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「変わってますね…」と言われる私の本の「使い方」

よく聞かれる質問で、答えに窮する質問が「愛読書は何ですか?」です。

しかし、私には巷で言われるような「愛読書」(いつでも手に取れる場所に置いておき、何度も読み返す本)がありません。「愛読書の一つもなくて、よく社長なんかやってるなぁ!」という批判も聞こえてきそうです。

「過去読んだ本で、大いに学びになった本は何か?」と聞かれれば、(創業者・松下幸之助の著作を除き)とある研修で推奨されたヤマト運輸創業者・小倉昌男さんの『経営学』(日経BP)、マイケル・A・ロベルト教授の『決断の本質』(英治出版)、あるいは、いつも私にありがたい諫言(かんげん)をしてくれる社員の一人に勧められた呉兢(ごきょう)の『貞観政要』(筑摩書房)を挙げます。

私は本質的には本を読むのが苦手です。
特に縦書き・右開きの本は、どうしても読書に集中できないのです。横書き・左開きで、図式が入っていて理解できる範囲の本ならあまり苦痛にもならないのですが(苦笑)。

しかも、読破できたとしても、目から鱗なことは記憶に残りますが、そうでないと結構大事なことが書いてあっても記憶が薄れてしまいます。

しかし、数年前にAmazonのKindleを使うようになってからは、本の読み方……というか「使い方」がまったく変わりました。良さそうな本や勧められた本があれば、Kindleで購入します(たまにKindleで扱ってない本は紙の書籍を購入しますが)。そして、まず目次を見た上で、ざっと飛ばし読みをして、どこに何が書いてあるかを記憶しておきます。

不思議とこういう情報は記憶に残るのですよね。そして、必要な時にその部分にアクセスして改めてきちんと読むわけです(ちなみに私は、Kindle端末ではなく、Kindleアプリを使いスマホで読むことがほとんどです)。

こういう習慣になってから、様々な場面で「本を使う」ことができるようになりました。ブログを書くときや、周囲の方にアドバイスをするときに私の意見を述べるだけではなく、素晴らしい先人の名言や、本に書かれた事例を引用することもできます。

また、ビジネスを進める上で課題に遭遇した際には、仲間と議論をして解決に向けた仮説を立てるのですが、事業は違えど同じような場面のケースで過去の偉大な経営者がどんな判断をしたのかを参考にしながら検証することもできます。

様々な意思決定をしなければならない局面における情報インプットという観点から言えば、必要な時に信頼性の高い情報を必要十分に獲得して判断することが理想です。無論、ネット上の信頼できるサイトからの情報収集や、知見のある方に教えを乞いに行くことも有効ですが、上述のような「本の使い方」が大いに役立っています。

ここで大事なことは、そのときの自分にとって必要な情報と必要でない情報をふるいにかけるためには、なんらかの仮説を持っておくということです。自分で、あるいは仲間と喧々諤々に議論した上で考えた仮説をもち、その仮説に対して肯定的な情報も否定的な情報も知った上で判断する。

「本を読む」のではなく「本を使う」。これが私の判断の確度を高めるひとつの方法として役立っているのではないかと感じています。
参考になれば幸いです。


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