見出し画像

俳人とAI・後編 〜俳句で生成AIを活用した感想〜

俳句にご興味のあるnoteのみなさまに俳句の様々なことについてご紹介していく記事です

2024年2月23日現在の記事です


俳人とAI・後編
〜俳句で生成AIを活用した感想〜

はじめに

前回は、俳句での生成AI利用についてわかる範囲内で短く記しました。

今回は、軽い検証をしながら実際の作品、文章、利用結果などをまとめてみました。

ご興味がありましたらご覧になってみてください。



1、生成AIの作品と特徴

今回は、AIの俳句のつくり方について検証する目的で生成してもらいました。

下記は、AIが生成した俳句作品です。 
各アプリなどから引用させて頂きました。


雪嶺や 白いページに 詩が紡がれ

俳句:GPT-3.5
2024.2.23 ChatGPTアプリより引用

【感想】
雪嶺とおそらくそれを眺めながら詩をかく人。とても美しい取り合わせの句だと思いました。

ただ575の型にきっちりおさめることは避けているかのようでした。


夕暮れ時 水面に映る 白鳥よ

 俳句:Copilot
2024.2.23 Microsoft Copilotアプリより引用

【感想】
写生の句です。夕暮れ時だからこそ影が濃く水面に映るといった発見と趣きを感じました。

575の型にきっちりおさまる句とおさまらない句の両方をつくる傾向があるようでした。 


オリオンの ベルトに並ぶ 三つの星

俳句:Gemini
2024.2.23 Google Geminiより引用

【感想】
はっと気づかされる句です。その星々だけでなく、右手をかかげて立つオリオンの姿も想像できました。

こちらも575の型にきっちりおさまる句とおさまらない句の両方をつくる傾向があるようでした。


◇検証結果
冬の句をつくってもらいました。
現状ではそのつくり方は多作多捨方式だと思いました。

たくさん生成された句の中から選句をする方法をとってまとめました。

指示の出し方によって、つくり方もつくる作品も大きく変わることを感じました。


2、生成AIを活用した自作作品

下記は、生成AIの意見を参考にして、自分なりに推敲・完成させた作品です。


いるところどころへいわよ春の鳩

求めた意見:句意が通じるか

生成AIに作品を鑑賞をしてもらい、その内容に納得ができたので自分で完成と決めました。


雪とけて日がふりそそぐ海になれ

求めた意見:助詞の使いかた

自分は「日の」、生成AIは「日が」で意見が割れました。検討の結果「日が」に決めました。


春告げ鳥しみじみ耳にとどいたぞ

求めた意見:季語を置く位置

「春告げ鳥」を上5に置いた句、下5に置いた句を比較してもらい、検討の結果この句に決めました。


生老病死やがてまた生しゃぼん玉

求めた意見:語の比較検討

「やがて」か「そして」かで迷った結果、生成AIによる2つの句の比較を参考にして決めました。


畑を打つひとのすがたも郷土史よ

求めた意見:語の比較検討

「郷土史」か「日本史」かで迷ったため2つの句を比較してもらい、検討の結果この句に決めました。


「俳句づくりのサポート」の検証のために多くの作品について生成AIに意見を求めました。

結果、自分とは正反対の意見も多く、自分自身の俳句の読みの傾向や修正点などがわかり、参考になりました。


3、生成AIの俳句鑑賞

今回は、その精度や特徴について検証する目的で鑑賞してもらいました。

下記は、AIによる一文鑑賞です。
各アプリなどから引用させて頂きました。


写生紙をはみ出してこそ富士は夏  草笛

【一文鑑賞】
制約を抜け出し、自由に広がる勇気が富士の夏を形作る。画家の情熱が紙から溢れ、自然と調和する瞬間。夏の輝きと芸術の調和が、限界を超えた美を奏でている。

                    鑑賞文:GPT-3.5
2024.2.23 ChatGPTアプリより引用


来る河のながれは絶えず鮎がとぶ  草笛

【一文鑑賞】
夏の川の流れと鮎の跳ねる姿を対比させて、自然の活気や美しさを描いています。また、方丈記の文を引用して、人生の無常や仏教の教えとの対話を試みています。

            鑑賞文:Copilot
2024.2.23 Microsoft Copilotアプリより引用


これ以上踏み入らず山ほととぎす  草笛

【一文鑑賞】
「これ以上踏み入らず」で静寂を表現し、「山ほととぎす」でその静寂を深める。山奥の美しさを感じさせる作品。

          鑑賞文:Gemini
2024.2.23 Google Geminiより引用


◇検証結果
夏の俳句を鑑賞してもらいました。
結果として句意を正確に読みとっていることがわかりました。

各生成AIの文章もそれぞれ特徴があり、個性的なところもおもしろいと思いました。


4、指示文の例

生成AIに出す指示文の例です。
短文で便利な使い方ができると思われるものを3つ集めました。


◇指示文の例

・この俳句のテーマを一言で表してください

・◯◯作のこの俳句の討論点を3つあげてください

・( 季語等 )の情報と写真を集めてください


俳句を学ぶため、つくるためなどに活用できそうです。


5、生成AIの俳句画像

画像を生成してくれるAIアプリもあるようで、今回はそれもご紹介させていただきます。

下記は、AIによる俳句画像です。
アプリより引用させていただきました。

【原句】
さまざまのあかをつくして紅葉山  草笛

            俳句画像:Copilot
2024.2.23 Microsoft Copilotアプリより引用


5、まとめ

今回は、軽い検証をしながら、生成AIの俳句作品や文章、利用結果などをみてきました。

下記の生成AIアプリなどを利用し、そこから作品等を引用させいただきました。

ChatGPTアプリ      OpenAI社
Microsoft Copilotアプリ  Microsoft社
Google Gemini        Google社

ここまでご覧いただきありがとうございました。


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


*個人的に調べた範囲内で短くまとめてみました

*至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*生成AIの利用はルールやマナーを守って行う必要があります

*生成AIは、現状では誤った判断・情報やつたない回答をすることも多いようです

*記事に記した生成AIへの指示文はあくまで1例です。期待した結果が得られにくい場合があります

*俳句でのAI利用については個人・団体によって様々な考え方や見解があります


◇ 関連記事 ◇

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?