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【はじめての商品開発】「製造先がみつからないんです」問題

「こんなアイデアがあって、製造先に連絡をしてみたけれど、反応がよくなくて」「図面とかがないと受けられないといわれたので対応できますか?」というご相談がありました。
スタートアップ、ベンチャー、個人の方など、ものづくりにはじめてチャレンジしたい!という方からうけるご相談でよくきかれる内容です。

なぜ?製造先の反応が悪かったのか3つの理由。

なぜ、反応がいまいちだったのか。
それは、製造先さんが求めている情報と、相談者さんが提示した内容がミスマッチをおこしているからです。

内容が製造先からすると、まとまっていない

製造先 いわゆる「工場」や「試作屋さん」といわれるところは、図面や指示書など、加工情報や製造内容が、「きっちり」と決まっていて、より品質よく、精度よく、コスト意識をもって「作る」ことを専門とされているところが多いように、私は感じています。
なので、「こんなものをつくりたい!」といった
ふんわりとしたイメージもとに、製品化するような、
まだ「検討」することが残っている。
「検証しながらすすめる」ことは苦手とされている場合が多いです。

なので、
「図面」や「試作品」など目に見て「ばっちり」イメージできる状態がないとご相談に乗れないといわれるところが多いです。
(今は、開発機能やモノづくり相談に積極的に携わるような工場様も増えています。そういう製造先さんは、ふんわりした状態でもOKです。)

コストの折り合いがつきにくいと感じた

商品開発をするには、コストがかかります。
いまは、100均など大量生産品がとても安く、そして以前にくらべて精度のいいものが手に入るので、どうしてもそのコスト感で製品化できるとおもっていらっしゃるご相談者さんが多いです。

なので、ご相談者さんが言われた内容を
実際に商品化しようとするとかかる
金型費や材料費などをお知らせすると
「えええ!!! そんなに…かかるんですか…」となることが多く、
プロジェクトとしてとん挫してしまう。ことが多くあります。

製造先さんから見積を無料でいただけるといっても、
製造先が見積もりをするためには、
多くの時間と労力、検討が必要となります。
けっこう大変なんですよ…製造の見積って…。

なので、モノづくりへの理解が薄いな。と思われると、
見積をするのにかかる時間と労力を考えて、見積をお断りしよう。となり
なんとなく製造先さんの反応が悪くなる。という場合が多いのです。

ビジネスとしての実現性化が難しい

つくるだけ…ではなく、やはりお手伝いしたものが商品化されてほしいもの。ただ、ビジネスとなるには様々なハードルがあります。
製造先さんは、たくさんの「製造」にかかわっていらっしゃいます。そんな経験から、ビジネスとして実現化できる。いろんな課題を一緒にクリアできるだけの ピン! とくる印象が薄い場合は、反応が薄くなるようです。

製造業者さんとの打合せに行く前にこれがあると話をきいてくれやすい

図面やイメージを共有できるものをつくってみる

どんな状態でもいいので、身振り手振りや言葉や文字だけではなく、カタチとしてイメージできる状態にして製造先さんが「見える」状態にします。
ここは、絵の上手下手は関係ありません。
必要なのは、
①サイズ (絵や図面があればわかりやすいです)
②機能
③材質
 似たイメージがあれば、それらの資料

ダンボールなどの紙や粘土などで「こんな感じで」と作ってこられる方もいらっしゃいます。手作りでもいいので、モノがあると、とてもイメージがしやすいです。

企画書をまとめる

「なぜ、この商品をつくりたいと思ったのか」「どんな人に、どんなふうに使ってほしいのか」「最終、何個ぐらいつくってどうやって販売したいのか」などの、何のために、何がしたいのか! がはっきりしていると、この方法じゃなくて、こんな方法もありますよ。などの提案をしやすくなると言われます。
いわゆる「事業計画書」というものです。
数によって、製造方法によって、素材によって「適切な製造先」というものがあります。自社の範囲じゃないな?と思った時に、じゃあこういうところはどうですか?と言っていただけるのは、このあたりの目的がはっきりしている場合です。

よくわらからない…というときはご相談ください

もし、こんなものがつくりたいけれど、
材料のことはよくわからない。
イメージをつくることができない。
というときは、文字や言語からイメージをつくりだす「デザイナー」に仕事を依頼をし、具体的なスケッチやイメージ、今なら3DCADデータの作成を依頼しましょう。

実際、私のところにご相談に来られる方でも、
「まだまだ漠然としているのですが…。」とか
「工場との間に入ってほしい。」というご相談が多くあります。


特に、ものづくりが初めて…という方には、モノづくりプロセスのことやどうすすめたらいいのかなど、ご相談をうけます。
3DCADデータがあれば、まだモノができていなくてもリアルなイメージが確認できたり、試作が3Dプリンターでできたりといろいろなメリットもあります。

たくさん安くつくるには、イニシャル費用が必要

1個の試作をするのは、3DCADデータがあれば数万円から数十万円でできるようになりました。(それでも高いですが…)
でも、量産化段階では、製品単価を下げるために同じものを大量につくれる「型(金型)」というものをつくり、安く作る方法を検討します。
「たくさん」といっても、数十個がたくさんという人も、数百個、数千個、数万個といろいろな「たくさん」があります。その量によって作り方が大きくかわります。
数十個以上(50個以上ぐらいでしょうか…)になると、「型」というものをつかって安くする方法を考えます。ただ、部品点数や材料、製造方法によると型をつくるだけで、数十万から数百万かかってくることが普通です。これは、イニシャル費用といわれて、これとは別に1個つくるのに数円~数百円と製品代が必要となります。
製造方法によって、かなりイニシャル費用もかわりますので、このあたりの「予算だて」もモノづくりの相談をされるときには必要です。

ものづくりはとても楽しいです。

アイデアが実際に目に見える形になり、使った人が喜んでくれると、ワクワクしますし、人知れず小躍りしたくなるぐらい嬉しいものです。
楽しくものづくりするためにも、モノづくりのプロセスも楽しむためにも、ものづくり未経験者さんは、同じ想いをもって伴走してくれるいいパートナーさがしに時間をかけてください。


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