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アレルギーに関わる肥満細胞が自らアレルギーの発症を抑える仕組み

この記事が目に留まったのでご紹介。

アレルギーは原因物質が体内に入ると抗体が作られ、肥満細胞がこれらと結合すると炎症反応を誘導するヒスタミンなどの化学物質が放出されてアレルギー症状が出ます。有名なところでは、花粉症などがよく知られています。
ご存じかもしれませんが、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬は、
基本的には対症療法の域を出ていないため、根本的な治療は現状困難です。

そんな背景がある中で、今回のこの発見は肥満細胞自身にアレルギー反応を抑制するメカニズムが存在することを示唆しています。

今回の発見のアレルギー反応抑制メカニズムは、
以下の流れで起こっているようです。
1)アレルギー反応が始まる
2)リン脂質のフォスファチジルセリン(PS)が肥満細胞上に出る
3)肥満細胞上のCD300aタンパク質とPSが結合する
4)アレルギー物質の放出が抑制される

なので、肥満細胞上に発現しているCD300aからのアレルギーを抑制するシグナルを増強するような薬剤を開発に繋がることが期待され、新しい治療メカニズムによる根本的な治療(肥満細胞からアレルギー物質の放出を止める!)が可能になるかもしれません。乞うご期待!!

実はこの記事に反応したのには、理由があるんです。

共通点はフォスファチジルセリン(PS)

大学院生のころにマクロファージや樹状細胞による死細胞の貪食に伴う応答というのを研究テーマにしていました。
その研究においては、アポトーシスと呼ばれるある意味自然な流れ(生理的な細胞死)で死んだ細胞を用いていました。アポトーシスにより細胞死が始まるとフォスファチジルセリン(PS)と呼ばれるリン脂質が細胞表面に露出することがよく知られています。
アポトーシスで死んだ細胞を貪食(食べること)しても、それに対して免疫学的な反応が抑制されるメカニズムがあり、それを研究していました。
もしこのメカニズムが破綻すると、自分が自分の細胞を攻撃し始める(自己免疫疾患)ことになり、かなり大変なことになります。新陳代謝をして臓器や血中の細胞などは新しい細胞に定期的に入れ替わっていきますが、その過程で死んだ細胞に対して反応が起こらないようになっているんです。

今回の研究成果のポイントとしては、3つあるとされています。
1)死細胞で特徴的に見られるPSの細胞表面への露出が、
  生きた肥満細胞でも観察されたこと
2)そのPSが肥満細胞自身の活性化抑制とアレルギー症状の緩和すること
3)新しい発想の革新的なアレルギー治療法の開発が期待されること

詳細を見たい方は筑波大学のプレスリリースのリンクを貼っておきます。
http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/190530shibuya-1.pdf


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