メルクファミリーボードメンバー

創業一族の結束で創業350年のメルク

メルクといえば、世界に名だたるメガファーマー。
歴史があるとは知っていましたが、
まさか創業350年も経っているとは。。。。
しかも、株式の70%をいまだに創業家一族が保有するとは!https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38805030R11C18A2X13000/
まずは、冒頭の記事の引用から。。。

化学・製薬大手の独メルクグループは今年、350周年を迎えた。上場企業ながら、約70%の株式は創業者の子孫たちに受け継がれている。長い年月を経て世界企業となり、2017年12月期の売上高は前年度比2%増の153億ユーロ(約1兆9600億円)に上る。長寿の秘訣は何か。創業家代表のヨハネス・バイユー氏の話からは4つの秘訣が浮かび上がる。

そう、350年間も企業として存続できてきたことには4つの秘訣がある。

【秘訣1】創業家が理念に基づき長期的に企業価値を上げる
【秘訣2】一族が分裂することなく結束を高める努力をする
【秘訣3】ファミリー企業の組織、意思決定、責任が明確で透明性が高い
【秘訣4】ファミリー企業と執行役員会が対立しないよう情報交換が緊密

各秘訣の内容は後ほど説明するとして、
こうした長寿企業というは本当に正直に言ってすごいとしか言えない。
なぜなら、そこには一貫した筋が通っていて、
そこに照らして全ての選択肢が検討されるからブレない。

ただ、金儲けって企業が長生きしないのは納得です。

ここに最大の秘訣があるように思います。
自分がそうした組織をとても羨ましく思うのは、
筋が通っているということがどれだけ現場にとっても大切か、
ということが痛いほどわかっているからです。

理念なき行動には、素晴らしい結果は伴わない。。。
そう近頃思うことが多いです。
自分の進める黒坂図書館でもこの理念の部分はとても大切にしています。

さて、長くなりましたが、メルク一族が大切にしている秘訣について。

【秘訣1】創業家が理念に基づき長期的に企業価値を上げる
理念のもとに一族が結束し、その理念を軸に判断する。

1668年にフリードリヒ・ヤコブ・メルク氏が町の小さな薬局の経営権を取得したのがメルクの発祥だ。本体とは別にファミリー企業のE・メルク・KGを設立し、経営を監督する役割を担っている。

現在メルク一族は275人いるものの彼らの結束は固く、
しっかりとした理念が根付いている。

『科学で人々の生活をよりよくする』

【秘訣2】一族が分裂することなく結束を高める努力をする
毎年一族が集まり意見交換をしたり、研修プログラムまである。

「毎年1回、一族の株主全員が集まる総会を開いている。株式の管理や一族の結束を高めるための組織も別にある」「一族が所有する株は一族の間でしか売買できない。または、親から子へ引き継ぐ。さらに、株を持ってから20年間は売却できないルールがある。家族組織がうまく機能するために、一番重要なことは結束を高めることだ。新たに加わる一族の株主向けには『メルク大学』と呼ぶメルクの経営に関する研修プログラムを実施している」

【秘訣3】ファミリー企業の組織、意思決定、責任が明確で透明性が高い
一族は経営自体には直接タッチせず、執行役員会を監視・監督する。

「企業の業務執行を監督する機能のうち、執行役員の選解任、役員報酬の決定、1億ユーロ以上の大型の投資案件に対する承認などをファミリー企業が担う仕組みにした。一族が7割の株を持ち続けることで短期的な利益追求に陥ることなく、長期的な企業価値の向上を目指せる」

【秘訣4】ファミリー企業と執行役員会が対立しないよう情報交換が緊密
十分なコミュニケーションを取り、情報を共有する

「メルクの執行役員会とは、過去に意見の相違を説得するのに時間と労力をかけた事案もある。緊密な意思疎通が大切だ。ファミリー企業の委員会はメルク本社内にあり、執行役員会からは十分な情報を得ている。子会社や工場など世界中の事業所を執行役員と共に回り、会社と社員の状況の把握に努めている」

色々なものごとを執行役員会とオープンにしてコミュニケーションすることをしっかりとやっているということ。仕組みの透明性と密な対話。
言えば簡単なことを愚直に350年間守り続け、実行し続けることが長寿企業となるための礎なのだなぁと思います。

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