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年賀状と人間の互酬性 【新人読書日記/毎日20頁を】(33)

「人間性はどこから来たか」、81-100頁、読了です。

受けた恩恵を返さない人、利己的な人は、疑いや敵意の対象となり、伝統社会では村八分にされた。

「人間性はどこから来たか」(p.97)

 第5章「互酬性の起源」では、霊長類から人間社会まで、互酬的行為や協力のパターンが論じられています。利他行動と利己行動は血縁関係に限らず、普遍的な人間関係にも大きく影響を及ぼしていると感じました。著者は日本における年賀状のやり取りを例として挙げて、人間の互酬性を語っています。年賀状を出したのに、相手からは来なかった場合、大体翌年は年賀状書きません。それは相手のことを「お返しをしない人」だと認識したのです。同じように、霊長類集団にも「裏切り者の「個体識別」によって、「二度と援助しない」と決めるという方策があります。

 互酬的社会に住んでいる私たち、お互いに協力し合うことで楽になるところもありますが、返さないといけないところもあると考えると、少し面倒くさくなる人も少なくないでしょう。

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