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クラウドファンディング最終日です!

9月12日からクラウドファンディングを始めて一か月半、本日10月31日で、ついに最終日となりました。長かったような短かったような一か月半でした。

おかげさまで、たくさんの方々に応援していただき、無事にプロジェクトが成立し、在庫がなくなってしまったパンフレットを増刷できることになりました。

最初から並走してくださっていた皆様、クラウドファンディングを機に「薬はじめてガイド」のことを知ってくださった皆様、そして、偶然この期間に発送請求してみたら、クラウドファンディングに遭遇してしまった皆様。
私たちの作ったパンフレットに、これほど多くの方が共感、賛同してくださったことを、とても嬉しく思います。本当にありがとうございました。

ご寄付は23時まで受け付けております!一部でも多い増刷に向けて、ご支援いただけたら幸いです。

昨日、印刷会社の営業さんに向けたお見積り依頼のメールの文章を書きながら、クラウドファンディングの期間にいただいたたくさんのコメントを思い出していました。

色々な状況の方がいらっしゃいました。当事者の方、ご家族の方、お知り合い、ご親戚、お仕事など、様々な形で発達障害と関わる方。同窓や同郷のよしみでご支援くださった方。プロジェクトの理念に共感してくださった方。
なかにはこれから通院をはじめます、という方もいれば、ご自身やご家族が、以前通院や服薬をされていたときに欲しかった、と言ってくださる方もいらっしゃいました。

パンフレットを発送しながら、これから医療とともに歩む読者さんの人生が、どうかすこしでも良いものになりますようにといつも思います。このパンフレットがその一助になれば、私たちにとっては最高の幸せです。

私自身、発達障害の当事者でもありますが、私と似たような特性を持つ家族が、通院や服薬で辛い経験をしたことをきっかけに、医療や科学への不信感を募らせるのをずっと見てきました。

私は、運よく専門教育を受ける機会があり、薬の基礎知識を身に着けることができました。師匠をはじめとしたまわりの先生方、先輩方の忍耐強い指導が、ことばをうまく使いこなせなかった私に、困っていることを主治医や支援者に伝える力を与えてくれました。

でも、もし、そうではなかったら。
奇跡のような偶然が重なって、たまたま助かってしまった私は、この格差を埋めるために何をすれば良いのか。そのことをずっと考えながら、このパンフレットを作っていました。

実際のところ、薬はすべての人に適合するわけではありません。
相性の良い主治医に出会えるとも限りません。
でも、少なくとも現時点においては、医療に頼るということは、さまざまな困りごとを抱えた私たちが人生を上向かせるための、強力な選択肢のひとつであることは間違いありません。
もし、生活の中でとても困っていることがあって、そして運よく薬が適合する体質だったら、たまたま知らなかったとか、なんとなく忌避感があるとか、前に嫌な思いをしたとか、そういう理由でその選択肢を選べないのは、
正直もったいないなと思います。

また、立場や状況によっては、本人にとって不本意な決断を迫られることもあるかと思います。もちろん色々な状況があると思いますので一概にはいえませんが、最終的に通院や服薬を試す、試さないに関わらず、このパンフレットから得られる情報が、医療を受けるご本人の主体的な決断を尊重する方向で、お役に立てるよう祈っています。

さいごに、もうひとつ。
医療や薬について、正しく知ることはとても大切なことです。
しかし、知識さえあったらすべての問題が解決するかというと、やはりそういうわけではないと思うのです。パンフレットにも書いてあるように、発達障害の人が薬を飲めば、たちまち発達障害がなくなって、全ての困りごとが消滅するということはありえません。いまの日本の社会では、自分がマイノリティーであると知ることを、つらいと感じる人も多いでしょう。

医療が力を十全に発揮するためには、さまざまな脳の特性を持つ人が、できるだけ自分の持っている特性を肯定的に受け止め、多数派と違うこと自体はハンディキャップではなくなるような社会にしていく必要があります。
それは、多数派と違う特性を持つということを、欠落の物語ではなく、希望の物語に書き換える必要があるということです。

この文章を読んでくださっている方のなかには、研究者や医療従事者、支援に関わる職業の方もたくさんいらっしゃると思います。現状では、私を含めた多くの専門家は、医学モデルに基づき多数派の視点で書かれた欠落の物語が「科学的に中立である」とする教育を受けてきました。今は私たちのプロジェクトのほかにも、多くの専門家が物語(ナラティブ)の書き換えにチャレンジしている途中だと思いますが、ふだんのお仕事の中では、表現の仕方に迷うことも多いと思います。私だってそうです。

支援や情報発信に携わる専門職の多くが、発達障害のある人たちの幸せを願っていることは、良く知っています。でも、長い間トレーニングしてきたやり方を変えて、当事者の心情に配慮した伝え方に切り替えることには、莫大なエネルギーを要するものです。私たちのパンフレットでは、できるだけ「発達障害者は~できない」という言い方を避け、自分とまわりの人が協力して困りごとを解決したり折り合いをつける、というマインドセットになれるような表現をこころがけています。当事者フレンドリーな伝え方に迷ったら、ぜひ真似してみてください。そして、発達障害の診断を受けた人が、そこから前を向いて生きていけるような社会を一緒に作っていけたら嬉しいと思います。

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