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【咄嗟の判断を邪魔する刑法】

『、、、』

あのう、、、

『、、、自分の話なんか聞いて、、、聴いて?
どっちですか?
今、アナタはどっちで、自分の話を受け取ってますか?』

えーと、どちらでしょうね?

『、、、どっちか、決めてもらえますか?
自分、不器用なんで、それによって答えるコトが変わりますし、答え方とか、そういうモノも変わります』

それは、器用、と言えますね?

『いや、、、
アナタの器用は、そうやって変えられるコト、なんですか?
自分の器用は、相手のスタンスとか、感覚とか、コトバにしなくても分かるヒトのコトです、、、
いや、ヒト、じゃないな。そういうコト、だな』

、、、大変そうですね、お仕事。

『大変?
そうですね。自分みたいな人間を雇ってくれてる社長に感謝しか、ないですね。感謝?
感謝しかない、でもないな、、、
尊敬、も、かな』

感謝と尊敬、ですか?

『コバヤシ社長に会ったのは、裁判が始まる前で。暴行罪で捕まる前、というのが正確ですね。
傷害罪のはずなんですけどね、自分。
相手は怪我をしていたし、それは自分が拳を相手の口にグイッと突っ込んだからだし』

暴行と傷害は罪が違う?

『自分も、実際に捕まって、弁護士さんに教えてもらうまで知らなかったんですけど。
怪我をさせたら、傷害。怪我がなければ、暴行罪。簡単に言えば、そうなります』

知りませんでした。

『そうですよね。知らない方がイイんですよ。
だって、それを知ってるというコトは、それに関係してた、ってコトになりますから。
司法関係者じゃなければ、知らない方が健全なんです。健全?
うーん、自分たちの安全や生活を護ってくれてる刑法を知らないのが、健全なのか、、、
それは健全ではなくて、、、何ですかね?
どう思います?』

あまり健全ではない安全ですかね?

『そうですよね。確かに。
健全ではない安全。今後、使います。ありがとうございます』

いえ、こちらこそ。

『自分は相手に怪我をさせたし、だから、傷害罪のはずなんですよ。いまだに納得できてません。裁判でも、それを強く主張しましたが、聞き入れてもらえなかった。聞いてなかった、うーん、裁判官が聞き入れる気がなかった、が適切かも知れません。あの裁判官の心の内は、自分には分かりかねますので、あくまで可能性です』

それは、須神さんにとって、罪の重いほうを主張されたコトになりますね?

『そうなりますね。でも、刑法はそう定められてますし、繰り返しになりますが、自分は相手に、理由はどうあれ、怪我をさせました。
だったら、それは刑法に則って、自分たちを裁くのが道理です。
そうでなければ、怖くて、次、同じ状況になった時に、判断できない』

何の判断ですか?

『怪我をさせてまで、相手に分かってもらうか、それとも、怪我をさせないで分かってもらうか。
難しい、、、』

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