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恋愛にはすれ違い要素が必要だ、絶対に

これまでどこかうっすら茶化していてごめんなさい。
ちゃんと見たこともなかったのに、イメージだけで少しだけ軽んじていたこと、謝罪したいと思います。

「東京ラブストーリー」
古臭い、前時代的な、使い古された、そして、モノマネで消費されつくされたトレンディドラマ、それが東京ラブストーリーだと思っていた。

ほんとに、ごめんなさい。
私、心の底から反省しています。

まさかここまで面白いなんて知らなかったよ!

見始めたきっかけはジュエリー。
父が誕生日にジュエリーを買ってくれると言ってくれてから、私の頭の中は宝石に関することでいっぱい。
色々と調べていると、東京ラブストーリーの中で女性が付けているジュエリーはゴールドの存在感があるぽってりしたものばかりだと聞いて、ゴールド、そしてぽってり好きとしては確認せねばなるまいとFODで見始めた。
ストーリーなんて二の次だった。
だのに。

作品概要
田舎から東京の会社にやってきた若者・永尾完治(織田裕二)は幼なじみの関口さとみ(有森也実)が好きだった。しかし関口は永尾の同級生・三上(江口洋介)に心惹かれていた。カンチは同じ会社で知り合った赤名リカ(鈴木保奈美)から一途に愛を打ち明けられ、その恋愛は成就するように見えたが・・・。

FOD

愛媛から出てきた純朴で正直、可愛い男である織田裕二演じる「かんち」と東京育ち(なのだと思われる)さばけたチャーミングな女性である鈴木保奈美演じる「赤名リカ」の恋模様に強烈にキュンキュンさせられてしまっている。

これまで一度もちゃんと見たことがなく、知っていることはいくつかの有名なセリフと、最終的にかんちが誰とくっつくかという2点のみ。
その有名なセリフの一つである
「ずっちーな!」
がなんと1話のラストで早々に出てきたことに爆笑させられてしまった。

直前までリカとのやり取りに胸をときめかせていたのに。

昔のドラマって多少言い回しやせりふ回しに古臭さや大仰なものを感じてしまうものだが、このドラマはそれをビンビンに感じつつもキュンキュンがその違和感を軽く凌駕していく強いパワーを持っている。

ちなみに、織田裕二の破壊力抜群渾身の笑顔から放たれる「ずっちーな!」は何度聞いても「ずっりーな!(ずるいな)」ではなく「ずっちーな」としか聞こえなかった。モノマネで誇張されているもんだと思い込んでいたが、あれは原典通りであった。
愛媛あたりではそういう言い方するのだろうか?

また、このドラマのもう一つの超有名セリフが、赤名リカの「かーんち!セックスしよ!」である。
私はこのセリフの前情報だけで、この赤名リカという女性は東京育ちのすれっからしのイマドキの軽い女で、本能に忠実系の男を振り回す小悪魔タイプだと思い込んでいたがこれは非常に大きな間違いだった。

赤名リカ、彼女は意外と尽くすタイプの一途な女なのだ。明るく懐の深いリカと付き合いながらも、幼馴染の「さとみ」のことが忘れられない正直者のかんちは、それゆえにリカに対しナチュラルにひどいこともしてしまう。
かんちよ、織田裕二よ!
おめー、リカを大事にしてくれよ!さとみがなんだ!暗くてうじうじしてて「だって…!」が口癖の湿度の高いさとみがそんなにいいのか!?
と、私としては1話毎にこのドラマの世界に足を突っ込んで、リカのためにかんちに説教してやりたい気持である。

ちなみに、この仰天セリフ(セックスしよ?)の直後にほんとにセックスするなんて思わなかったよ…

「な…!なに言ってんだよ!」
なんて顔を赤らめながら織田裕二が慌てていると、リカが「冗談だよ!」なんて言ってかんちをからかう姿を想像していたもんだから、直後にシーンが切り替わってベットの中にいる二人を見た時には仰天した。

しかもこの有名なセリフ、なんと2話目にして早々に披露される。
1時間前に1話のラスト「ずっちーな!」で爆笑をさらった次の瞬間これである。
このドラマ、いろんな意味で私の想像よりも展開が早いんだ。

そして、ここからが本題なんだけど(相変わらず本題までが異様に長いんだが)恋愛ドラマに携帯電話、スマホは必要ない、むしろ邪魔であることがこのドラマによって証明された。

この時代は家電と公衆電話はあるが、携帯電話が存在しない。
リカに食事をおごる約束をしていたかんちは、リカのもとへ向かう寸前にさとみ(かんちのミューズ/女神)から連絡が入る。
かんちはリカのデスクにメモを残してさとみに会いに向かうのだが、リカはそのメモに気づかず待ち合わせ場所へ向かってしまう。

冬の夜。かんちが来るのを一人待ち続けるリカ。
雨が降ってくる。(当然雨は降らねばならない)
リカがメモに気づかず自分を待ち続けていることに気づいたかんちは雨の中傘もささずに走り出す。(ね、雨、必要だよね)

不便こそが恋愛を燃え上がらせるのだ。
すれ違いがドラマを作るのだ。(メイクドラマ)
相手の「一人の時間」が見えないからこそ想いは深まり、向かい合っている時間は濃厚なものとなる。

もちろんこの時代にも家電はあるから、二人は夜時々電話をする。
しかし忘れてはならない。
この時代、電話は1分〇円と、至ってシビアに時間経過ごとに料金が発生している。
wifi環境下で行うライン通話みたいに、いつまでダラダラしゃべっても永遠にタダではないのだ。

だからこそ、一見なんでもない言葉のやり取りが二人にとっては貴重なものとなる。
中身のないやり取りを、お金をかけてそれを行っているというところが重要なポイントだ。
二人はお金を払ってでも、「なんでもないやり取り」をしたいのだ。
ああ~~~(身をよじる)

安西先生、恋がしたいです!


人間には多少の不便さ、理不尽さ、抑圧が必要だ。
そういうものの中からしか生まれない情熱がある。
その情熱が、ある時は素晴らしい恋愛をつくり、ある時は人類の進歩につながるような新しい発想となったりする。

最後に忘れてはならないのが、本ドラマの主題歌である。
小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」
今では、特徴的なイントロ「チャカチャ~ン」が流れるだけで悶えるようになった私は完全にパブロフの犬である。

「ここでイントロかかってほしい!」というところでバシッと決めてくれる分かりやすさが素晴らしい。
いいんだよそれで。
愛だの恋だのは本能的なもの。
変に奇をてらったりしてほしくない。
シンプルにズドン!
これでいいのだ。


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