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エッセイ

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2019年11月の記事一覧

娘の誕生日が知りたいだけ

刑事で単身赴任中の父親は、娘の誕生日がいつだったのか忘れていた。妻に聞くと、笑ってごまかされてしまう。思春期真っ盛りの娘に聞くわけもいかない。父親はこっそり刑事っぽく、誕生日とついでに欲しそうなものを探ろうとするのだが…。娘に、彼氏の存在が浮上する!
#100文字ドラマ

夜逃げアパート

夜逃げアパート

小さなボロアパートの大家は、困っていた。ある住人が断り無しに夜逃げしてしまったのだ。さらに他の住人も企てているらしい。住人同士が口裏合わせたわけでなく、夜逃げしたい動機も各人の事情によるもの。大家はどうにか引き止める努力をするのだが、……最中、裏で手を引いている何者かの存在に気付いてしまう。
#100文字ドラマ

事件が絶えない喫茶店

事件が絶えない喫茶店

その喫茶店は、事件が毎日絶えない。時限爆弾が設置されていたり、ポルターガイストが突然起こったり、通勤列車並に店内がお客ですし詰め状態になったり。けれども大丈夫。サラリーマンから霊能力者まで、ここに来るお客さんは、各業界のプロたちなのです。今日もお店は平和です。

ラヂオ体操バディ第一

ラヂオ体操バディ第一

マンネリとしたラジオ体操に、国民たちは飽きてきてしまった!受信料の危機を察したお偉い方は、新しいラジオ体操を高額で外部委託するが、下請けが続き、最終的に「なんでも屋」の二人組が作る流れに。個性があり過ぎる日々の依頼から、インスピレーションを得ようとする彼らは、果たして国民が悦ぶようなラヂオ体操を作れるのか?

念仏処方箋

念仏処方箋

ビックバン以前の時間を、考えてしまって。
脳で理解できない、天地が抜けた、あの空虚な感覚。
大人になった今では、幽霊よりも潜在的に怖い。

「水滴が、大海のすべてを知ることはできない」
念仏のように唱えてしまう。
もがき苦しんだ当時に獲得した、処方箋。

「水滴が、大海のすべてを知ることはできない」
念仏のように唱えてしまう。
きっと理解できるのは、水と大海に共通する性質だとか法則、抽象の程度

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いまはそんな感じ

いまはそんな感じ

冬気と夜空が、星々を静謐にしていた。
風呂上がりに、それを眺めたくなった。

……、

……。

地球に居るから、あの星座だと、見えるのだと。
過去から受け継がれた、ミームである。
その認識は、確か、なのである。

他の星に居れば、違った星座に、見えるのだと。
きっと地球からの認識とは、違うのだろう。
ただそれも、確か、なのだと思う。

ただ、似た位置で、似た方向を見ていれば。
同じような星座を、

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やり始めは、周りの有り物で

良い道具がないから、やれない。
というわけではない。

やり始めは、周りの有り物で、やれる。
不完全でも、色々とやれる。
ただし、工夫はしなければいけない。

ギターならば、中古の安いギターでも。
イラストならば、鉛筆と紙でも。
写真ならば、手持ちのスマホでも。

出始めに、頭なんていらない。
だけれど、工夫に疑問を抱いた頃合いにこそ、頭を使う。

ここから、良い道具を使うべきか。
それとも、さら

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