白衣を着た美人と高血圧

大学生の頃から毎年必ず健康診断の血圧の項目でNGを出し続けていた。

今年も例によってガッツリ再検査、そして自宅観察になっていた。

今年は例年より基準が厳しくなったのか、自分が年齢を重ねたからかはわからないが、自宅で血圧計を購入して、計測結果を報告するよう保健師から厳しく指導された。

さっそくオムロンのこちらの血圧計を購入。

測定するのはまだしも、毎日記録をつけておくのが絶対に億劫になるだろうと思いスマートフォン連携機能が搭載されている機種を選択した。

この機能が便利で、指導どおりコツコツ計測をしているのだが、一つわかったことがあった。

私の場合、家庭で計測した場合、健康診断の時の結果よりも遥かによい結果がでる。

血圧計が壊れているのかとも疑った。

過去にも、実家に帰省した時などに両親が持っていた血圧計を借りて計測したことも何度かあったが、その時もよい結果がでていて、古い血圧計のために正しく測定できていないのだと思っていた。

しかし今回は新品の血圧計。しかもそれなりにお高いものを選んでいる。

画面に表示されている違和感のある結果よりも、血圧計が不良品である事の方が信じたくない。

測定方法が間違っているかもしれないと説明書をめくっていくと、巻末に血圧に関するちょっとした知識が記載されていた。

自分に起きている現象を探してみるとどうやら、「白衣高血圧」に該当しているかもしれないことがわかった。

白衣高血圧?

ネットでも調べてみた。いろいろHitする。

ちなみにオムロンが解説するページ

「診断」や「検査」という状況が緊張をつくって血圧を一時的に上げてしまっていることになる。

これはなんだか恥ずかしい。

もうちょっと調べたら、医療用語ではないものの「美人高血圧」なる現象もあるらしい。美人の前で血圧が上がってしまうというもの。

これもなんだか恥ずかしい。

定期健康診断では99%フィジカル的なチェックをしてくれていると思っていたが、思わぬところにメンタルが影響している、、、

白衣、美人、これが私の血圧に影響を及ぼしている。しかし、これは悔しいが否定できない。

また、特段そのための努力をしてきていないのに、今年こそは再検査になりたくないという、身勝手な祈りが測定中の自分を追い込んでいる事実もあるだろう。

さらに加えて言うなれば、健康診断のプログラムも、自分にとって不利なのである。

血圧検査の直後が採血なのだ。

採血は大人になっても、こわい。

これは恥ずかしい。

直後の採血を意識して血圧が上がっているに違いない。間違いない。

なんなら前日の夜からちょっと意識している。

つまり、血圧測定中の私は「白衣」「美人(※場合による)」「怠惰な祈り」「採血こわい」の少なくとも四方向から悪影響を与えられているのだ。

そりゃあ再検査にもなるわとも感じるが、

至って人間らしいのではないかと肯定感もあったりする。

むしろこの検査を毎年難なくパスできる猛者どもは、一体どんなメンタルマッチョなのか小一時間ディスカッションしたいとすら思える。

ということで、
白衣高血圧とはいえリスクはあるということなので、
運動や食事に気をつけなきゃなあ、というのにプラスして、
煩悩を捨て、待ち受ける痛みに動じないメンタルも鍛えなければならないことになった。

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