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発達凸凹がある子も納得!喧嘩を治める「喧嘩両成敗」の方法とは?

筆者の住んでいる地域は、昨日から一気に寒くなってきました。

ようやく本来の寒さの冬が到来してきたといった感じ。

外側の寒さに負けないように、内側である心の方を熱く燃やしていきましょー!


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


学校という集団生活を送る上で避けては通れないもの。

それは、喧嘩です。

かつては、

「喧嘩するほど仲がいい」

という言葉にあるように、喧嘩をすることはそこまで気にすることではなく、むしろ様々な喧嘩を経験すればするほど、人間として強く育っていくという風潮がありました。

しかし、時代は一変。

今では、如何に、相手との調和を保つのかという点に関する能力が発達しておきており、そもそも喧嘩自体があまり起こらないようになってきている傾向があります。

もしくは、喧嘩をした後に、怒りを残して終わるといったことも・・・

だからこそ、喧嘩の仲裁に入る教師は、上手に導く必要があります。

この記事では、喧嘩の仲裁の方法だけではなく、発達凸凹の子どもに対する喧嘩の仲裁方法もお伝えすることができればと思います。

是非、ゆっくりしていってくださいね。


キーワードは「共感」

共感の時代と言われる令和。

「相手の感情を理解すること」が、子ども同士であったとしても、とても重要な意味をもつようになっています。

かつてのやんちゃな男の子のような、手を出し合うような喧嘩をとことんやって、お互いに理解し合うという時代ではもはやない。

だからこそ、教師が仲裁に入るときは、相手に共感する姿勢が大切になります。

「何があったの?」
「どのような気持ちになった?」
「それはそう思うよね。つらかったよね。」

とお互いの気持ちを解消した上で、自身が悪かったところなどを素直に認め合えば、お互いに遺恨を残さずにその場を収めることができる。

多くの場合はこのような形でよいかもしれない。

しかし、発達凸凹を抱える子どもの場合は様々な配慮を要します。


発達凸凹の喧嘩の仲裁

以前、荒れていると言われていた学年を受け持った時のこと。

4月当初から喧嘩のオンパレードだったことを覚えています。

休み時間に子どもたちだけで遊びに行くと、必ずや喧嘩やもめごとを起こして帰って来る。

しかも、休み時間一杯まで使ってから教師のところに相談に来るので、授業時間が削れる。

といった状況が毎日のようにあり、

「どうしたものか・・・」

と思っていたことを覚えています。

そんな中で喧嘩をさばいていかなければならないため、自然と喧嘩を仲裁するスキルが上がっていきました。

発達凸凹の子どもたちにNGな喧嘩仲裁例は、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆話が長い
◆内容が記憶に残らない
◆責められるとヒートアップする

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

といったことが挙げられます。

発達凸凹がある中で、数々の教師や友達に注意・叱責を繰り返されているので、

「何で?オレ/ワタシばかり責めるの?」

となるのです。

そうやってヒートアップしてしまえば、余計に指導が入っていかなくなります。

とは言っても、子どもたちだけに任せると、話がこんがらがってしまい、ますます遺恨を残す場合が発生する。

当時受け持った学年の発達凸凹の子どもたちは、語彙が少なく、状況を整理して話すということが得意ではなかったためです。

そこで筆者が行っていたのは「喧嘩両成敗」という方法です。


喧嘩両成敗

筆者がよく行っていた喧嘩両成敗の方法は以下です。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶喧嘩を止めて褒める
❷教師が間に入って言い分を聞く
❸点数を言わせる
❹謝る基準を示す

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

例を挙げて説明していきますね。

例えば、

鬼ごっこで、入ってはいけないエリアまで逃げてしまい、鬼が「お前はズルだ。わざとやったから卑怯なやつだ。」と言ったことで喧嘩になってしまった場合。


❶喧嘩を止めて褒める

これは、実際に手を出し合っているような状況。

学校であれば、子どもの安全を守るという仕事の観点がある以上、身体を傷つける行為には、多少強引なやり方になっても介入しなければなりません。

よって、二人の間に入って、

「ストップ、ストップ!!・・・よく止めた!」

と褒める。

まず、ここでこちらが双方を否定するつもりで介入したわけではないことを認知させます。


❷教師が間に入って言い分を聞く

ここからは、物理的にも2人の間に教師が身体を入れて、双方の言い分を聞いていきます。

その際の約束。それは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆相手の説明に口を挟まない
◆小さな声で話す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ということです。

こんな具合に・・・

じゃあこれから2人の話を聞きます。ただ、約束してほしいことがある。
それは、相手の話に口を挟まないこと。
先生は両方の意見をしっかり聞くから、自分の番がくるまでは口を閉じていること。約束できるかい?
そして、先生と同じぐらいの小さな声で話すこと。先生に怒っているわけじゃないでしょ?

と言いながら、「非を認めにくい子から」話を聞いていきます。

最初は、

「だってあいつが~!」

声を発した瞬間、

「ストップ!先生、どれぐらいの声の大きさって言ったっけ?」

と確認。

「あ、そっか。」

と静かなトーンで子どもも話すようになります。

そして、話を聞いている際中に、口を挟まずに相手の話を聞いている子どもに向かって、

「口を挟まずに相手の話を聞いているね。よく約束が守れているね。」

と褒める。

すると、

「口を挟まずに話を聞く=褒められる」というモデルを見ることになります。

そして1人が終わったら、もう1人の「非を認めやすい子ども」にバトンタッチ。

なぜこの順番なのかといえば、非を認めやすい子どもの方がヒートアップしにくく、静かに話を聞くというモデルになりやすいから。

このような手順で話を聞き終わると、大分クールダウンした空気になります。


❸点数を言わせる

ここからは、自分の行動を振り返ってもらいますが、ともすれば、発達凸凹の子どもは、「0か100か思考」で、相手が全て悪いという白黒つける結論になってしまいがち。

その思考を崩すのが点数制度です。

じゃあ、自分のしたことに点数をつけていってもらいます。
自分も半分ぐらい悪かったなという場合は、50点。
これはさすがにないと思うけど、自分は完全に悪くない。たったの1%も悪くないというのだったら0点。といった感じにです。
全部自分が悪いと思うんだったら100点。
あなたは何点ぐらい悪かったな~と思いますか?

といった感じ。

そして、必ず「非を認めやすい子どもから」聞いていきます。

さっきとは逆です。

すると、

「ぼくは、40点ぐらいは悪かったなと思っています。」

などと言います。

そうしたらすかさず、

「40点も悪いと思ってるんだね!よくそこまで反省したね!」

と褒める。

このようにして、

「反省していること=褒められる」というモデルを見せるのです。

その上で、

「40点分はどこが悪いと思った?」と自分が悪かったと思う部分を聞き、

「きちんと自分のことを振り返れたね」と褒め、

そして「非を認めにくい子」の話を聞くのです。

そうなると、

「あいつも悪いと思っているんだな」

と思ってだいぶ落ち着いていますし、

「相手が全部悪い」

とは言いづらい感じになる。

そこで

「30点」

と言えば、「30点も悪いと思っているんだね!」と声を掛けることができます。

ここまでくると、双方の空気はかなり柔らかくなっているはずです。


❹謝る基準を示す

後は謝るプロセス。

ここまでの手順を踏んでいれば、大抵の場合は謝って終わることができます。

その時も基準を示す。

相手の方を向いて、真剣な顔をして、相手が「いいよ」と言うまで謝る。何回も「ごめんね」と言うかもしれないけど、きっと相手は許してくれる。

そう言って、「非を認めにくい子から」謝らせます。

すると「非を認めやすい子」はすぐに「いいよ」と言う。

そうなったらすかさず褒めます。

「すぐに許してくれたね!やさしいなぁ!」
「よく謝れたね!」

などと言って、交替をすれば、これもモデルを示していることになる。

後は双方が謝った後に、

「2人とももう怒ってないのかい?2人ともすごいね。やさしいね。こうやって相手のことを許してあげられる心を持っている子たちの担任で先生はうれしいよ。」

などと声をかけ締めくくるのです。

喧嘩をしたはずなのに、何故か、終始褒められて終わるという謎の状態になります笑


まとめ

喧嘩両成敗の方法の素晴らしいところは、回数を重ねれば重ねるほど子どもが学習していくところです。

何回も重ねていくと、自分から「俺50点だったわ」と点数を自己申告するようになります。

そうなったら、「先生が言わなくても自分で反省できた」ことを褒め、喧嘩の後に仲直りをするために折り合いを付けるスキルを得ていくのです。

ただ、「喧嘩したから相手のことを必ず許さなくてはならない」わけではありません。

相手にひどいことをされた時は、

「許したくないよね。無理に許さなくてもいいよ。」

と小声でこそっと伝えることも時には大切です。

そして、もう一方には、

「許したくないぐらい怒ってるんだって」

と伝える。

まあ、これは明らかに一方に非がある場合ですが。

そうやって

「何をやっても許される」のではなく、「時には許されないぐらい怒らせてしまうこともある」ことを学ばせることも大事。

本来は、喧嘩は子どもにとって、社会性を育むための学ぶ場です。

ただ、今は遺恨を残すとお互いの家族間を巻き込むケースになることがあるため、大人が上手に導くことが大切だとも感じています。

今後も変化していく子どもの気質に合わせて、工夫をし続けることが大事ですね。


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