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カワクニパン

一時期、頻繁にパンを焼いていた時期がある。

元々パンは大好き。
というか、麺やお好み焼きやすいとんや、要するに『粉もの』全般が好きなのである。
特に焼きたてのパンには格別な風味がある。
食パンもいい。イングリッシュブレッド、パンドミ、バケットやクッペ、カンパーニュパン、ベーグル、プリッツェル、プンパニッケル、ライ麦パン、ピザ生地…等々…小麦粉の風味、カリッとした香ばしさ、しっとりと伸びのいい食感、もっちりした歯ごたえ、天然酵母の酸味、イーストの熟成香…なんでも来いだ。

一人暮らしの時は、フライパンや鍋、小さなオーブンレンジを駆使して、試行錯誤しながら少量のパン焼きを楽しんでいた。

現在の家内と結婚した時、家内が無類のパン好きであることを知った。
これはもう、大手を振って本格的に焼いてみようと、当時は家庭用では最も大型の電気オーブンを購入。
当時はまだ珍しかったパン捏ね用のミキサーも大枚叩いてゲット。
ロールパン、食パン、パンドミ、バケット、カンパーニュ、さらにベーグル、プリッツェル、クロワッサン... なんでもトライしてみた。
タネもドライイースト、生イースト、天然酵母、ライ麦を使って自力で酵母ダネを作ったこともあった。

で、数年後に気がついたこと...
確かに手作りの焼きたてパンは美味しいし、格別の達成感も得られる。
しかし…
・やたら手間と時間が掛かる…
・打ち粉でキッチンやダイニングが汚れ、いちいち後始末が大変…
・天然酵母や酵母ダネの管理は論外で、年がら年中焼き続けなければならない…
・色々なパンを焼くと、小麦粉の種類がやたら増え、そちらの始末も考えなければならない…
・特にバケットなどのハード系は火力の弱い電気オーブンでは折角焼いても失敗も少なくない…

できれば、時々料理をしたくなる気分でパンも焼きたいのに、どんどん自由が奪われていくのだ。
しかも気に入った店で焼きたて時間を目指して購入しても、どんなものでも僅かにせいぜい数百円で相当美味しいものが手に入る。

ちょっと家での仕事の合間に焼けるパン…
しかも外の店では買えないオリジナルのパン…
を目指すことにした。

そこから試行錯誤すること数年...
こうして『カワクニパン』と呼ばれる我が家オリジナルのパンが生まれた。

粉は一種類。
タンパク質13%〜14%の最強力粉を使う。
生地内のグルテンをふんだんに出す為だ。

タネはドライイースト。

イースト

捏ねは全て30cm径の大型のボールの中だけで済ます。
ミキサーは使いません(折角買ったのに...)、感触が大事なので手ごね。
打ち粉は使わない。

捏ね

一次発酵は40℃で40分。
この間にクルミを炒って崩しておく。

くるみ

すぐに整形。(半分プレーン・半分クルミ入り)

整形

ここでも打ち粉は使いません。


20分の二次発酵後、すぐにベーキングソーダ入りのお湯で30秒さっと茹でる。

茹でるというより、熱湯に通すくらいです...

ベーキングソーダ

茹で


このベーキングソーダが焼き上がりの表面をカリッと仕上げます。

茹でおき20分。

茹でおき

240℃で26分焼く。

オーブンへ

粉から焼き上げまで僅かに2時間半の行程です。
粉は750g、我が家の電気オーブンで一度に18個焼き上がり、数人の来客時でも充分です。

焼き上がり1

焼き上がり2

外はカリッと、中はふかっとモチっと、外見はベーグルの様ですが、食感は全く違います。


縦切り

食べ方もいろいろ…

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ここ数年は、これしか焼きません。
常連の客からはリクエストも多く、近年『カワクニパン』との名前を頂きました。

もちろん、我が家か、私の手土産でしか食べられませんので、あしからず…



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