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【第1話】熊野に移住して早4ヶ月、日々は七里御浜のさざ波のようにちゃぷちゃぷと過ぎていった


前説

ティファールの電気ケトルよろしく、あっという間にすぐに経ったフォーマンス。種蒔き水撒き同時に芽が出るぐらいあっけないボアなデイズ。盛大に鳴らす不正解のヴァイブス。お前の母ちゃんローコストパフォーマンス(ここで腕を組み顎を上げ首を少し傾けてポーズ)

おっと、これはいかんざき。初投稿に思わず気分がアガってしまい、息をするようにさも自然と韻律を並べ立ててしまった。しかも大して上手くもないという。だが、悪気はないし後悔もない。そこにあったのは果てなきカタルシス、ただそれのみであった。

~完~

ここまででどれくらいの人が「戻る」ボタンを押したことだろう。それを考えると僕はあのクソよりもずっと始末に負えない韻律に対して感謝を示さずにはいられない。なぜならこうしてふるいにかけることができたのだから。そして、そのふるいの上に(不幸にも)残ってしまった人こそあなたである。

まずは、今もまだ懲りずにこの文章を読んでくれているあなたにお礼とお悔やみを申し上げたい。世の中には面白いコンテンツがごまんとあるというのに、何が悲しくてこんな駄文を読んでいらっしゃるのだろうか。おそらくあなたはよっぽど暇を持て余しているか、あるいは真性のマゾのどちらかなのだろう。

この記事をどういう目的で読むかは完全にあなたの自由だ。ましてやそれが自らの性癖を満たすためだったとしても一向に構わない。僕としては読んでくれているだけで十分にありがたい。が、金輪際あなたのことはどうか「変態」と呼ばせていただきたい。もちろん最大限の敬意を込めて。

かつて父は僕にこう言った。
「後悔とちんぽは先に立たず」

その言葉を今、あなたにも贈りたいと思う。なぜかは分からない。特に他意もない。ただなんとなくそうしたいと思っただけだ。でもそんなどうしようもない言葉でさえ、変態のあなたならきっと喜んで受け入れてしまうのだろうね。

さ、というわけで(初ロケに息巻く若手お笑い芸人のオープニング時ぐらいのテンションで)

改めまして、どうもこうくんさんです。なんか劉備玄徳の昔馴染みのような名前だなとふと思ったそこのあなた。お目こが高い。僕らはきっと良き友達になれることでしょう。

そんなあなたにならきっと気付いてもらえると思って、先ほど僕はごく自然と下ネタも練り込んでおいた。え?気付かなかった?またまたご孫権を。

本編

ChatGPTによる要約(お急ぎの方向け)
えっと、熊野に引っ越してから4ヶ月が経ったんだけど、動画編集が面倒でアップしないでいるよ。生活はだいぶ落ち着いてきて、移住までの経緯をぐだぐだ書いてみることにしたの。でもね、キラキラした移住生活じゃないから、ちょっとユニークかも。でも大丈夫、読むだけでいい気分転換になるよ。
昔の自分は、毎日が同じでつまらないって思ってたんだ。でも、その暗い時期も無駄じゃなかった。ダンマパダとか読んでたし、ヴィパッサナー瞑想もやってた。でも急に、それらがいらなくなって、前向きに生活を変えることに決めたんだ。そしたら、自分にはもう必要ないって気づいたの。でも、その後の話はまだまだ続くんだよ!

表題のとおり熊野に移住して早4ヶ月が過ぎた。この間に様々な出来事、出会い、気付きがあった。Vlogを始めようと思って動画もたくさん撮った(編集するのがめんどくさくなりまだ一つも上げていない)

ようやく生活も落ち着いてきたので、いっちょ移住に至るまでの過程をぐだぐだと内情たっぷりに書き連ねてみよう。というのがこのnoteの趣旨となる。

間違っても移住後のキラキラした生活を見せ付けて自己承認欲求を満たすものではないことをあらかじめお伝えしておく。「世の中こういうやつもいるんだな」ぐらいの感覚でお読みいただけたら甚幸である。

**

横浜(実家)にいた頃の僕はもうあらゆることに食傷気味で「こうしてこのまま埋もれるようにして一生を終えてゆくのだろう」という確かな自信だけを胸に秘め、日々をただ無為に過ごしていた。でもその日々は決して無駄ではなかったと今になっては思う。生かすも殺すも結局は自分次第、という大きな学びを得ることができたからだ。

本だけが友達。長らくそんな暗い時期を過ごしていた。それはもう手当たり次第に読み漁った。何度心の中でキンドルマンセーと唱えたか分からない。当時よく読んでいたのは、スッタニパータ、ダンマパダ、旧約聖書、セネカ、プラトン、老子、アチャン・チャ―、ラマナ、ニサルガダッタ、フロム、ルソー、ショーペンハウエル、ユング、中島義道、足立幸子などなど。

他にもタイトルに真理とか真我といった類の文字が躍る本にはもれなく飛びついた。そして、来る日も来る日もヴィパッサナー瞑想に耽った。今になって思えば、あれは単なる迷走でしかなかった。

とにかく、現状から抜け出すための答えを外側に求め続けていた。でもこれがどうしたことか、求めれば求めるほどにますます現実社会との距離ができてしまい余計に逃げ道を失う羽目になった。こういう類の本に食いつく人が必ず一度は陥るであろう罠にまんまとかかってしまったわけだ。

なぜ生まれてきたのか、自分とは何か、世界や他人は本当に存在するのか、この身に起こる出来事は偶然か必然か。宇宙とは?時間とは?空間とは?

そんなわけわかめなことをぐるぐると考え続けているうちに7年が経っていた。え、ちょっとこじらせ過ぎじゃない?と今あなたは思ったかもしれない。僕もまったく同意見だ。正直、長引かせすぎた。あの忍耐強いセミでさえ痺れを切らし羽化してしまうほどに。

いつものように迷走を終えて近くの公園を散歩していたある日のこと。ベンチに座りぼーっとしていると、外側には何もないという理解がごく自然と起こった。それ以来すべてがどうでもよくなった。投げやりにではなくあくまで前向きに。それからは瞑想や読書に耽ることは一切しなくなった。自分にはもう必要ないと確信できた。そもそもそれらを必要とする「自分」なんてものは本当に存在するんだろうか?

ないだけがあって、そしてあるさえなかった。ただそれだけのことだった。つまりは、額に答えが書いてあることを知らずに延々走り続けていたようなもの。で、そのことを知っていざ額を見てみるとそこには何も書かれていなかった。じゃあ結局答えは分からずじまいかというとそうではなくて「分からない」こそが答えだった。とんだ一人相撲。

とはいえ、それまでの自分がぽんと消えていなくなってしまったわけではない。相変わらずビビリだし他人の顔色は伺うしマスだってかく。ただ、一つの理解が起こっただけに過ぎない。それによってこの自分は何も理解できないことを知った。起こる全ての出来事は一時の気まぐれで、それはまるで絶えず流れ続ける雲のようなものだ。無論、この「理解」だって例外ではない。

おそらくこれ以上何を言っても「こいつ何言ってんの」という想いを強くさせるだけだろう。というわけでするっと話を先に進めるとする。

で、まあこれが2022年6月ごろの話。そこから僕は現状を変えるべく本格的に動き始めた。正直恐怖心しかなかったが、何もしないでいるよりはずっとましだった。

移住先の第一候補は愛媛県松山市だった。その理由は「現状を変えるぞ」と決心した直後に母と一緒に食べたクリームプリンの製造場所がそこだったから。

登録だけしてずっと放置していたとある移住マッチングサイト(固有名を出すとステマ臭がプンプンするのであえて濁しておく)に早速ログインし、松山市の募集記事を探した。いくつかあった。とりあえず「興味ある」ボタンを押した。

基本ビビりな僕は、このボタンを押すだけでも裕に一時間を要した。だが押してしまえばこっちのもの。あとは優雅にハーブティーでも飲みながらあちら側からメッセージが届くのを待つだけ。

僕のようなチキンハートブタ野郎にとってこれほどありがたいシステムはない。ちなみに、募集記事を読むだけなら登録すらいらない。なんという聖母仕様。

以降、気になる募集記事の「興味ある」ボタンを思考停止状態かつ無表情で延々と押し続けた。その中には熊野市の募集もあった。

今見返してみたらどうやら僕は「熊野市職員募集」に対して興味あるボタンを押していたようだ。いやはや、思考停止にもほどがある。

見事なまでのテンプレ文を送りつけてくる自治体が多い中、熊野市だけは違った。それが濱田大先生との出会いだった。その一つの出会いを機に、僕の人生はその後大きく変わっていくことになる――。

次号に続く。

後記

ここまで読んでくれた変態のみなさま、どうもブタ野郎。少々ふざけ過ぎてしまった(いやむしろふざけてしかいないか)が楽しんでいただけたなら嬉しい。

実はこの記事を投稿した後でふとあることに気が付いてしまった。それは数日前のこと。
僕「今度熊野移住のブログ始めるから見てみてちょんまげ。これURL」
母「かしこまりこ。うらる?」

あろうことか僕は実の母さえも変態扱いしてしまったわけだ。だがあの母なら、風呂上がりの親父のちんぽをピロリ~ンとでこぴんすることが何よりも好きだったあの母ならきっと、許してくれることだろう。

え?コメントがしたい?あなたの変態ぶりには本当に頭が下がる。それならどうか変態らしくブー語で書いてみてほしい。ブー語検定準1級を持つ僕が華麗に翻訳してみせよう。

ぶヒっブヒひンっブーぶっヒッヒ。

こんな具合に思うまま気の済むままブーブー鳴いてみてほしい。次号についてはここのコメント数が3を超えたタイミングで公開しようと思っている。つまり、この記事が最終号になる可能性もあるということだ。すべては諸豚らにかかっている。それでは健闘を祈る。

●読後のデザートBGM

次号はこちら。

※ホ別。