【歌集】東直子『春原さんのリコーダー』(ちくま文庫)

【新刊】東直子『春原さんのリコーダー』(ちくま文庫)

 筑摩書房の「これから出る本」によると10月9日発売ですが、tweetによると11日発売です。東さんのtweetによると7日以降書店に出ているようです。
 諸説はともかく今月の新刊です。お近くの書店の流通具合を考慮して行ってみてください。電話での店頭在庫問合せも可能だと思います。

 栞文まで含めた完本収録に加えて花山周子さんの評論、川上弘美

もっとみる

『プリンセスメゾン、日本の気配、風花』

JUNE 25, 2018 Instagram掲載

漫画103  『プリンセスメゾン(1)』池辺 葵
生きていればふと、そっと寂しくなることがあって、その時に落ち着く家があるとないとでは全然違う。高卒で居酒屋で働き続けてきた主人公がマンションを購入しようとする、そしてその周辺の人々の話。マンション販売の受付、社員の家が出てくると収入や人となりがなんとなくわかる。この人は『繕い裁つ人』の作者なのか

もっとみる

川上弘美「真鶴」を読む

読む本がなくなったので本棚を漁った。最近は小説を読まないのだけど結構所有している。三島由紀夫、江戸川乱歩、安部公房、川端康成、星新一、坂口安吾・・・既に鬼籍に入っている小説家ばかりで現役の人は少ない。その中の1人が川上弘美。独特の文体に惹きつけられている。

何冊かある中で選んだのは「真鶴」。私は真鶴という土地も好きだ。何がどうということでもないのだけど何か惹き寄せられる魅力がある。この本を読んで

もっとみる

センセイの鞄

小説には2種類あると思う。
1つは、適齢期が決まっている本。
もう1つは、歳を重ねるごとに味わいが変わり、ずっと楽しめる本。
センセイの鞄は、後者だ。

この本と出会ったとき、私は中学生。
本の虫な私を気に入ってくれていた図書室の先生は、新しく入荷した本で私が好みそうなものがあると、書棚に置く前にこっそり貸してくれた。当時の私はファンタジーが大好き。趣味を心得ていた先生からの推薦はいつも楽しい冒険

もっとみる

「これでよろしくて?」ー10巻目

友人との予定の前に、パン屋と図書館に行っているチャーハン氏強い。私は結局いつもギリギリまで家で過ごしてしまう。一人で出かけるモチベーションが低い。シルエットが親指は笑う。マスカラは落ちないものを買うしかないね。

当初何も予定がなかった三連休、なんだかんだで毎日友人と会った。

初日は久しぶりに高校の友人。わたしの自宅近くの手頃で美味しい店で。友人はお盆に3年付き合っている彼氏の両親と初対面するら

もっとみる

チーズバーガーにはなれない

チーズバーガーのように、美味しくて手軽で元気をくれる、したしい味わいのものがある。
ロバート・フルガムのエッセイや、「一日一句金言日めくりカレンダー」とか、肩の凝らない、いいマンガ。シンプルに哲学やぬくもりを表現できる才能がねたましい。

ある人に
「松重豊さんのブログはいいよ」と教えられ、読んでみた。
『修行が足りませぬ』
http://matsushige.cocolog-nifty.

もっとみる

_どこから行っても遠い町(川上弘美)

_どこから行っても遠い町(川上弘美)

一度読んですぐ読み返すということはあまりしないのだけれど、読んでる途中で前の話に戻り、さらには読んだ後もう一度読んでしまった。

なんだろう。
この感情はなんだろう。

それがわからなくて、また読み返してしまったのかも。

ある商店街を舞台に、そこに住んでいる人々の話を紡いだ短編集。
商店街を中心に、物語の主人公も時系列も変わっていく。
その

もっとみる

5月に読んで面白かった本

5月に読んだ本のうち、特に面白かった本3冊の感想を書いていきます。

①川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』

連作短編。

始めはファンタジーともSFともつかないばらばらの話がいくつか続くのだけど、読んでいくうちに各話に散りばめられた符号が嵌っていって、壮大な未来世界が構築されていることがわかってくる。

ふつうSFというと細かく作りこまれた設定の中にどっぷり浸かって楽しむものが多いけど、この

もっとみる

センセイの鞄

久しぶりのnoteの更新。

川上弘美さんの「センセイの鞄」を読んだ。
大学時代に読んで好きだった本を読み返してみようと思い立ったGW、
図書館に足を運んだ。内容はあまり覚えていなかった。

この小説は、30代の独身女性の「ツキコさん」とツキコさんの高校時代の
センセイによる恋愛小説だ。二人は行きつけの居酒屋で隣の席になり、一緒に飲むという間柄で物語は始まり、ゆっくりとゆらゆら寄り道しながら、時に

もっとみる

眠れぬ夜には、川上弘美を。

魔法にかけられたみたいに、ぐっすり眠れちゃう本。

子供には『おやすみロジャー』、大人には川上弘美。

とくに、ショートショートがおすすめ。

心が不安定なとき、どうしても呼吸が浅くなる。大好きな本を読んでいても、呼吸がはやいから自然と速読になってしまう。

そんなとき、なぜか川上弘美の文体は、読み手にゆーっくり読ませるようにできている。不思議だ。。。ゆーっくり読んでいても、お話自体は短いから、読

もっとみる