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外国語が身につく、上達するって?

「外国語が上達する」ってどういうことなのでしょう?

もともと文を作って言葉を操り、コミュニケーションができるのは、人に独特の能力です。チンパンジーも、単語を少し並べることまではできますが、これを組み合わせて文を作ってコミュニケーションをすることはできません。ここ数千年来の文明や文化、近代の科学技術の発展も、人のこの能力がなければ、不可能であったと誰でも想像がつくところです。

では、それぞれの人は、生れてからどうやってその能力を発達させていくのでしょうか? という問いは言語学や言語発達心理学の領域になるでしょうからこれ以上は深入りしませんが、母語を身につけ、さらに外国語を身につけるときにも、「大切ななにか」がきっとあるはずです。そして、これは、外国語の上達にとっても、きっと欠かせないなにかであるはずです。などということを考え、自分なりに試行錯誤しながら、独学でロマンス諸語(ラテン語の子孫たち)を身につけてきました。

すこし自己紹介をしますと、社会人になってずっと金融機関に勤めてきました。いまも平日は、企業で外国語とはまったく縁のない仕事をしています。20歳代にフランス政府給費留学生としてフランス留学をしたものの、あまりの仕事の忙しさの中で、いつの間にかフランス、フランス語とも縁がなくなりました。

ただ、40歳を過ぎて、これはご縁とか偶然としか言いようがないのですが、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語を始め、いまは、西仏伊英語の経済金融の翻訳や上級講座の講師をやっています。とっても地味ですが、いま流行の「フィーリング」英語・外国語とは対極の、長いビジネス経験も織り込んだ徹底的に「わかる」外国語講座でご好評をいただいています。

この中で考えたこと、生徒さんと接していて気づいたこと、などなどを書いていきたいと思います。

ひとつ確実に言えることは「外国語の上達には近道はないけれども法則がある」ことです。そして、外国語を身につけることについては、努力が自分を裏切ることはありません。やっただけ身につくものです。

ところで、シャルルマーニュ、カール大帝は、西ローマ帝国崩壊後、混乱の西ヨーロッパを再統一した偉大な武人です。なので、今でいうような教育は受けていません。ただ、戦いの傍ら、就寝前に石板でラテン語の手習いをするのが日課だったと言います。その彼は次のような言葉を残しています。

« Avoir une autre langue, c'est posséder une deuxième âme » .
「もうひとつ別の言語を手にすることは、第二の魂を持つことである」

Charlemagne (768 - 814)、シャルルマーニュ

新しいことばを身につけるワクワク感、そして、世界を適切に掴み取り、かつそれが広がる感覚が、時代を超えて現代の私たちまで伝わってくるようですね。ちなみに、努力の甲斐あって、大帝は、ラテン語は読み書きができるようになり、ギリシャ語もある程度は理解できるようにはなったそうです。

なお、古代ギリシアでは、ことばの習得は、世界を的確に知覚するための力をつける学問だった点については、また項をあらためて書きます。

シャルルマーニュだって日々鍛練したぐらいですし、自分自身の足取りを振り返っても、外国語は「かんたん」だとか気軽な気休めはけっして言えないです。それでも、と言うか、それだからこそ、「わかる」「通じる」ワクワク感をすこしでもたくさんの人に広めていきたいとも思います。

こんな思いを胸に、これから、少しずつ記事を書き加えていきます。最後まで、お読みいただきありがとうございました。どうぞ乞うご期待。

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