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『プリンセスメゾン、日本の気配、風花』

JUNE 25, 2018 Instagram掲載

漫画103  『プリンセスメゾン(1)』池辺 葵
生きていればふと、そっと寂しくなることがあって、その時に落ち着く家があるとないとでは全然違う。高卒で居酒屋で働き続けてきた主人公がマンションを購入しようとする、そしてその周辺の人々の話。マンション販売の受付、社員の家が出てくると収入や人となりがなんとなくわかる。この人は『繕い裁つ人』の作者なのか!中谷美紀の映画素敵だった〜。一人一人の女の人の譲れないものを描く人なのかな。

24. 『日本の気配』武田砂鉄
「最近の日本はどうもおかしいよ」と喫茶店で、打ち合わせに行く前のおじさん2人が話していた。
私もそう思う。
ルール違反した人がずっと居座っているし、SNSではそこかしこで炎上してるし。
4月にでたこの本は第4刷だそう。「なんか気持ち悪い」と思っている人が一定数いるんだろう。その「なんか気持ち悪い」を流さないで、取り組んだのがこの本。実はかっこよく賢げに論じようと思っていたのだけれど、わたし、全部は理解できなかったや。ただ、なかったことにしたり、感じた違和感を無視してなかったことにするのはやめよう、と思う。わかんなくても。

25. 『風花』川上弘美 
川上弘美の本を読むと、しばらく川上弘美フィルターで現実を見られるようになる。私にとって川上弘美フィルターは現実がちょっとずれるというか、古いガラスを通して世界をみるというか不思議な感じ。ちょっと他人事になるような。今回、不思議な生き物が出てきたり、おかしなことが起こったりしなくて、まぁ普通のことが起こるんだけど、なんかリアリティが薄い。そうか、ありえないことはリアリティが必要で、普通のことは非日常感が大切なんだな。

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