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海外に飛び立つ人へのエール

昨今「働き方」についてよく議論されている。メディアを通して様々な働き方・生き方を目にする機会が多くなり、自分の仕事や価値観を見つめなおす人が増えているためだろうか。ひと昔前よりも多様な生き方が可能になってきていることもあるだろう。ただ人はチョイスが増えれば、その分多く悩むもの。悩む人の数もそれに比例して増加しているように思える。
一つ危険だなと感じるのは、「自分も楽しいことをやって生きなければ」という強迫観念に駆られて、反ってストレスになったり、自分を見失ってしまうことだろう。楽しいことをやって生きることは素晴らしいことだが、他人の生き方を真似する必要はない。自分なりのやり方で、自分のペースで、一歩ずつ前に進んでいけば良いと思う。湯川秀樹さんは「一日生きることは一歩進むことでありたい」と言った。自分が成長しているということに少しでも喜びを感じることができれば、それが「幸せ」に繋がる。そんな生き方ができれば、人生上出来ではないだろうか。

それぞれの生き方。

私はシンガポールという地で現地社員として働いている。会社として6社目、働いた国としては4か国目になる。通算で15年程になるだろうか。
私は駐在社員ではないので、これまで「国境を超える=転職する」という流れが常だった。おそらく、これからもそうだろう。自分にとって海外の地を渡り歩いて生きていく道を選んだことはサバイバルのために他ならない。おそらく不安症なのだろう。とにかく「食いっぱぐれしないためにはどうすればよいだろう」の一心で、日本のマーケットで食べていけなくなっても家族を養っていけるようにと、海外のマーケットを経験する機会を探し、手に入れ、行動し、自分のやれることを増やしていった。加えて家族との時間をしっかり持つという価値観に沿った生き方をするためにも海外の方がやりやすかったのである。

自分達では「遊牧民」のような生活だねと笑って話すこともあるが、自分にとっても家族にとっても新しい環境に突入する際はもちろんストレスもあるし、決める前は怖気づくことも多々ある。経験すればするほど「慣れる」という側面以上に、大変さが身に染みて分かるので、「あぁ、また新しい職場も、家探しも、学校探しも、新しいコミュニティーへ入っていくことも、ひぃひぃ言いながら乗り越えないといけない時期が来るのか」と、ため息をつくことも多くなるのも事実。

だが、新しい環境に飛び込むこで、徐々にだが確実に「しぶとく」はなっていく。海外で生活を送る、海外で働くということは、自分のレジリエンスを一回り成長させる本当に素晴らしいチャレンジだと思う。

海外での挑戦の良いところは、人脈も殆どないゼロスタートなので、自分の生きる力が鍛えられる点にある。生きる力とは適応能力だ。環境を変えると、負荷がかかる。ただ、それを乗り越えた時には、自分の視野が変わるのも事実である。その過程で、様々な文化背景や考え方を持っている人々との出会いがある。そんな経験は、自分の価値観というものを見直す本当に良い機会になる。一つの国だけじゃなく、二つ、三つと住んでいくごとに、そこに住む人達の価値観に触れ、自分にはどの考えや生き方が合っているかなと考えるようになり、従来持っていた「~は、こういうものだ」という考え方が、「自分はこっちのやり方・考え方でいこう」という選択をしていくものに変わり、そしてそれをアップデートさせていくという事が寧ろ普通になる。自分にとって、仕事とは、そういう機会とマインドセットを与えてくれるものだった。 

他にもメリットがある。

今はコロナの影響でハードルが上がってしまっているが、きっと、これから海外に行こうとしている人は、自分で決定を下して行動に移そうとしている人だろう。私達もこれまでの歩みは全て、家族と一緒に自分達で決めて行動を起こしてきた。そのためだと思うのだが、人生をコントロールしている感を持っている。悩んだ末に行動を起こせば、例えうまくいこうとそうでなかろうと、自分の中での気持ちに決着はつく。客観的な成功の物差しで測って、「~以上であれば成功、~未満であれば失敗」といったものではなく、自分自身が納得できる岐路を人生に多く持つことが、その人の「人生の豊かさ」へと繋がる大事な要素の一つではないだろうか。海外に行くという大きな決断をし、行動を起こした結果得られるものには、そういった「人生に対する納得感」ももたらしてくれる。

こういった生き方が、全ての人に合っているとは思わないが、私は、日本の人達にもっと海外に出て欲しいと思っている。一見、リスクがあるようで、メリットの方が遥かに大きい。海外に出ていく個人にとっても、それを送り出す社会にとっても、だ。私は、日本という国が大好きだ。だから、もっと活き活きして欲しいと心から思う。自分の子供達にとっても、日本が「尊敬に値する国」であり続けることが、彼らの人生にもプラスであることは間違いない。社会を作る人達にとって、自分なりの生き方を模索する中で、「海外に出て経験する」という行為は多くの人にとって、自分なりの価値観を見つける際にきっとプラスになるだろう。間違いなく、しぶとい人間は増え、そういった人は価値観が違う相手にも寛容になるものである。

もし、このメッセージを読んでいる人の中で、これから海外に行こうと考えている人がいれば、エールを送りたい。海外で果敢に挑戦しようとしているあなたの背中にいつも追い風が吹きますように。











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