【アパレル人の本心⑨】高齢者のファッション

今日の九州は豪雨。実家の長崎で降り続く雨はまさにバケツをひっくり返したような状況です。佐世保市では観測史上最大の雨を記録しました。恐ろしい。いやはやなんとも梅雨はイヤです。

さて、今回は年を重ねていくとお洒落からはどんどん興味が離れていくというお話。

40代、50代になると若い時にかがやいていた肌も髪も衰えて体型までもが大きく変わっている人は決して少なくないと思います。経済的にも子供が大学に進学しようものならば、その負担は大きく、ファッションにかけるお金も限られくるのではないでしょうか。

そんな状況が続くと洋服対するこだわりなどの消えてしまい、よほどのファッションオタクで無い限り着ていて楽で奇をてらわないものをいつでもどこでも着るということになります。

果たしてバブル期にブランド信仰であった世代が、60代以降のいわゆる定年世代になった時に、高齢者となった団塊の世代のファッションと同じようなカラーパレットとコンフォートウエア中心の装いになっていくのでしょうか。私のイメージでは、日本人の高齢者は、とにかく目立ちたくないと茶系の洋服を着て街を歩く姿がすぐに浮かびます。お洒落を楽しんでいる印象はそれほど強くありません。

欧米では、ドレスコードを大事にする文化があり、ファミリーで食事に行く際も割ときちんとドレスライクなものを着て出かけます。また、靴や洋服も機能性だけで選ばず自分自身が輝いて見えるものを選ぶことが上手です。また若い時よりも強い色が似合うようになることをよく知っています。センスがあるというよりまわりの環境がそうさせるのかもしれません。

やはり、年齢を重ねれば重ねるほど、遊び心を忘れず楽しむことができるようになると日常生活が華やかでワクワクしたものになるでしょう。そのためには、ファッションが自分自身の生活のアクセントとなるよう知識と挑戦を繰り返す習慣が必要だと思います。習慣になっていないと体や頭を動かすこと自体わずらわしくなる年齢になった時にその場しのぎのスタイルになってしまいます。

遊びこそ真剣にやることがその楽しさを味合うことにつながるのではないでしょうか。面倒くさがらず自分自身の身だしなみを磨くことは、生活の醍醐味になるかもしれません。高齢者だからこそ食以外に装う面白さを実感してほしいし、その手伝いができる自分でいたいと思っています。

コロナ禍でファッションなんて単なる嗜好品にすぎないし不要だとと感じた人が多いのは事実だと思いますが、その力はあなどれないものであることを再認識する機会でもあったように感じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?