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寓話篇|「脂肪の子」と「恋ノ邪魔者」 【新人読書日記/毎日20頁を】(24)

「ブッシュマンの民話」、161-180頁、読了です。

今回のお話は脂肪からできた娘「脂肪の子」と、彼女に一目惚れした人間の男性の恋愛物語です。主人公の二人は「恋ノ邪魔者」を退治して、幾多の困難を乗り越え、ハッピーエンドを迎えます。ディズニーのラブストーリーにもよくあるパターンですね。

ただ、ここの邪魔者は意地悪い継母ではなく、「犬」です。世間では、犬は善良で強い忠誠心を持つとされていますが、ここで登場する犬はそんな私たちのイメージからはかけ離れています。「脂肪の子」と男の結婚を邪魔するため、懸命に悪事を働きながら、うまくいかなかった不器用な姿が、面白くて可愛いと感じました。


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今日もお読みいただきありがとうございます。
人間とペットの関係について、今年できた好評新刊『自然に学ぶ「甘くない」共生論』をおすすめ致したいです。著者の椿先生が簡潔な言葉で、いろんな角度から人間と動物の共生関係に触れています。ペットとのコミュニケーションからコロナの由来まで、今起きている時事にも注目していて、知識と楽しさ両方とも溢れる一冊です。

椿 宜高(つばき よしたか)

京都大学名誉教授
1948年福岡県に生まれる。九州大学大学院理学研究科博士課程中退(理学博士)。九州大学理学部助手、名古屋大学農学部助手、国立環境研究所上席研究官、東京大学農学生命科学研究科教授、京都大学生態学研究センター教授、センター長を歴任。2013年定年退職の後、京都産業大学講師、個体群生態学会会長、Worldwide Dragonfly Association会長などを歴任。

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