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今日の新聞から:極右政党がやってくる

コラム684:今日の新聞から:極右政党がやってくる(ヨーロッパ)

 ヨーロッパで、極右政党、ヘイトの政党が議席をのばしている。オランダで、外国人排斥などを訴える政党(自由党PVV)が第一党となったという。イタリアでも去年、移民反対を訴える右翼政党「イタリアの同胞(FDI)」を率いるメローニ氏が首相になり、フランスではその前から「国民連合」、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を拡大している。(朝日新聞11月24日)

 移民反対、外国人排斥などのゼノフォビア(外国人嫌悪)という視野の狭い極端な保守が票を伸ばすのは、国内政治への不満からくるかと思うが、上記の国々はかなり福祉制度の確立した国であり、トランプ氏を出した格差社会アメリカとは異なると思っていた。フランスの国民戦線のマリーヌ・ルペン氏は自身がヘイトスピーチで有罪となったことがあるほどの差別主義者だ。

 日本でも同様のことが起きるのではないかと、不安になる。同質性が高く、外国人が目立ちやすい国でもあるし、格差も広がってきている。経済状況も悪化している。外国人に責任転嫁をしたくなる者が出てくるのも時間の問題かもしれない。

 ヘイトは嫌いだ。だが、私にも痛恨の差別の過去があることを思い出す。先日のイタリア旅行で、南部では珍しいアフリカ系の男性が、いやゆる物乞いとしてやってきて、断った。そして、その直後、別のアフリカ系男性を見かけた時に、子どもに「気をつけなさいよ」と言ってしまった。ただの通行人だったのに。完全な外見上の差別である。民族差別、ゼノフォビア、偏見。悔しいが、ヘイトになり下がった瞬間だった。こんなに簡単に自分が嫌悪する人々と同化してしまうのか、と絶望に似た感情をもつ。

 ヘイトは、私たちの隣にある。自分の中にもある。と、肝に銘じて、ヤツが来るのに備えなければならない、と自戒した。

2023年11月24日

クララ

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