川崎クニハル

映像演出家・脚本家・ライター Office scene代表 '80年代より多…

川崎クニハル

映像演出家・脚本家・ライター Office scene代表 '80年代より多くのTV番組・CF・PR映像を手掛け、近年は本業の演出業の一方、東京の自宅オフィスと南阿蘇のアトリエを往き来しながら執筆を続ける。 『双葉荘の友人』で第8回WOWOWシナリオ大賞受賞(原作名『双葉荘』)

マガジン

  • エッセイ コラム など...

    エッセイやコラムなどをこちらのマガジンにまとめてあります。 食関連のエッセイは『カワクニ美味しいエッセイ集』に、また『山小屋滞在録』も別のマガジンにまとめています。 [ 表紙イラスト:カワツナツコ ]

  • 実録コラム 山小屋滞在録 まとめマガジン

    南阿蘇のアトリエ・山小屋の滞在録を随時アップしています。 滞在期間は2週間から1ヶ月くらい... 東京の自宅・オフィスを離れ年に数回訪れています。 都度の発見や出来事などをコラムにまとめています。

  • カワクニの おいしいエッセイ集

    エッセイの中から”食べ物”テーマのものだけ集めてマガジンにまとめました。

  • 週刊連載長編小説『私がわたしである理由』まとめマガジン

    太平洋戦争末期の東京を舞台にした、長編ファンタジー小説です。

  • 連載長編小説『仙の道』全編+あとがきまとめマガジン

    連載していました長編小説『仙の道』をマガジンにまとめています。 『龍』をテーマにしたファンタジー小説です。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして..

まずは自己紹介です.. プロフィールにも書きましたが生業は映像の演出、TV番組や番組タイトル、CMやPR映像など、長く幅広くやってきました。 十数年前からコンテンツの構成作家や脚本、広報誌への執筆など、書く事にも重心を傾けつつあります。 東京(自宅オフィス)と九州(南阿蘇の山小屋)を行ったり来たりしつつ、いくつかの小説も書き溜めています。 書き溜めた作品は周囲の友人たちに読ませて、楽しんで貰っていましたが、そのうちの一作『双葉荘』を数年前勧められるままに脚本に書き直しWO

    • 2024年、明けましておめでとう御座います!

      昨年は余命宣告から抗がん治療へ、試練の1年だった… 毎月ごと医師からは『何が起きてもおかしくない』と言われながら、仕事はほぼ全てお断りして化学治療に専念した1年であった。 よく考えてみたら、全く仕事に追われずに日々を過ごせたのは実に45年振りのことだ。 そりゃあ45年もの長い間には仕事どころではないことも多々ある… 結婚したり、引っ越ししたり、離婚したり、裁判に引き摺り込まれたり、長く海外にいたり、家族や親族が亡くなったり、結構な病気に見舞われて手術・入院を余儀なくされたこ

      • 山小屋滞在録(11) 〜諸々冬の準備だ! 編〜

        皆さま、クリスマスイブですが、クリスマスとは全く関係ないエッセイです! ちなみに… 末期癌が発見され、僅か1、2ヶ月と余命宣告を受けて、実は今日で丁度1年を迎えます! クリスマスは『奇跡の日』。 これまでで一番大きなクリスマスプレゼントを神様に頂きました! この冬が始まる前の11月上旬、末期癌の余命宣告を受けて以来3度目、南阿蘇の山小屋に行って来た。 これまでの経験では、暖冬の年は山では積雪や凍結が多くなる。今年は我が家の車は冬用のタイヤも履いていないし、チェーンは用意し

        • 隣人はナイジェリア人

          ナイジェリアから来る隣人たち 東京・目黒の自宅は35年前に建て替えた家。 祖母が父の名義で持っていた昭和初頭からの古い平家を取り壊し、2軒の二階家を建てた。 父親の引退を機に、両親が老後収入を得られるように一軒を外国人用の賃貸住宅としたのだ。 当初は外資企業の駐在家族(ドイツ人夫婦、アメリカ人夫婦、日本人夫婦、オーストラリア人家族)に賃貸していたが、ここ20年はナイジェリア大使館と賃貸契約し、およそ3年毎に入れ替わる外交官家族の住居に使って貰っている。 貸家は木造二階建

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        はじめまして..

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          7本

        記事

          目から鱗の出会い

          コーディネイターという人たち… 30歳前後の頃からだろうか… 海外での撮影の仕事が増え続けていた。今から40年も前の話だ。 特に一時期は様々なタイプのヒューマンドキュメンタリー番組をシリーズで企画し、1年間のうちの1/3程を海外各地のロケやロケハンに費やしていた時期もある。 海外取材の場合、必ず現地のコーディネイターとタッグを組むこととなる。 勿論コーディネイターは通訳の役割も大きいので、多くは現地在住の日本人、または日本語や日本の文化を熟知した現地人というケースもある。

          目から鱗の出会い

          抗がん治療とスキンヘッド

          末期の膵臓がんであることが分かり、余命1〜2ヶ月と宣告されてから既に8ヶ月が過ぎた… 幸いなことに化学治療に使用した2種類の抗がん剤が見事にヒットしたのだ。 転移や浸潤は留まり、膵臓のがんも少しずつ縮小傾向にある。 がんの化学治療といえば、誰もが気に掛けるのが抗がん剤の副作用。 今回私が使用しているのは『アブラキサン』と『ゲムシタピン』。 両方とも2010年代から使用され始めた抗がん剤で、アブラキサンはがん細胞の分裂を阻害するもので、主に進行を抑制する役割。 ゲムシタビン

          抗がん治療とスキンヘッド

          山小屋滞在録です...(10)

          沢山遊んで、帰ってきた! 編 [ エッセイ 『抗がん治療が夏休みなので、車で旅に出た!』の続きです ] 九州自動車道の益城熊本空港で高速を降り、阿蘇外輪山の俵山トンネルを抜け、中岳の中腹にある山小屋に到着したのは8月5日になったばかりの深夜1時過ぎだった。 倉敷からここまでは500km余り。倉敷まで運転手を買って出てくれた親友のとべちゃんと別れたのは4日夕刻の5時前のこと。 以前の私ならこの程度の夜の高速運転などお手のものだったが、流石に現状体力は激減している。 しかも台風

          山小屋滞在録です...(10)

          抗がん治療が夏休みなので、車で旅に出た!

          8月… 週1回の抗がん治療が2回続けて休みとなった! 体調も良いので、思い切って南阿蘇の山小屋を最終ゴールとして、家内と一緒に車で旅に出た。 まず目指したのは… 岡山県の倉敷市。ここには若い頃仕事仲間だった親友がいる。以前訪れた時にちょっと立ち寄った倉敷の美観地区にもう一度訪れたかったのだ。特に大原美術館は是非一度じっくり観たかった。 朝、東京を出発しておよそ8時間 … 私は車の運転が大好きなのだ! とは言え、末期癌の身なので、なるべく無理せずのんびり行こうと思ったのだが

          抗がん治療が夏休みなので、車で旅に出た!

          少年ジェットがいた日..

          はじめに... 昭和34年、東京・品川...そこは江戸時代からの宿場町で、人々はお節介で人情家で祭が大好きで、日本を激変させる高度経済成長期の当時でも古き良き下町の風情を色濃く残す温かい土地柄だった。 東京で育ち東京に長く暮らす者なら誰もが感じていることかも知れないが、東京から東京が消えてしまったのはいつからなのだろうとつくづく思う。 あの窮屈なほど密接な地域社会、どの子供も全ての大人たちから見守られ、どんな変わり者にも、どんなはぐれ者にも、はたまたやくざ者にも、口うるさ

          少年ジェットがいた日..

          要介護1と甘党の行方

          キモセラピー・抗癌化学治療を始めてから4ヶ月。 病院からは当初から、いざという時のために介護認定を取っておいた方がいいと言われていたので、手続きを進めていたところ、あっという間に先日『要介護1 』の認定を頂いた。 両親の介護経験もあるので『要支援』から『要介護』への認定がいかに厳しく難しいかを良く知っている私としては、改めて末期癌のシリアスさを思い知らされた。 要介護1といえば、自力で立ち上がり起き上がりが出来ない状態。入浴やトイレにも介助が必要で軽度の認知症も見られる…

          要介護1と甘党の行方

          癌とキャンディー

          癌を患って以来、抗がん治療は何とかかんとか、幸か不幸か、上手く進んでいる。 医者も一回は匙を投げかけたものの、思わぬ好結果に驚いているようだ。 その抗癌治療を始めて以来3ヶ月…実はやけに甘いものが欲しくなる。 『癌』は糖分が大好物…というまことしやかな噂があるが、担当医からは「一切気にしないで食べたいものがあったら好きなだけ食べて下さい」と仰せつかったので従っている。 お見舞いにもいろんなものを頂いたが、中でもフルーツ系やスィーツ系は、食欲が無い時でも美味しく頂けるので元

          癌とキャンディー

          季節外れということなのか…

          今年の夏は猛暑…ということもあって、玄関脇にあるリビングルームの窓枠に向けて、家内が遮光用にと朝顔の蔓を植えた。 蔓はどんどん伸びて、夏には窓の外を見事にたくさんの朝顔の葉が覆い隠していった。 ところが…夏もいよいよ残暑の頃となっても、朝顔は一向に花を付けようとしない… これも何か異常気象のせいなのだろうか?… しかし、たまに近所を歩くと、あちらこちらの植え込みや鉢植えで、勢いよく咲き誇る朝顔の花をよく見るようになった。 どうやら花を付けないのはうちの朝顔だけの様なのだ…何

          季節外れということなのか…

          休載のお詫び...

          週1話のペースで連載しています『私がわたしである理由』ですが、再び体調不良のため、今週も休載させて頂きます。 毎週読んで下さっている方々にお詫び申し上げます。 次週よりまた頑張ろうと思っております。 川崎 クニハル

          休載のお詫び...

          私がわたしである理由24

          [ 前回の話… ] 第十二章 大森中将の憂い(4) 同じ日の午後に遡る。 軍令部、大森中将の執務室を緊張の面持ちで訪れたのは軍務局二課長の日枝中佐だった。 「まあ、掛けてくれ給え。急に呼び出して申し訳ない」 いつもの様に穏やかな口調で大森義太郎中将は応接セットの椅子を勧める。 「はっ…何か、急な御相談でもおありですか?」 「ふむ…野瀬翻訳官たちの特務傍受班の事前報告は実に有益な成果を上げている様だな」 「はっ、恐れ入ります。いやあ、ほんまに大した拾いもんですわ。新任の技

          私がわたしである理由24

          私がわたしである理由23

          [ 前回の話… ] 第十二章 大森中将の憂い(3) 昭和20年3月10日未明の東京大空襲は、その規模と被害の甚大さから、戦況が連合軍側の圧倒的な優勢であることを明確に示していた。この日を境に、帝都に暮らす人々の先行きへの心情は大きな不安へと変わってゆく。 本土空爆の目標は軍事施設の破壊から、民間人の生活を直接狙った市街の住宅密集地への大規模な焼夷弾爆撃に転じた。 人々の不安をさらに煽る様に、3月12日未明には名古屋市街地におよそ200機、翌13日深夜には大阪の難波・心斎橋

          私がわたしである理由23

          休載のお詫び...

          週1話のペースで連載しています『私がわたしである理由』ですが、体調不良のため、今週は休載させて頂きます。 毎週読んで下さっている方々にお詫び申し上げます。 次週には掲載を再開したいと思っております。どうぞまた宜しくお願い致します。 川崎 クニハル

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