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映画祭「移民とわたしたち」

 日本政府は公式に移民の受け入れに舵を切ったわけではない。しかし、実際には労働力不足を補う形で外国人が流入し続けており、事実上の移民国家化が進んでいる。これはもともと強制的に日本に連れてこられたりした朝鮮・韓国人たちがいるうえにである。
 主に1980年代から外国人労働者が流入し、日本に残る者たちが続出した。2022年末、400万人を超える外国人がいる。
 そして今、名古屋出入国管理局に収容されたウィシュマさんの死亡事件をきっかけに入管法反対のデモや集会が開かれるなか、国会で改正入管法が成立、外国人労働者受け入れ拡大の決定もなされた。
 移民問題が再びクローズアップされている今、まさにタイムリーな映画祭が現役日大藝術学部生の主催によって開かれる。2023年12月2日(土)から8日(金)にユーロスペース(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F)で開かれる特集上映「移民とわたしたち」である。


 「移民」たちにはどのような苦悩や苦痛があるのか。この映画祭では、日本における移民を扱った作品とともに、日本人が移民として外国へ渡った作品、移民先進国の海外の監督が移民や難民を描いた作品も上映される。
 「在日外国人」に言及するうえで避けては通れない在日コリアンについて、崔洋一監督の「月はどっちに出ている」と在日コリアン2世であるヤンヨンヒ監督の「かぞくのくに」を紹介する。
 松山善三監督の「山河あり」と石井裕也監督の「バンクーバーの朝日」では、日本人移民の外国での生き方を見ることが出来る。
 木村荘十二監督の「からゆきさん」や藤元明緒監督の「海辺の彼女たち」は、女性移民の苦しい境遇を捉えている。
 アキ・カウリスマキ監督の「ル・アーヴルの靴みがき」では、移民問題とともにカウリスマキ特有のヒューマニズムにも触れることが出来る。
 その他の上映作品は「女衒」(今村昌平監督)、「スワロウテイル」(岩井俊二監督)、「イゴールの約束」(ジャン=ピエール&デュック=ダルデンヌ監督)、「サウダーデ」(富田克也監督)、「海は燃えている」(ジャンフランコ・ロージ監督)、「東京クルド」(日向史有監督)、「レ・ミゼラブル」(ラジ・リ監督)。
 前売り券:1回券1000円、3回券2400円。ともに一般、学生ともに。当日券:1回券一般1400円、学生・会員・シニア1100円:3回券3000円。各回入れ替え制、全席指定。
 連絡先は03-3481-0211。ホームページは www.eurospace.co.jp

 

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