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レミオロメン歌詞考察

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レミオロメン『流星』歌詞考察#7  そっと大人になる

答え合わせ 『流星』歌詞考察の最終回である。
 これまでの考察を簡単に整理したのち、曲名に隠された意味と、筆者が考える『流星』の総合的な解釈を示したい。
 まずは、本連載#2で提示した疑問点に対する考察を整理してみよう。

 (1)A・B・Cメロ歌詞

・・・「流星」と「シャトル」の対比

①なぜ母親は少年の問いに「飛行機よ」と答えたのか?

②「流星」と「シャトル」は何を指すのか?

③「永遠が

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レミオロメン『流星』歌詞考察#6  誰のものでもない星を走った

レミオロメン『流星』歌詞考察#6  誰のものでもない星を走った

まだ誰のものでもない  今回は「永遠が蹴飛ばした星」が「まだ誰のものでもない」とは、どんな状態なのか。そして、「Tシャツで走った夢」の意味を考えたい。

「永遠が蹴飛ばした星」とは何か

 「永遠=シャトル」が打ちあがって「蹴飛ばした」のは「地球」である点は前回述べた。

 「シャトル」における「地球」が「まだ誰のものでもない」ことを説明するには、これまでで考察してきた「シャトル」を敷衍していく必

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レミオロメン『流星』歌詞考察#5 『流星』における「永遠」とは?

レミオロメン『流星』歌詞考察#5 『流星』における「永遠」とは?

「永遠」が蹴飛ばした星 『流星』の2番Aメロに「永遠が蹴飛ばした星はまだ誰のものでもない」というフレーズが出てくる。
 今回は「永遠が蹴飛ばした星」の「永遠」とは何を指すのかについて考えたい。

 前述したとおり、流星とシャトルには以下のようなちがいが見られた。

 対照的なシャトルと流星のうち、「永遠」に近いモチーフとして描かれているのは「シャトル」である。

 「シャトル」の打ち上げに際して「

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レミオロメン『流星』歌詞考察#4 「流星」と「シャトル」とは何なのか?

レミオロメン『流星』歌詞考察#4 「流星」と「シャトル」とは何なのか?

相違点と共通点 今回は「流星」と「シャトル」そして「もう二度と逢えないもの」が何を指しているのかについて考えたい。

 1番歌詞では流星、2番歌詞ではシャトルの記憶が、それぞれ別で語られている。しかし大サビの直前に位置するCメロでは、両者に触れている歌詞が見られる。

 Cメロ歌詞を聴いたとき、『流星』の歌詞中に流星とシャトルを配置したのは偶然や思いつきなどではなく、はじめから意図された対比である

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レミオロメン『流星』歌詞考察#3  誰の笑顔を、誰が祈るのか?

レミオロメン『流星』歌詞考察#3  誰の笑顔を、誰が祈るのか?

サビ歌詞の主語は? 今回はサビ歌詞の主語について考えたい。
 1番サビ、2番サビ、大サビの歌詞は、ある共通したフレーズによって連関しているため、サビ歌詞はすべて一人の人物による発言であることが分かる。

 夢を見てた人と、笑顔を願う人

 すべてのサビ歌詞に共通する「もう二度と逢えないものに溢れてTシャツで走った夢を見てただけのことよ」というフレーズには、二人の人物が描かれている。

 すなわち「

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レミオロメン『流星』歌詞考察#2  隠れている主語と2つの時間軸

レミオロメン『流星』歌詞考察#2  隠れている主語と2つの時間軸

疑問点の整理 まずは一度『流星』を聴いて、曲のイメージや物語を想像してほしい。できれば簡単なメモをとっておくと、この記事を読む前後で印象の変化を実感できて面白いかもしれない。

 以下では、考察を始めるにあたって筆者の疑問点を整理した。

 (1)A・B・Cメロ歌詞

・・・「流星」と「シャトル」の対比

①なぜ母親は少年の問いに「飛行機よ」と答えたのか?

②「流星」と「シャトル」は何を指すのか

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レミオロメン『流星』歌詞考察#1  思い出に、そっと寄り添う歌

レミオロメン『流星』歌詞考察#1  思い出に、そっと寄り添う歌

レミオロメンの名曲『流星』 あの曲を聴くと、昔の思い出がよみがえる。そんな経験がある人は少なくないだろう。
 筆者にとって思い出に寄り添う歌のひとつが、レミオロメンの『流星』である。

 レミオロメンはいわずと知れた、山梨県出身の3人組ロックバンドである。2003年にメジャーデビューして以降『3月9日(2004年)』『粉雪(2005年)』などで圧倒的な支持を得た彼らは、2006年に発表された3rd

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