35記事目_やってはいけない

音読の成果が出ない原因を知るための「10個のチェックリスト」。独学で英語力を上げるには [連載vol.5]

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。

[連載Vol5]の本日は、音読を続けているけど英語力が上がらない、という人のための救済チェックリストがテーマです。

連載も折り返しということで、ここまで紹介してきた音読のコツをチェックリスト形式でお届けしようと思います。

・音読に挑戦してみたけど、思うように進まない。
・とりあえず始めてみたけど、英語力が上がっている気がしない。
・モチベーションが続くか心配。

このような不安を抱えているかもしれません。

私も音読学習に何度か挫折をしたことがあり、その度に「ここがいけなかったのか」と反省してきました。ここにあるチェックリストは、その反省の集大成のようなものであります。

音読で心が折れそうな時、何か支えになるような記事を書きたいと思い、このチェックリストを作りました。


1.内容がわからない教材を読んでいる

音読が続かなくなる理由No.1は、わからないものを読んでいることから来る、脳への負担です。

中学校や高校の頃、嫌いだった教科の教科書のことを思い出してみてください。見ていると苦痛なはずです。

人は嫌いなものや意味がわからないものには、バリアを張る傾向があり、もし音読で使用している素材の内容が意味不明であれば、苦痛で逃げ出したくなるはずです。

以下のものに当てはまっている人は、素材を変えるか、素材を研究し、理解を深めるように努めてください。

・自分が興味のない素材を音読している
・本文の中に理解できない文法がある
・本文の中に理解できない単語がある


2.自己流の発音で読んでいる

CDや動画の音声に忠実に発音していますか?

音読をする時、無意識的に自分の声と音源の声を比べてしまうものです。

自分の声が音源と違いすぎる場合、その落差に愕然とし、自信を失ってしまいます。

ひとりひとり声は違いますから、声質は真似なくても良いです。例えば、音源が女性の声だからといって、男性が女性の声を出そうとする必要はないですが、最低限リズムは真似てください。

日本語と英語のリズムは異なります。3拍子のワルツを4拍子で演奏すると、ちぐはぐに聞こえてしまうように、英語独特のリズムを日本語のそれに変えてしまうと、たちまち英語ではなくなってしまいます。

まずは発音の理論を理解することが始まりです。

英語のリズムをとる自信がない人は下の記事を読んで基礎知識をつけてみてください。

また、音読は一種のスポーツのようなものであり、その心は「型」があるという点です。バスケでもサッカーでもシュートフォームが乱れていると、決まりませんよね。

スポーツに置き換えると直感できると思いますが、自己流の発音は成長の妨げとなります。ゆえに正しい発音の型を身につけることも欠かせません。

下に発音学習の概要についての記事をまとめましたので、まだ発音学習に触れたことがない人は合わせてお読みください。

ということで、下の2つに当てはまった人は要注意です。

・日本語と英語のリズムの違いがよく分かっていない
・それぞれの母音、子音の発音のしかたがよく分かっていない



3.ゆっくり確実、よりも音源の速さについていこうとする

焦りは禁物です。音源のスピードについていけないからと言って、発音をごまかして、スピードだけ真似ようとする人が時々いますが、百害あって一利なしです。

昔の自分はまさにそのとおりでした。

できない発音をごまかすのは、自分に対して嘘をつくのと同じです。

3周しか走っていないのに、5周走ったことにしているような、過剰申告のような行為です。これは、英語学習の「後ろめたさ」に繋がるので、常に足を引きずりながらマラソンをするような感覚に襲われます。

また、できない箇所の練習をするチャンスを殺してしまっているので、結果的に英語は伸びません。

確実に発音できないのに、スピードだけついていこうとするのは、自己満足以外に得られるものは無いのです。

・音読の時に自分に正直でありますか?
・スピードと確実さ。スピードの方を重視してしまっていませんか?

音源が速すぎずついていけない時は、連載Vol.4で解説した「リピーティング」というテクニックを使ってみてください。


4.継続・習慣化していない

筋トレは1日しただけでは効果は出ません。

音読も同じです。筋トレのように継続することで、確かなる英語力に繋がるのです。

チェックリストを見て、あてはまる項目があったら処方箋として下の記事が役に立つでしょう。

・毎日決まった分量の時間を音読に割けない
・毎日音読をする時間帯が不規則になって不安だ
・3日坊主で終わってしまった経験が多い
・面倒くさがりである



5.自分にあったレベルの教材を使っていない

下の難易度一覧表のとおり、ちょうどいいレベルか、ちょっと上のレベルがオススメです。

・簡単すぎる教材:新しく得られるものがない
・少し簡単な教材:新しく学べはしないが、サクサク進み爽快感を得られる
★丁度いい教材:理想です。英語の吸収率が最も高い
★少し難しい教材:手強いが得られる経験値が多く、次のレベルに進める
・難しすぎる教材:萎えるから続かない

敵を倒すと経験値をもらえるゲームを思い浮かべてみてください。

ノーマル敵を倒せば少量の経験値が得られますが、ちょっと強めの中ボスを倒せば経験値がザクザク得られると思います。

音読も同じで、ちょっと難しめの教材に挑戦すれば得られるものは多いですが、道のりはハードになります。

難易度が高めの教材にチャレンジする場合、ゲームと同じで装備をよく整えてから挑むべきですので、ある程度英語や音読に慣れてからのほうが良いでしょう。


6.小さな改善を毎回積み重ねていない

一昨日も、昨日も、今日も、ただ同じことを考えずに繰り返している。

それでも一応、口はだんだん慣れてはいきますが、成長幅はどうしても狭くなります。

可能なら、毎回1つ改善点をあぶり出し、次回は前回より上手にやろうという意気込みで取り組みましょう。

例えば、前回は「experiment」という単語が上手に読めなかったから、次回はもっとなめらかに読めるように、語頭で力を入れすぎないようにしよう...という小さい改善を積み重ねるのです。

・1回の音読ごとに、改善点をあぶり出せていない
・音読は毎日しているが、惰性で続いてしまっている

毎回、前回よりも1.01倍上手に取り組むことを1年続けると、一年後のあなたは今日の37倍強くなっています。

これについて証明した記事があるので、興味がある方はご覧になってみてください。


7.座りながらでしか音読していない


全ての音読を立って行う必要はないですが、立って音読をすると以下のメリットを得られます。

・脳が活性化する
・幸せホルモンが分泌される

「分かる実感」は勉強には欠かせません。勉強しているけど分かる実感が無いと、続ける意欲が落ちてきます。それゆえ、

歩く→脳が活性化する→より多くが分かる→意欲が湧く

というサイクルを自ら作り出すことが、音読を長く続く習慣に昇華する鍵になります。

また、

歩く→脳がのある部分が刺激→幸せホルモンが出る→意欲が湧く

という流れを作ることも、継続の秘訣です。継続は力なりといいますが、まず継続するためのエンジンが必要です。

継続するためのエンジンは、立っての音読で手に入れられます。

詳細は連載vol2に書いたので、まだ読んでいない方は、そちらをご覧になってみてください。


8.脳が活性化する朝の時間に音読できていない

人は朝起きてから2時間~3時間の時間が最も脳のパフォーマンスが上がると言われています。

お昼ごはんを食べたばかりの頃の集中力と、朝ごはんの前の集中力の違いは、日々の生活から実感できているはずです。

「朝飯前」という言葉は、「簡単だ」という意味で使われていますが、本質は脳科学にあります。

つまり、難しいことは集中力の高い朝の時間帯に取り組めば簡単に終わる、という意味なのです。

昔の人は脳スキャナなんて機械はありませんでしたが、脳の仕組みをよく分かっていました。先人の知恵と脳科学にあやかって、朝の時間帯を英語の勉強に充てましょう。


9.成長することを信じていない

・英語が話せるようになる自信がない
・今まで伸びなかったから、今回もどうせ伸びないだろう
・私は頑張っても、英語が得意なみんなを抜けないだろう

こんなふうに、努力に対して消極的になっていませんか?

努力の結果は「S字」となって表れます。

S字カーブの特徴は、一定期間伸びない時期が続いたあと、急に伸びだす時期位が来ることです。

つまり、伸びない時期と伸びる時期の境目となる点があり、この転換点が来ることを信じて努力できるかどうかが、モチベーションの炎をともし続けられるかどうかを決めてしまいます。

ちなみに、私は大学時代に食品科学を先行しており、微生物学の授業でこの理論を知って、努力することに対して自信を持てました。

この努力の法則を知っている人は少ないですが、もし理解できたら不安を自信に変えてくれることでしょう。


10.自分なりの方法を確立していない

人の数だけスタイルがあります。

学校では30人ほどを1つの教室に押し込め、全員に同じ学習方法で勉強することを強要していますが、これは本来の教育ではないと思います。

ひとりひとり、合った学び方は違うので、”たまたま”先生が提示する学習スタイルと相性がいい人は成績が上がり、そうでない人は勉強嫌いになっていくのです。

英語を学ぶ場合でも同じです。結局自分のスタイルを確立した者が一番強いのです。

私も、英語の勉強に膨大な年数を費やした人間のうちの1人です。自分のスタイル探しを常に意識し、試行錯誤を繰り返しており、全学習期間の7割はスタイル探しでした。

しかし、一度スタイルが確立したら、あとは速かったです。1年でTOEFL96点に到達したり、中国語を1年半習得できたり。

これまでの連載で紹介した、Think-aloud法や、シャドウイング、オーバーラッピング、リピーティングなどを、自分なりにアレンジして、生活習慣とブレンドもして、自分なりのスタイルを確立してください。

きっと、もっと英語が楽しくなるはずです。


いかがでしたか?

「語学は生きることである。」「語学は自己改造・自己変革である。」とは過去の記事でも述べてきました。

今回の10個のチェックリストのうち、自己改造に関するのは何個あるでしょうか?

毎日の生活に語学が入ると、生き方も変わります。朝型になったり、幸せホルモンが出て、やる気がみなぎったり、内向的な人が積極的になったりと、人生の総合満足度が変わるはずです。

語学の学習は人を磨きます。数ある学習方法でも、特に音読は人を磨き上げます。どうか、音読を続けレベルアップの階段を登り続けて行ってください。

きっと、見える景色が変わるはずです。


[Vol.6]はコチラからです




1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。