の記事 2日目、河原にほど近い畑で、タカキビの種まきを行なった。 畑となる場所は、双子葉植物の豊かな、気持ちのよい草原だった。 植生を見るに土壌はよさそうなのだが、これが畑になるのか? と思うほど草がみっちりと生えている。 よく見ると、外周には溝+しがらみ、内側にはうっすらと畝間の浅い溝の跡があった。 ここもこうした手入れの結果として草原になった土地なのだろうか。 準備 まずは、三ツグワな

          大地の再生 #5タカキビの種まき

          大地の再生 #4コンクリート水路の整備

          矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。 今回から2日目の作業に入る。 ▼前回の記事 2日目、鶴川の近くを走るコンクリート水路で作業を行なった。 この水路は、鶴川の支流である仲間川から水を取り込み、鶴川の下流へ水を出す。かなり長く、コンクリート三面張りでつくられている。 水は浅く張っているが流れはかすかで、底には流れてきたドブが溜まっていた。 矢野さんは水路を見つめながら、人に都合のよい、人にとって合理的なやり方では、「必ず詰まる」のだと言っていた。人都合のコンクリート

          大地の再生 #4コンクリート水路の整備

          大地の再生 #3コメの種まき

          矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。 1日目の続き、今回は自然農の作業を紹介する。 ▼前回の記事 4月2日、スタッフの方手づくりの美味しいお昼ご飯を経た午後、田んぼの整備とコメの種まきを行なった。 田んぼは、自然でいえば湿地帯である。 湿地帯は、空気と水の滞る場所である。 だから田んぼでは、風や雨の通りをふつうよりも悪くし、ゆるやかに流れる程度にする。 適切な湿地帯環境をつくることで、種籾の発芽率が上がるという。水はけがよく乾きすぎると、畑に生える植物が生えてきてし

          大地の再生 #3コメの種まき

          大地の再生 #2風の草刈り

          矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座。 今回から実際の作業内容について記していく。 ▼前回の記事 4月2日午前、作業は河原の草刈りから始まった。 鶴川の桜の花咲く河原、この日は花びらがはらはらと散り、川を流れていくようすがとてもきれいだった。 ここは数年前は薮だったと聞いたが、矢野さんらが手を入れたおかげで今は草原になっている。年に数回の手入れを続けているらしい。 大地の再生では、「風の草刈り」と呼ばれる草刈りを行なっている。 「風の草刈り」とは、風が行なう草刈りを

          大地の再生 #2風の草刈り

          大地の再生 #1理念

          4月2日、3日と、矢野智徳さん主催の「大地の再生」講座に参加してきた。 造園技師である矢野さんは、現代の一般的な土木技術とは異なる手法で、環境を傷めずに造園を行ない、また傷んでしまった環境を正常な状態に回復させる施工を研究しながら活動してきた。 現在では全国各地を飛び回って、その技術を広めながら環境の再生活動を行なっている。 昨年は、矢野さんを追うドキュメンタリー映画「杜人」や、書籍『「大地の再生」実践マニュアル』などが発表されて、知名度は急上昇しているようである。 こ

          大地の再生 #1理念

          自給自足を試みる 1年目のはじまり

          いきさつまあまあ都会⇄けっこうな田舎 の2拠点生活をしばらく続けてきたのだが、ついに来月、田舎の方へ引越しとなる。 母も私も仕事を辞めて行くのだから一大決心といえるが、私はオフィスでの仕事にもはや辟易しているため、辞めてしまうのが健康にもよい。 私は人間のつくった社会のシステムに長らく翻弄され、葛藤してきた。 このたび、そのシステムの外側の世界を知るため、とりあえず〈稼ぐ→消費する〉というお金の循環からちょっとだけ抜け出し、衣食住から自分でやってみようと試みることにした。な

          自給自足を試みる 1年目のはじまり