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【日記】愛する京都にさよならを

日記。


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眠い目をこすりながら起きて、10時前に京都に着いた。わたし、京都のためなら早起きやれます!!電車をおりると、今季わたしが京都にいた日のなかで1番の冷え込み。空には雲が垂れ込めているけれど、京都はくもりが似合う街だと思う。今日は大学最終日。今日のテーマは"京都への未練減らそうツアー"。京都なんか、一生週1で行きたいですからね。死ぬまで毎週。でもそれは無理だから、今日は存分に京都したい。まず清水寺の近くの瑞光窯という陶芸のお店。春からのひとり暮らしで使う大皿を探すも、あえなく失敗。惜しいものはあったけれど、わたしの感覚にビビッとはまるお皿はなかった。こういう時もあるよね。そのあと通りがかった安井金比羅宮でおみくじをひいたら、凶。うん、こんな時もあるよね。おみくじは何もかも悪く書かれていて、それはもはやSSRだろ!まぁ、今年はたくさんおみくじをひいていて、大吉も引いたから、私はそれを信じます。寺町商店街を抜けて村上開進堂を過ぎたら、あれよあれよと11時。階段を登って、百春に到着。わたし的には喫茶店とカフェの中間点に位置する存在のこのお店。開店直後に行ったからお客さんは私ひとりで、穏やかな澄んだ時間が流れる。オーダーはたまごサンドとホットの紅茶のストレート。たまごサンドはふわふわのパンがしみじゅわのだし巻きを抱きかかえていて、パンに塗られたソースが両者の仲を取り持つ。シンプルに思えるけれど、だし巻きの水分量やソースの量、パンやたまごの大きさ、見た目までどれをとっても美しい。すべてが緻密にデザインされていて、隙がない。たまごサンドを食べ終えて、ホットティーを飲みながら平野紗季子さんの『生まれた時からアルデンテ』を読む。2階の窓に面するカウンターから、人々の往来をぼんやり眺める。

百春のたまごサンド


そんなことをしていたら最後のゼミに少し遅れてしまった。卒論の修正部分を各自発表して、先生からのメッセージ的な講義があって解散。同じゼミの子から「卒業式絶対きてね」と言われた。どうやらわたしは卒業式に行かなそうに見えるらしい。
お別れムードも束の間、わたしは恵文社一乗寺店へ。最愛の書店に通うのも、しばらくお預けになる。予定があって30分ほどしか居られなかったけれど、エッセイを2冊、『ティファニーで朝食を』のポスターを買い、髪がぶちぶち抜けるくらい後ろ髪を引かれながら店を出た。
バスに乗って河原町に出て、向かったのは寺町商店街と新京極商店街の間にあるSUGiTORAさん。わたしが敬愛する作家、千早茜さんが"私のパフェの実家"というお店で、パフェやジェラート、焼き菓子などを売っている。ずっと行きたかったけれどなかなか行けなくて、今日が初来店。お店は1階にテイクアウトコーナー、2階にカフェコーナーがあって、小さな螺旋階段で2階へ上がる。わたしが頼んだのはショコラパフェと和紅茶。まず席に着いて、カトラリーや食器のこだわりに驚いた。お皿は深い海のような青にラメが入った平面のお皿。スプーンはポルトガルのカトラリー、cutipol(クチポール)。持ち手の表面がさらさらで曲線が美しく、適度な重み。わたしが欲しいカトラリーが使える機会が来るとは。こだわりを感じるカトラリーに、期待がぷくぷく膨れ上がる。
そして、パフェはこちら! 美!!!

SUGiTORAのショコラパフェ


頂点のショコラキャラメリゼはパリパリで甘くて、ほんのり苦味も感じる。おいしい。ジェラートは3種。わたしはジェラートやアイスが苦手だから、3つもあるのか...と若干気後れしていたのだけれど、ジェラートが驚くほど軽い。軽すぎる。かといって味が薄いとか、そんなのじゃない。味はもちろんすごくおいしいし、濃厚さも感じる。ただ、軽い。わたしがこれまで食べたパフェはなんだったんだ...と思うくらいわたしのパフェの概念を覆して、これこそperfectを語源とする(たぶん諸説!)食べ物として遺憾ない貫禄。目に見えて減っていくパフェに一抹の悲しみを覚えながらあっさりと食べ終えた。さっきまでそこにパフェが入っていたグラスを少し眺めた後、焼き菓子をいくつか買ってお店を出た。
そのあとはANGERSという行きつけの雑貨屋さんへ。今日はついにcutipolのカトラリーを買った。梅田の蔦屋書店で一目惚れし、わたしがひとり暮らしをするときには必ず買う!!と心に決めたのが2年前。とうとうついに買ってしまって、ニヤニヤが止まらない。わたしが選んだお皿にわたしが作った料理が乗って、わたしが選んだカトラリーで食事をする。わたしの生活が、わたしが選んだものでできていくのは、この上なく幸せだと思う。

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